腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

高速カードバトル カードヒーロー

2011年02月13日 02時52分08秒 | ニンテンドーDSゲーム感想文
本来なら今扱うタイトルではない。
3年ちょい前の発売日に購入し、それなりにプレーした作品だからだ。
だが当時はまだプレーしたゲーム全ての感想文を書く習慣がなかったので、「とある事情」により今作はスルーしていたのである。
してあれから3年、「とある事情」を遂に達成することができたので、晴れてブッ書くぜというわけだ。うははは。
……どうでもいい。


まぁ要するに長年放置してた心残りのあるゲームを再開したわけなんだが、そのキッカケは本当にしょーもないものだった。
ある日家のネット接続の調子が悪くなり、色々原因を調べていた。
その際「無線LANの方はどうかな?」と思い立ち、DSを立ち上げ、wifiに繋がるかどうかを試してみたのである。
その時選んだタイトルこそ、本作「高速カードバトル カードヒーロー」だったというわけだ。
つまりただネット接続のテストの為にDSに突っ込んだだけであり、プレーを再開したかったわけではない。
だが「せっかくROMを刺したんだし、久々にやってみるか」と思ったら最後だった。
「お、おお? やっぱ面白いなこれ。癖になる」。
……あれから数ヶ月、大ハマりしてたわけじゃないが、暇を見つけてチンタラプレーを続けた。
そしてとうとう、到底やれそうになかった心残りを達成することができたのである。
継続が力なりと言うと大袈裟だが、やっぱ地道にコツコツダラダラってのは大事なんだねぇ。しみじみ。


ではもったいぶってる「心残り」が何なのかと言うと、答えは単純「全カードを上限まで集める」というものだ。
カードコンプリートではない。そんなの3年前に達成している。全カード上限(9枚)まで、だ。
これは実際に今作をプレーした人ではないと分からないだろうが、非常に時間と手間のかかる作業である。
ちなみに人間とのトレードはやっていない。してくれる相手いないし。畜生。
俺は今誇っていい。自慢していい。笑われてもいい。マジようやったよ俺。こんな下らんことよくやり遂げたよ。
時間と手間云々だけでなく、9枚集めてもプレーにおける意味が全くない。
今作はデッキを組んで対戦するタイプのカードゲームだが、
一つのデッキに同じカードは3枚までしか入れられず、またカードはデッキ間で使い回しが可能になっている。
つまり同じカードは3枚あれば完全に事足りる。上限まで集めても何ら意味はない。制作者からのメッセージがあるわけでもない。
俺は決して凝り性ではないので、普段はこういうことに拘ったりはしない。色々忙しい昨今は尚更だ。
何か久々に、極めてアホなことを真面目にやり込んだようで、1周回って清々しい気分だ。
うはははははは。嗚呼……。



てわけで、心置きなくカードヒーローについて語ろう。
まずは前作、GB版「トレード&バトル カードヒーロー」について語らねばなるまい。
そしてGB版を語るには、ファミ通のとの関係も避けては通れないだろう。

事情は知らないが、実はGB版カードヒーローは完成していたもののお蔵入り、つまり発売中止になりかけていたらしい。
それを何故かファミ通、具体的にはヒゲの人が発掘し、絶賛オブ大絶賛。
当たり前のようにファミ通がトップスクープとして紹介し、以後ずっとプッシュし続けたのだ。
当時の浜村氏が「発売前なのに1000時間以上遊んでる」と書いてたのが忘れられない。
そこまで面白いのかとも思ったが、発売前のゲームをそんなにプレーしていいのかよ。クロレビでもないのに。
マスコミの上層部って美味しいんだなぁと当時の無垢な俺は思ったものだった。はぁ。

浜村氏は色々言われているが、氏が単に褒めるだけでなく「絶賛」までする場合、信用できると俺は思っている。
具体的にはFEシリーズの前例があるからな。氏のカードヒーローへの傾倒っぷりは、いつものヨイショとは雰囲気が違っていた。
やがて満を持してGB版は発売された。「面白さ保証付き!」なるファミ通シールをパッケージに貼って。
さぁ任天堂が放つ、ファミ通お墨付きのカードゲームだ!! GBユーザーよこぞって買うがよい!!!

……値崩れ、しました。あられもないほどに。多分今でもどっかに新品で在庫が残っていると思う。
任天堂ゲームに値崩れは決して珍しくないが、ここまで酷い作品はそうそうない。
成熟しきった後期GB市場に優しいんだか厳しいんだか、カードヒーローは非常に買い易いゲームだった。

しかしこの値崩れは単純に出荷が多過ぎただけで、決して内容が悪かったわけではない。
それはGB版を購入した人なら誰でも実感できるはずだ。もちろん俺もだ。当然値崩れ購入組なわけだが。うるせー。
グラフィックは地味だが非常に奥深い内容と、誰もが自然にルールに馴染めるチュートリアルが素晴らしかった。
残念ながら俺には対戦相手がいなかったから長くハマることはなかったが、十分に面白いゲームだった。
このゲームを発掘(噂が事実だったとして)したのは、浜村氏の大きな功績だと言えよう。
……今ファミ通ってどんな紙面になってんのかな。超久々に買ってやろうかな。



それから7年後、NDSにて待望の続編「高速カードバトル カードヒーロー」発表。
ファンの多くは待望していても半分諦めてもいたので、発表時は皆湧き上がっていた。
GB版大好きだったらしい「忍之閻魔帳」の忍さんも狂喜してたな。懐かしい。
俺もこの空気に中てられ、少々迷ったが発売日に購入した。年末だったしな。
ちなみに今作も結局980円程度まで値崩れしたが、落ちるまでにそれなりに時間がかかったから特に文句はない。
発売日からしばらく、十分楽しめたしな。その時間を買ったんだよ。多分。


で、待望の新作の出来はと言うと……非常に「微妙」だった。
この「微妙」は近年定着しつつある「良くない」の意味ではなく、正しい意味で微妙だ。
つまり良い所と悪い所が混在しており、どちらとは非常に言い難いのである。
期待が強かっただけに、落胆は大きい。けど期待通りの部分も確実にあった。
作品評価なんて大抵そういうもんだが、今作についてはそれが極めて「微妙」だった。
この認識は3年経った今でも変わっていない。うーん、難しい。


まず良かった部分を書こう。ぶっちゃけ言えば発売されただけで嬉しいんだが、それはノーカン。
ゲームの雰囲気・絵柄がスタイリッシュかつ現代的になったのは個人的に嬉しかった。
前作も味があって悪いわけではないのだが、今通用するものだとは思えない。
仮にも現代のゲームとして復活させるに相応しい衣替えを施していた。ナイスである。

今作で追加された新ルール「スピードバトル」が面白い。
マスターの要素をなくし、モンスター2対だけで戦う単純化されたルールだが、
単純ながら一筋縄ではいかず、運も絡んで絶妙に熱い対戦ができる。
スピードバトルはデッキ間の優劣があまりなく、どんなデッキでも勝てる時は勝てる。
よって突き詰めて対戦するには向いてないかもしれないが、手軽にやるには持って来いのルールだ。
カードヒーローの肝である「プロ」ルールは対戦に非常に時間がかかるという欠点があるので、
それと相反する手軽さ・スピーディさを備え、運の要素を強くしたスピードバトルの追加は適切だったと思う。

タイトルに反することない「高速」バトルが心地良い。
というのもGB版はCPUの思考が異常に長く、これがゲームの大きな足枷になっていたのだ。
濃いファンの中には、この思考時間に耐え切れず、GBを改造してまでプレーした人もいるらしい。
今作ではCPUに待たされることが殆どなく、極めて快適に対戦ができる。
更にゲーム全体の演出も前作と違ってキビキビしており、プレーにストレスがない。
ほぼタッチパネルだけのインターフェースは好みが分かれるだろうが、慣れればストレスなくプレーできる。
ゲームシステムが前作でほぼ完成していただけに、ゲーム周辺をキッチリ作り込んできたという感じだ。
これがよく出来ていたからこそ、俺もここまでダラダラ遊び続けられたんだと思う。


次に悪い所を。
スピードバトル以外では、ハッキリ言って前作と殆ど変わっていない。
もっと新カードが乱れ飛ぶ新鮮なバトルを期待していたのに、実際は前作の修正程度で終わっていた。
元が元だけに面白いのは変わらないが、「続編」として期待していたレベルにはお世辞にも届いていない。
前作の完成度が高すぎたからなのかもしれないが、7年待たせておいてこれはどうなのか。
前作での問題点も、プレー環境以外はさほど変わってないし。
ヤミーは削除すべきだったし、先行絶対有利のルールは何か対処すべきだっただろう。
きちんと作られた作品ではあるが、思ったほど制作者の愛を感じない。実に「微妙」である。

CPUの頭が明らかに悪くなった。
前作では思考時間はクソ長いものの、CPUは実に賢く、キッチリと「敵」になっていた。
おかげで対人戦がやれなくても十分ゲームを楽しむことは可能で、何気に素晴らしいプログラムだったと言えよう。
今作では、前述のように思考時間問題は完全に解決したのだが……その副作用として、思考内容が信じがたいほどアホになっている。
無意味なモンスター移動を乱発し、ストーンが余れば取り敢えずアタック、そもそもデッキに勝つ気が見られない、など。
おかげでCPU難度は低くなっているが、対人戦と同レベルで楽しめる前作とは比較にならないほどつまらない。
つまり思考時間を短くした代わりにアホになってしまっているわけだが、今作はDSなんだから、
CPU(チップ)の質はGBより格段に高い。頑張ればこの二つを両立させることだって不可能ではないはずだ。
前作で良かった点を完全に潰してしまっているのが残念でならない。
また、これは制作者も確信的にやったはずだ。ちょっとテストプレーすればすぐ分かることなんだから。
その愛のなさが悲しい。微妙だ。本当に微妙だ。



元のシステムが秀逸なので、今作も十分以上に遊べる。事実俺はCPU戦をやり続けたんだし。
だが、新カード等は諦めるにしても、CPUの思考に関してはもっと頑張ってほしかったと未だに思う。
もしGB版の思考能力とDS版の速さが両立していたら、今作はそれこそ「神ゲー」疑いなしだったであろう。
待望の復活も、結局GB版とさして変わらず、埋もれたまま終わっていった。
惜しい。本当に勿体無い……。





さて、カードヒーローというカードゲーム自体についても書こう。
今作には「スピード」「ジュニア」「シニア」「プロ」の4つのルールが用意されている。
このうちジュニアとシニアは、ハッキリ言って突き詰めると対戦が成り立たない。
マスターのHPが少なすぎて、戦略云々を考えず、ただ只管敵HPを削る戦法が間違いなく最強だからだ。
おかげで誰がやっても殆ど同じデッキになりがちで、また対戦も単純で、全然面白くない。
この二つはあくまでプロに慣れる為の練習と捉えておくべきだろう。
今作独自のスピードバトルについては、上に書いたようにやや運の要素が大きいが、
ゲームバランスの良い熱い対戦を短時間で楽しめるという大きなメリットがある。
スピードルールならCPU戦もそれなりに面白いので、その意味でも価値があるな。

そして最後に残るのが「プロ」ルール、カードヒーローの極みだ。
マスターのHPが10、デッキのカードは30枚という大長編である。
考えることが膨大になるので、思考時間は長くなりがちで、自然対戦時間もそれなりに長くなる。
「高速」には反するが、プロはじっくりと腰を据えて、本気で、真面目に、対戦をするルールなのだ。

そしてこのプロルールは……具体的なことは書かないが、本当によく出来ている。としか言い様がない。
ルールと多彩なカードの性能が織り成す無限の戦略と、逆転逆転また逆転の展開。
俺はカードゲームは全然しないので、他のルールと比べてどうかは知らんが、
単に「対戦ゲーム」のルールとして見ると、本当に感嘆すべきバランスとアイデアが詰まっている。
GB版の時点でほぼこれを完成させていたのが更に2倍驚かされる。任天堂って、凄いなぁ。
何故ここまでのゲームがお蔵入りしかけていたのがか全く理解できないが……。


そして個人的にこのゲームで驚かされるのが、扱う数字の小ささだ。
単純に言えば相手マスターのHPを削り取るのがゲームの目的で、手駒にするモンスターにもHPや攻撃力がある。
この、ゲームに登場する数字が、物凄く小さい。具体的にはほぼ全てが10以下。
マスターの最大HPが10で、モンスターとなるとHP6でも最大クラス。
また攻撃力は1や2が低くて3~5が高い方。攻撃力5なんて恐怖の威力である。
近年のゲームで、いや歴代のゲームでも、ここまで扱う数字の小さいものが他にあるだろうか?
これは何気に凄いことであり、今作の大きな特長だと思うのである。

例えばRPGだと、シリーズを重ねるにつれ扱う数字はどんどん大きくなる。
ドラクエは初代だとラスボスのHPすら100ちょっと。しかし9では? 調べちゃいないが、5000はあるだろう。
FFなんて初代から桁違いの数字を扱うシリーズであり、13のラスボスはHP数百万はあるのではなかろうか?
つまりシリーズが進むにつれ扱う数字がどんどん増えていっているのだ。別にRPGに限らず、どんなジャンルでも同じだと思う。
作品が高度化・複雑化すれば、小さい数字だけではやり繰りが難しくなる。
そこで桁を上げ、数字を増やすことで、より凝った戦闘などを演出するというわけだ。

だがこれは、同時にどんどん人間の理解を超えていくことにもなっている。
上手く言えないが、普通の人間がキッチリ体感で把握できる数字なんて、せいぜい100までだろう。
数千や数万のやり取りなんて、計算としてはともかく体感で分かるわけがない。
FF13のラスボス戦を、細かく残りHPを計算して倒す人はまずいないだろう。そんな事は不可能なのだ。
もちろん数字が増えてもきちんとバランス調整はされているんだから、イコール無茶苦茶と言うわけではない。
寧ろとことん肥大化した最近のゲームは、普通に遊べるだけでもある意味大したものだと思う。よく調整したものだ。
しかしやはり「絶妙な数字の調整」は、近年殆ど見られなくなったと感じている。
どだい4桁5桁の数字でそんなことは不可能だし、仮に実現できてもプレーヤーには伝わらないだろう。

そう考えると、カードヒーローの数字がいかに特異なものかが分かる。
ゲームをほぼ一桁の数字に纏めているんだから、事実上これは極限、究極の調整とも言えるわけだ。
本当に凄いことだと思う。この点については紛れもなく神ゲーだ。
もちろん単に数字が小さいというだけではない。「常に場を把握できる」というこの上ないメリットがあるのだ。
扱う数字が極めて小さいから、HPのやり取りなどの暗算が誰にでも簡単にできる。
そうすると次の一手の戦略をどんどん複雑にこなせるようになる。また、敵の手の予測も細かく可能になる。
これが桁が一つ上がり、最大HP20だったりしたら、一気に無理になる。少なくともやる気が失せる。
それでバランスが整っていたとしても、カードヒーローの深い読み合いは多分不可能だろう。
数字を極限まで小さくすることで、誰にでも「体感できる」ようにし、より深い思考を可能にさせた。
俺はカードヒーローの凄さ、面白さはこの点が非常に大きいと思うのだ。


それでいて決して単純なゲームではなく、非常に奥が深い、一筋縄ではいかないレベルに仕上げているのがまた凄い。
言葉では説明しにくいが、プレーした人にならきっと同意を貰えるだろう。
小さい数字で単純なゲーム、または大きい数字で複雑なゲーム、このどちらかなら何となく作れそうな気がするが、
これらを両立させるのが物凄く大変であることはちょっと考えれば分かる。
カードヒーローはそれを実現している非常に稀有な作品である。素晴らしい。これは一種の発明だ。
カードヒーローは最早対戦ツールとして確立している。永遠もののルールだ。
人気の有無ではなく、個人的にはそう確信している。


……しかし逆に言えば、カードヒーローでは数字が少し違うだけで、カードの性能が大きく違ってくることになる。
それはつまりカードの調整が非常に難しいということだ。HPを1増減するだけでバランスが崩れるんだから。
今作が前作とあまり変わらないのは、恐らく弄らなかったのではなく、弄れなかったのだろう。
大きく弄ればそれはそれでバランスが取れるかもしれないが、それでは「カードヒーロー」ではなくなってしまう。
また追加カードも、ゲームの完成度があまりに高いだけに、悪戯に天秤を傾けてしまいかねない。
今作の制作にはかなりのジレンマがあったと思われる。うーん。

良くも悪くもGB版でほぼ完成しており、ハッキリ言ってゲームに発展性が見当たらない。
完成度が高いことが欠点なわけがないが、これがカードヒーローという作品の最大の問題点かもしれない。
人はいつまでもGB版を現役で遊ぶわけにはいかない。新作が欲しいのである。

それと、数字が小さいだけに「地味」である印象も拭えない。派手さに欠けるのだ。
イマイチ人気が出なかったのはこの辺に理由があるのかもしれない。ゲームは面白さが全てではないのである。
何ともまぁ世の中うまく行かないやね。はぁ。


はぁ。
システムが肝なのでグラフィック等はあまり重要ではないが、個人的には好みである。
キャラも、またカードの絵柄もだ。GB版からのイメチェンは大成功だったと思う。
音楽は、長く聴き続けたせいか、かなり耳に残っている。サントラが出るこたまずあり得ないが。
中でも「マコト戦」「キリヲ戦」の曲が好きだ。キリヲと対戦すると音楽も相まってかなり燃える。
思考が賢くないとこが残念でならない……。




ふぅ。
今作の後、スピードバトルだけを抽出・調整した「カードヒーロー スピードバトルカスタム」が発売された。
つってもパッケージではなくDSiでの配信発売である。800円くらいだったかな。
俺も興味あるから買いたかったんだが、残念ながら俺のはDSLなのでプレーできないのであった。GK泣。
まぁ例によってあんまり変わってないから、新鮮な気持ちで遊べるとは思えないけどな。
ただCPUの思考精度が上がってるかどうかは気になるな。これ次第で価値が変わってくる。
いずれ3DSを購入したら、是非やってみようと思う。その時対戦相手いるかな……?


今作は濃いファンがまだ現役でそこそこいるらしく、彼らは今も対戦を重ねているらしい。
強すぎると思われるカードを禁止するなど、独自ルールを作り、更にゲームを発展させているとか。
仲間内で作るローカルルールなんだから何も問題はない。個人的にも面白そうだと思う。
俺も気が向いたら交ぜてもらおうかなぁ。でもCPU戦ばっかやってた俺じゃ歯が立たんだろうなぁ。
カードヒーローの火を消さないよう頑張ってください、とひっそり応援しておこう。

残念ながらカードヒーローには発展性がないことは上で書いた。よって続編の可能性もかなり低いと思う。
仮に出ても、今作の大幅パワーアップはまず望めない。茶を濁した程度に収まるだろう。
個人的には今作のCPUを賢く調整したバージョンだけでもOKだが、そんな人が多数いるとは思えない。
小粒なDL版販売程度ならあるかもしれないが、パッケージは今作が最後になるだろう。
現実的に考えてそう思う。はぁ……。



カードヒーロー、完成度は折り紙付きなのに、「決定版」と言える作品が登場せず消えていく、何とも不遇な作品である。
初代がお蔵入りになりかけたのは、この不遇さを見越した制作者の思いやりだろうか。ンなわけないか。
ただ、今作は比類なきwifiコネクションを使った対戦に対応している。これは非常に大きい。
wifiは恐らく3DSでも同じシステムが使われるはずで、となれば任天堂がある限りサーバーは存在し続けるはず。
ならソフトと相手さえあれば、いつでも対戦が可能なわけだ。
ソフトの市場的価値は終わっても、カードヒーローというゲームはこれからも続いていく。
少なくともいつでも芽吹く余地がある。今はそれだけでいいや。これ以上は望むまい。
俺もまたいつか、ネットで誰か相手を見つけ、プロルールでじっくり対戦を楽しもう。
最高のルールがあるんだから、いつやっても最高に熱いバトルになる。それがカードヒーローだ。


対戦に燃える人達とは全然ベクトルが違うが、俺も今作に関してはかなりやり込んだと言える。
躊躇わず濃いファンと名乗っておこう。濃いファンの一人として、俺はカードヒーローを忘れないよ。
最後に俺のお気に入りカードを語ると、ありきたりだけど「鉄拳シグマ」かな。
レベル1では貧弱だけどレベル3だと最強クラスの能力に成長する大器晩成っぷりが最高。
シトラスを使ってシグマを成長させ、更に鉄の盾を張って防御も整えた時の無敵感と言ったら……もうたまらんね。
まぁ相手ターンでマージスを出されて青ざめたり、誘惑を使われてブチ切れるのもまたたまらんのだが。くあああ。
……何かまたプレーしたくなってきたな。ったく癖になる面白さだ。
カードヒーローの未来に希望は見えないが、嘆いてばかりいても始まらない。
俺はこの素晴らしいカードゲームを忘れない。そして時を待つ。
切ない願いを胸に抱き、キモ、了。

……いつか、浜村氏と対戦してみたいなぁ。何となくそう思った。
はぁ。









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2 コメント

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Unknown (ota)
2018-09-18 01:15:49
初代カードヒーロはー名作でした。本当にビックリするくらい完成度が高い。「穴」が感じられませんでしたね。
……ただ、遅い。それだけは。実は3DSのVC版を購入済みなんですが、遅さを思い出して開始を躊躇しています。うーむ。
>今に至るまでのDCG(ディジタル・カードゲーム)の歴史の中でもかなりの傑作だと思います。
俺はカードゲームはデジタルもアナログも今作と「ポケモンカードGB」くらいしか知らないんですが……そうなんですか。なんか嬉しいですw

>このタイトルに濃いファンが多いことは今調べてもファンサイトや動画、考察ブログなどが大量に出てくることからも実感できますね。
一生遊べるレベルのツールですからね。ただ、この感想を書いた時はwifiコネクションが終わるとは想像してませんでした。
てっきりDSも3DSもネットサービスは共通みたいに認識してました。公的なネット対戦が不可能になったことは非常に残念です。
有志の提供するブラウザ対戦は凄いしありがたいものですが、俺はやはり公式環境の存在が大事だと思うのです。
ルールも、公式ルールが厳然と存在し、それをユーザーがカスタマイズ可能というのが理想だと思います。
……やはり完全版が欲しいですよね。今ならいいとこ取りをした真のカードヒーローを出せると思うのですが……。

>しかし、このまま消えてしまうのにはあまりにも惜しいタイトルだと思います。
スマホでカードゲームが流行しているのは、似て非なるカードヒーローにとって追い風なようで逆なのかもしれませんね。
要するにマニアックすぎるのかなぁ。「カルドセプト」辺りと似たものを感じます。面白いだけではダメ。難しい……。
返信する
Unknown (SdK)
2018-09-18 00:01:47
GBには他にカードゲームの名作としてハドソン開発の「ポケモンカードGB」や遠藤雅伸氏がディレクターの「DT Lords of Genomes」等が挙げられますが、中でもGB版「トレード&バトル カードヒーロー」はGBでも5本の指に入る名作だと思います。
「ファミ探」や「カエルの為に鐘は鳴る」でも見られた任天堂のディレクター坂本賀勇氏による軽妙な台詞回し、シンプルながら熱い展開のシナリオ、個性の強いキャラクター達、本気で殺しに来るCPU、そしてM:tGの影響を受けつつも位置や循環型リソースの概念などを取り入れ決して単なる模倣には収まっていないコンパクトなのに運の要素が少なく戦略性の深い詰将棋のようなとても完成度の高いシステム(とそれを教えてくれる丁寧で分かりやすいチュートリアル)…欠点が無いことは無いですが、オリジナルの1作目でここまでの完成度とは名作と呼ばれるに相応しいですよね。
ゲーマーのみならず、コアなTCGプレイヤーからも高い評価を得ていると聞きますがそれも納得のタイトルですね。今に至るまでのDCG(ディジタル・カードゲーム)の歴史の中でもかなりの傑作だと思います。
ファミ通は今では色々言われていますが、カードヒーローに関しては良いファミ通だったと言わざるを得ません。
>先行絶対有利のルールは何か対処すべきだっただろう。
先行有利については、現実に発売されていたカード版では先行の初回ドロー無しという形で改善されていたと聞きましたが、DS版ではCPU戦を考慮して残したのでしょうかね?
>今作は濃いファンがまだ現役でそこそこいるらしく、彼らは今も対戦を重ねているらしい。
このタイトルに濃いファンが多いことは今調べてもファンサイトや動画、考察ブログなどが大量に出てくることからも実感できますね。
そういったサイトでは考察の他にも、詰めカードヒーロー問題が沢山作られたり、オンライン対戦できるツールを作った人がいたり、ブラウザ上でカードヒーローの対戦を再現できるサイトが作られたり、DSのWi-Fiコネクションが終了した後はバランス調整やオリジナルのカードを追加した現実のカードでの対戦会が開かれていたり、非常に愛されているタイトルであることがわかります。
>残念ながらカードヒーローには発展性がないことは上で書いた。よって続編の可能性もかなり低いと思う。
ファンからは今でも続編が熱望されていますがやはり続編は厳しいでしょうね…。3DSにしろswitchにしろ、当然あまり売れないであろうタイトルの続編は作れないでしょうし…
今は「ハースストーン」「シャドウバース」「ドラゴンクエストライバルズ」などのスマホでプレイするDCGが流行っていますので、スマホで新作を望む声もありますが、システム上カードプールを拡張するのが難しかったりスマホで遊ぶには1戦が長かったりすることを考えるとそれらと同じような新作をスマホで出すにはそれ相応の換骨奪胎の手間が必要になることでしょう。
しかし、このまま消えてしまうのにはあまりにも惜しいタイトルだと思います。
DSで続編が出たこと自体が奇跡だと思いますが、再び何らかの形で続編が出ることを願っています。
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