腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ブリンクス2: バトル・オブ・タイム&スペース

2008年04月20日 03時16分14秒 | XBOXゲーム感想文
 
古くマイナーなゲームをやる場合、取り敢えずタイトルでググるのは基本だろう。
その結果意外な人気に気付いたり、2ちゃんのスレを見付けて何か
嬉しくなったり、自分と同じように最近になってプレーした人の感想を見て
親近感を覚えたりして、腐るほどヒットする有名ゲームでやるよりずっと楽しいものだ。
さすがは底なしの深さ、インターネット。
マイナーであっても大抵のゲームは誰かしらプレーヤーがいることを教えてくれる。

でも。
中には、その底なしの無名さを思い知らされるタイトルもあるわけで。
ブリンクス2はまさにそれだった。

2があるんだから1もある。
ついでに言うと、初代XBOXを代表するクソゲーとされている「ねずみくす」
の技術と反省がブリンクスに生かされているらしい。
そして生まれたブリンクスは、時間操作という新しいシステムを採用した、
まぁそれなりに良く出来たアクションゲームであった。
MSとしてはマリオとは行かなくても、クラッシュバンディクーやラチェット&クランク級
のタイトルに育ってくれることを願って作ったのだと思う。
だが、ハードが初代XBOXである。日本の総普及台数ですら50万以下のハードである。
ンな大したタイトルになどなれるわけはなかった。
そしてブリンクス2もまた、前作と同じく、
或いはそれ以上に誰も知らないゲームになってしまったのであった。

俺自身はまずこの2を手に入れた。
後期初代XBOXの公式投売りパック・「プラチナパック3」に同梱されていたのである。
あのパック、単純に同梱物の金額を合計すると、ハードの値段超えてたからなぁ。
MSは金だけは底なしだから、ユーザーは不人気であってもそれに集ることが出来た。
そういう意味ではとても満足度の高いハードであった。

で、2より前にまず1をやろうと、中古580円で購入。
これをプレーしたのが丁度2年前。
上記のように、傑作とは行かないまでも、十分に面白いゲームだった。
初代XBOXと言うと、とかく濃い洋ゲーやテクモタイトルが思い浮かぶが、
そんな中では極めて貴重な一般的アクションゲームであった。
一時停止や巻き戻しを駆使するステージやボス戦はパズル要素もあり、
最後まで楽しく遊ぶことができたのである。
1のクリア後、すぐ2を始めたものの、何か馴染めず放置。
2年後の今、XBOX360に互換対応していることを知り、最近XBOX360が浮いているので、
ここはいっちょ借金返済といくかーと再開した次第である。
ふー。


タイトルこそブリンクス2だが、前作と違ってブリンクスが主人公ではない。
プレーヤーは自ら細かく姿形をメイキングをしたキャラを操作することになる。
このメイキングは姿形からトレードマーク、服装までかなり細かく設定できるので、
そういうのが好きな人には楽しめると思う。
が、俺には鬱陶しいだけであった。
曲がりなりにも前作主人公としてキャラが立っていたブリンクスを、
何故わざわざ外すのか。作ったキャラを脇役にすればいいではないか。
この時点で違和感が発生し、長い放置に繋がってしまったのである。

ゲーム内容は、前作から程よくパワーアップしていると思う。
前作と同じように時間操作を駆使するネコ側に加え、
今作ではライバルであるタムタム団も操作できる。
タムタム団は時間操作の代わりに様々な特殊アイテムを駆使する。
泥棒団だけに攻撃だけでなく潜入要素が強く、ネコ側とは
全く違う楽しみ方ができる。
両サイドのキャラを操ってそれぞれ5ステージをクリアーすると、
協力しあってラスボスに挑むことになる。

……とまぁ方向性はいいのだが、ステージの長さが良くない。
前作は短いステージを多数用意しているタイプだったのだが、
今作では計10ステージとかなり絞り込んでいる。
それはいいにしても、ステージをクリアーするまでセーブ不可能な点には参った。
要所要所にチェックポイントがあり、そこを超えれば以降はミスしてもそこから
再開できるのだが、データセーブはステージクリアー時のみ。
時間がない時は止めようにも止められず、非常に困ってしまった。
この長さならせめて中断セーブをすべきだったろうに。

ステージは長いが、進行状況によってナビゲーターが細かく
指示をくれるので、迷うことは殆どない。
寧ろ指示が細かすぎてゲームをやらされている感が強い。
この点は自分で考える必要があった前作とかなり違う。
まぁ簡略化・一般化を考えたのだろうが。無駄だったけど。

細かくヒントをくれることもあり、難度はそう高くない……こともない。
全体的に落下死する箇所が非常に多いので、3Dアクションが苦手だと
苦戦は必至だと思う。もちろん俺もそうだった。
まぁチェックポイントからのやり直しに回数制限はないので、
時間と根気さえあればそう困るほどではなかったが。
ラスボスの倒し方があっけなくて盛り上がらなかったのは残念。
前作のラスボス戦は熱かったんだけどな。


さて、一つ非常に大きな不満点があった。
MSと製作メーカーであるアートゥーンに怒りを覚えた。

このゲームにはやり込み要素として「メダル探し」がある。
各ステージの分かり難い箇所に隠されたメダルを集めると、
数に応じてオマケムービーが観られるというものだ。
ムービーは糞つまらないのでどうでもいいのだが、
この収集要素はなかなか燃える。
前作ではこのメダル集めに大いに燃え、全て集められた時は
深い達成感を得ることができたのである。
今作でも踏襲されていることを知り、また頑張ろうと再び燃えたのだが……
やってみると、思うように集まらない。
隠してあるんだからそう簡単に見付からないのは当然だが、
1ステージ目からしてどれだけ探しても見当たらないのだ。
これはおかしい。どうにもおかしい。
だが困った。
上記の通り、このゲームの無名さは半端ではない。
攻略サイトや2ちゃんスレは当然ながら存在しない。
誰も頼れないのである。

何度かメダル探索を試みたが、やはりどうしても発見できない。
そこで気が付いたのが、二人プレーモードである。
このゲームは二人同時プレーが可能なのだ。
もしかすると、二人プレーでしか出現しないメダルが存在するのではないか……?
殆ど確信に近い疑念が湧いたが、信じたくはなかった。
だっておかしいだろう、二人いないと集められないなんて。
第一そんなことは説明書でも、懇切丁寧なナビゲーションでも触れられていないのだ。
まさかそんな不親切なことが……。

ここで一つ、情報の当てを思い出した。
俺が所有する過去のファミ通である。もしかすると攻略記事が載っているかもしれない。
押し入れにしまってあるファミ通の束を引っくり返し、発売当時の号を探した。
悲しいほどに、事前の記事は少なかった。
まぁこのゲームはHalo2やエロバレーと同時期の発売だから、ただでさえ
注目度が糞低いXBOXソフトにおいてわざわざページを割くわけにはいかなかったんだろうが。
はぁ。
だがしかし! 何を血迷ったのかクロレビでゴールド殿堂入りを果たしていたので、
4週連続の攻略記事が存在していた! うおおおお!
物凄くインチキ臭いな。
そして一体何人がこの攻略記事を読んだのか、甚だ疑問である。

んでまぁ、そこにはサクッと書いてありました。
「2Pプレー専用のメダル」と。
ふっざけんなああああああああああ!!!!!!!!!!
俺はメダル集めを楽しみにこのゲームを始めたんだよ!!
それが何だこの仕様は! 一切の情報を与えないとは!!
もうドン萎え。
大体だな、製作者よ。お前のハードをよく考えろ。
XBOXだ。
普及台数極少、かつユーザーはド濃いゲーオタばかり。
比較的ライトなこのゲームを協力プレーする奴が一体どれだけいると思う?
マジで、日本にはいたのかどうかすら疑問である。
モードを用意するのは結構だが、何故それを強要する仕様なのか。
納得できない。ふざけるな。
俺に一緒にプレーする人などいるわけないし、そもそもコントローラーがない。
かくしてメダル集めは完全に放棄することになったのであった。
はぁ。

そうなると後はクリアーするだけ。
虚しくゲームを進め、クリアーした。終了。
あ、本編はそれまでなのだが、50もの数用意されているミニゲームが
なかなか面白かったので、これらのSランクを取ることには燃えた。
最終的には難し過ぎて不可能と判断した4種以外、46のミニゲームにて
Sランクを取ることができた。これだけやれれば、まぁいいだろう。
本当はこれも50全部Sを取る意気込みがあったのだが、
メダルの件でやる気が失せてしまったのだ。
ふぅ。

メダルの仕様を除けば、概ね満足のいく出来のアクションゲームであった。
このゲームの果てしない無名さが、XBOXというハードがいかなるもの
であったかを再確認させてくれた。
俺はゲーム歴は長いが、基本的に日の当たるハードを触ってきたので、
こういうホンマモンの負けハードにはあまり縁がなかったのである。
面白いつまらない以前に、そもそも誰もやらないやろうともしないゲーム。
そんな無名ゲームは珍しくないが、ハード自体もそうだと、無名さは更に倍化する。
寂しいもんである。

まぁでも、今回俺はやったよ、このゲーム。
クリアーしたし、それなりに楽しんだ。
店のBGMが前作のアレンジだってことに気付いたの、日本で俺だけじゃないか?
歪んだ選民感覚を抱けるのはマイナーゲームプレー時の特権だが、
無名さが半端ないだけに、このゲームのそれは格別である。
ふひっひ、俺しか知らないゲームだぜ。
ありがとうブリンクス。また会おうぜ。

普通ならXBOX360で順当に3が出るもんだが、それがないんだから
つまりはそういうことなのだろう。日本だけじゃなく海外でもコケたのかな。
やっぱ残念ながら二度と会えそうにないね。
さようならブリンクス。
誰も知らないゲーム。
残酷だが、仕方ないのだ。







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