箱が大好き

XBOXのことではない。

最近かなり疎遠になっているが、俺はアニオタも兼業していて、普通に観る。
が、DVDは半年前まで全く買ったことがなかった。
買いたいと思うほど好きになった作品も多くあるが、
それでも決断するには至らなかった。
理由は単純、高いから。

ハッキリ言って、日本アニメDVDの価格は異常だと思う。
２話収録で5000円なんてのがザラにある。
どんな価値観で値段設定しているのだろう。
翻訳等でコストがかかる海外版はべらぼうに安かったりするから、
これはもう単純に、日本版がぼったくっているということだろう。
アニメ業界の窮状・儲からなさは俺レベルにも伝わるほど有名で、
特に末端のアニメーターの給与の安さは悲惨としか言い様がない。
本来ならもっと金を落としたいと思っているのだが……
幾らなんでも出鱈目である。買えない。買う気になれない。
ゲーム以上に激しい値崩れや余りまくりの初回版も、
外部から見ていて印象は非常に悪い。
発売日に買う人はよく耐えられるもんだと思う。
残念ながら、現状の糞ボッタ路線を変えない限り、
今後も俺が新品アニメDVDに金を落とすことはないだろう。


なのだが。
そんな俺が、ここ半年ほど、中古のアニメDVDをよく買っている。
主なタイトルを並べてみよう。

・シスタープリンセス
・Kanon（東映版）
・藍より青し
・まほろまてぃっく
・天使のしっぽ
・ラブひな
・君が望む永遠


うわー、うわー。露骨すぎるー。きんもーっ☆
……と思うかもしれないが、見る人が見れば、
どういう傾向の作品を買い集めているか分かるだろう。
そう、ズバリ、値崩れ作品だ。
上に挙げた作品は、どれも1本高くて500円、安ければ105円で買えた。
全巻そうというわけではないがないが、1～3巻くらいまでは、
各所で捨て値売りされているのを見かける。
ゲームも漫画も、値崩れ品を漁るのが大好きな俺である。
遅まきながら、アニメにも手を出したということだ。

だが、値崩れだけならこうも意識して買い集めることはなかっただろう。
もう一つ、強烈な誘惑があるのだ。
箱だ。所謂「全巻収納BOX」だ。
最初に手に入れたのは「まほろまてぃっく」だったと思う。
箱付き1巻が500円で売っていて、まぁこれくらいならいーだろーと
軽い気持ちで購入してみたのだ。
そして帰宅し、開封し、箱に手を触れて――
魅せられた。

いいのである。いいのである！
感触が、佇まいが、雰囲気が、とてもいいのである。
上手く言葉にできない。箱なのに。ただの箱なのに。
「これにDVD全巻ぶち込んだら、さぞ気持ち良いだろうなぁ」。
全巻揃えたい。箱に綺麗にタイトルを並べ、それを眺めたい。
そう思わずにはいられなかった。

こうなったら集めるしかないだろう。
ブックオフ、ネットブックオフ、アマゾンマケプレ、等等。
基本「絶対に500円以下」を念頭に物色に精を出し、、
今ではかなりの数が集まった。
集めている時に別タイトルの箱付き1巻を発見し、
新たに購入候補シリーズが増えてしまうことも多い。
これがまた、楽しかったりするのである。
ううむ、いいな、いいな、アニメDVDいいな。
今までは、あんな糞高いモンを買い集める人達の気持ちがどうしても
理解できなかったが、最近は少しだけ分かる気がする。
ありゃ収集欲を煽られるわ。物凄く煽られるわ。
さすがアニメ屋、オタのことをよく知っているナリ。
上手いよなぁ……。


そんなわけでテキトーに収集を続けているんだが、
まだ全巻揃ったタイトルは一つもない。
最後の1巻だけが高かったり中古出回りが悪かったり、
なかなかあっさり揃えさせえてはくれないのである。
まぁ、いい。集めるのを楽しんでいるんだから。
気楽にのんびり探していけばいいさ。
業界貢献度ゼロなとこが少々後ろめたいが、まぁ仕方ない。
ボッタを止めてくれれば、新品にも目が向くんだけどね。

……あと、集めるだけ集めて、あまり観てないってのがなぁ。
これは良くないぞ。ちゃんと観ろ。飾っててどうする。
でも時間ないのよね。ゲームも漫画も幾らでもあるし。
本当に時間がない。娯楽に追われる毎日。
本末転倒とはこの事である。はぁ。
のんびりじっくりコンテンツに触れていたいが、
モノはどんどん作られていくから、そんな悠長なことを言っていられない。
幸せというか歪んでるというか、嗚呼現代消費社会。

溢れるコンテンツを如何に上手く捌いていくか――
オタ道も悩みが尽きないよ。ホントに。








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