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腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

マリオvs.ドンキーコング (3DS VC版)

2012年04月14日 23時44分51秒 | ゲームボーイアドバンスゲーム感想文
アンバサダー。大使。俺のことな。ニンテンドー3DSの大使。赴任地はどこなんでしょう。PSファンサイトとかでしょうか。
ちなみに俺がambassadorって単語を覚えたのは、「EVE bursterror」の御堂大使だったな。菅野さん……。

んで晴れて任天堂公認の大使となった俺だが、その唯一の特権である無料ソフトの数々を、現状あまり生かせていない。
ファミコンの方は色々とやったが、GBAの方はなまじ結構粒が揃っているので、少々気後れしていた。
貰う前は異様に拘っていた割に、実際にDLしてしまうと何故かテンションが下がってしまうという面もあった。無料ソフトの罪である。
これではいけない。比類なきアンバサダーとして、3DSが1万5000円だと思い込んでる小僧小娘どもに、俺の偉大さを教え込まねばならない。
という崇高な使命の下で選んだのが、「マリオvs.ドンキーコング」である。選考理由は言うまでもなく、テキトーである。
じゃあこれからたっぷり大使様のありがたい御感想をダラ流すから、一般任民は直立不動で聞くが良い。


……今の3DSって、1万5000どころか1万3000円台で売ってんのな。ゼルダとかFE仕様本体も超魅力的だし。
くっそテメェら、俺の若い頃はなぁ、2万5000円ぴったり払って、色は2色しかなくて、勢いで買っちまったからビビりつつ自分を鼓舞してなぁっ!!
……って俺の話を聞けやオラァ!! 畜生畜生、とっくに割り切ったはずなのに……。




今作のオリジナル版は、2004年に発売された。
俺は存在は知っていたが、どんなゲームかは全く知らなかった。その新鮮味が今回の選出理由の一つである。
だが、タイトルだけでゲーム内容は想像がつく。これは要するに、比類なき「ドンキーコング」のリニューアル作品なのだろう、と。

ドンキーコング ―キャラ名ではなくゲーム名― は、今更説明するまでもないが、比類なきマリオのデビュー作である。
尤も当時はまだ名前がなく、仮名として「ミスタービデオゲーム」と製作側で呼ばれていたらしい。マリオの名が登場するのはもう少し後だ。
それでも髭面やオーバーオールなど、宮本茂氏が機能性を元に施したデザインはこの時点でほぼ出来上がっている。間違いなく、マリオの元祖である。
そしてゲーム内容も当時としては傑出した出来で、別ゲームで余りまくった在庫の基板を償却する為に作ったはずが、
逆に基板が足りなくなって追加生産したほどだったという。
任天堂が「ビデオゲームはいける」と確信を持ったのは、ドンキーコングの大ヒットがあったからではないかと想像する。
色んな意味で偉大すぎるタイトルである。ある意味ではマリオシリーズより功績が大きいかもしれんな。


そんなドンキーコングのリニューアル作品である(と思う)今作だが、もう一つ、「二代目ドンキーコング10周年記念作品」という意図もあるらしい。
これは有名なのか誰も興味ないのか分からんが、現在任天堂ゲームで活躍しているドンキーコングは二代目で、
上で述べたマリオのデビュー作で敵役を張っていたアイツではないのである。
老いた初代ドンキーはクランキーコングと名を変え、ドンキーの名を二代目に譲った。俺も数年前まで知らなかったがそうらしい。
そして二代目は1994年、SFC「スーパードンキーコング」でデビュー、このシリーズは世界的に大ヒットし、ドンキーの名を確立した。
正直その後はパッとしなかったが、スマブラには常連だし、去年「ドンキーコングリターンズ」で久々のヒットを飛ばした。
間違いなく任天堂の顔キャラの一人(一匹?)である。任天堂が10周年を祝うに見合ったキャラと認めたのだから。
二代目の10周年を祝うのが、初代(とマリオ)のデビュー作というのも、何とも歴史を感じて面白いではないか。
今作を乗り越えて、二代目はより一層ドンキーコングの名を強固なものとするのである。今考えたテキトーな説である。


……が初っ端から何気に大きな問題が存在した。
そもそも、マリオとドンキーコングは住む世界が違うのだ。比喩でなく、物理的な意味で。多分。
マリオは当然キノコ王国な世界の人だし、ドンキーもやはり同種に囲まれたバナナ世界の猿(ゴリラ?)である。
スマブラやマリカはあくまでパラレル、それぞれの本編は別世界であり、当然絡みはないはずだ。
その意味では、ドンキーコング(ゲーム名)のミスタービデオゲームとマリオも別人なのかもしれない。
任天堂は世界設定についてはあまり公開してないから、この辺よう分からんのである。

つーわけで世界が違うんだから因縁もない。よって「vs」する理由も存在しない。
初代に倣って女を攫えばいいのかもしれんが、それじゃクッパさんの縄張りに踏み込むことになるし、他の女だとマリオ二股疑惑が発生してしまう。
そこで今作は「マリオが経営する会社の玩具をドンキーが盗んで逃げたから、それを追いかける」というかなり強引な物語を用意していた。
恐らくこれもパラレルなのだろう。マジよう分からんから、任天堂は一度自社作品の世界を解説する本でも出してくれないかな。
何だが無理矢理引き合わされた感もあるが、とにかく両者はここに対決することとなった。当然、プレーヤーが操るのはマリオである。


今作はドンキーコングのリニューアル(多分)だが、元のゲームがシンプルすぎるので、相当に手は加えられている。
それでもせいぜい2画面程度のステージや、何度か発生するドンキーとの直接対決には、初代へのオマージュが感じられる。
ジャンル的には、「アクションパズル」となるだろう。ジャンプやハンマーで敵を倒しながら先に進むだけでなく、
スイッチ等のギミックがふんだんに用意されており、しっかり考えながらでないと進めなくなっている。
プレーしてみて感心したんだが、このアクションとパズルの配分は、ハッキリ言って絶妙。丁~~度半々くらいで、どちらにも偏っていない。
だからアクションが上手いだけでは解けないし、パズルの解法が見えてもアクションをこなせなければ進めない。
極めて理想的なバランスのゲームに仕上がっていると思う。ゲームが割と簡素な作りだからこそであろう。とても良いね。

マリオのアクションは意外と豊富で、ノーマルジャンプだけでなく、3Dマリオから輸入された反転ジャンプが使えたり、
逆立ち歩きで落下物を蹴飛ばしたりと、やれる事と覚えることは多い。そういう意味では難しい。
これらのアクションは、もちろん攻略にも大きく関わる。中盤以降は全アクションを自在に出せないとクリアーは難しいだろう。
その分アクションを身に付ければ非常にサクサク進められる。ステージにはショートカットが可能な箇所が非常に多く用意されているので、
アクションを使いこなせば驚くほどの好タイムでクリアーすることもできる。俺には無理だったが。
つっても本編マリオほどの難しさも複雑さもない。あくまでシンプルなアクションパズルゲームである。
普通にやれば普通にクリアーできる。でも上手くなればより華麗にクリアーできる。理想的である。
ただ今作の雰囲気に、反転ジャンプや逆立ちはどうも合ってないとも感じた。上手く言えないが、何か違う。
考えてみれば今作のマリオは「スーパーマリオ」ではないはずだ。スーパーマリオのアクションは敢えて外すという選択があっても良かったと思う。
ゲーム中にキノピオやボム兵等、やはりスーパーマリオなキャラが平然と登場するのも何気に違和感があった。
もう少し初代ドンキーコングの空気に拘ってほしかったと思う。うーん。


ステージは結構多く、意外とボリュームがあった。
6つのワールドがあり、それぞれに7ステージ+ドンキーコングとの対決ステージ。
更に6ステージは前編・後編に分かれていて、1ワールドに計14ステージか? まぁとにかく予想よりずっと多かった。
一つ一つのステージはごく小規模で、数分でクリアーできるが、これだけ数があれば遊び応えは十分だ。
ステージの規模が小さいから、気楽に遊ぶことができる。携帯機だから疲れたら気楽に終了できる。同様に、再開できる。
密度はあるけどお手軽。極めて携帯機に向いた作りだと思う。集中力が続かない今の俺には非常にやり易かった。はぁ。


難度は、クリアーするだけならそれほど難しくない。パズルと言ってもゼルダほどガチじゃなく、試していれば正解は見えてくる。
アクションも一通り身につければ後は楽。敵はいるけど攻撃が激しいわけじゃないし、ギミックもシビアなものはない。
当然と言うかコンティニューは何回でも可能。幾らでも再挑戦すればいい。逆に残機の意味がなさ過ぎて違和感があった。
難度の面でもお手軽なゲームと言えるだろう。難しすぎず簡単すぎず、言うは易しするは難し。


……が、クリアーの形に拘ると話は大きく変わってくる。
今作において、各ステージには3つのボーナスアイテムが配置されている。最近のマリオ本編で言うとスターコインってやつだな。
これらを取得することで、クリア後にそれがバッチリ記録される。一つでも抜けていれば、そのステージのアイテム欄は空白だ。
またステージには目標得点が設定されており、これを満たしてクリアーすることで、そのステージに☆マークが点灯する。
☆マークは速攻クリアでのタイムボーナスでも一応可能だが、普通に狙うなら「ボーナスアイテムを3つともゲットしつつクリアー」が近道だろう。
つまり今作において「美しい」クリアーは、「ボーナスアイテム3つをゲットしつつ☆マーク点灯」クリアーとなる。
……そしてこれを狙うとなると、まぁギラリとプレーヤーに牙を剥いてきたよ。お手軽お気楽だったはずのこのゲームが豹変した。


つっても泣くような難しさではない。じっくり最短ルートを考え、タイミングを計って正確にアクションを繰り出せば突破できる。
しかしただクリアーするだけとは次元の違うレベルを要求されるのも事実である。何度か「これホントに完全クリアできるのか?」と思ったこともあった。
試行回数も大幅に増加し、自分で「完全クリアしない限り先には進まない」という掟を設定したので、途中から進行が亀のように遅くなった。
もう解法は見えているんだけど、アクションでミスることが多かったかな。やはり俺はゲームが下手だとつくづく思う。
とにかく時間制限が厳しい(残りタイムがそのまま得点になる)。のんびりタイミングを計れず、迅速に進める必要がある。それが余計にミスを呼ぶ。
終盤はさすがの難度で、手応えがあった。だがこれが「燃える手応え」だったことを喜ぶべきだろう。
何回も何回もミスりつつ、マイペースで再挑戦を繰り返し、やがて突破する。快感だ。
なんかカッコ良いような言い方だが、実際は漫然とプレーし過ぎであり、真剣にやればもっと早く突破できてると思う。
でもまぁゲームなんだし、俺が楽しいと感じればそれでいいのだ。そして楽しかったのだからこれでいいのである。
二代目ドンキーコングとの最終決戦を制し、気持ち良く今作を終了したのだった。



……と思ったらそうじゃなかった。
ちゃんとスタッフロールが挿入されたから完全にEDだと思っていたのに、ビルから落下したドンキーコングはむくりと起き上がり、
取り戻された玩具を再び強奪、逃亡。画面には「もう一回だ!」のメッセージが。え?そして表示される「エキストラステージ」。え? え? 
まぁ追加ステージの一つや二つは予想していたが、まさか6ワールドまでビッシリの新ステージが登場するとは。
その時点までの完全クリアーだけである程度満足していただけに、更に倍、ましてより難しいであろうステージの追加にはかなり戸惑った。
それでももちろん、逃げるわけにはいかない。落ち着いて考えてみたら、この面白いゲームをもっと遊べるんだから、喜ぶべきことなのだ。
より難しいステージの追加、上等ナリ。エキストラも含めて完全クリアーしてやるナリよ。
懲りないドンキーコングに正義の鉄槌をすべく、マリオは再び走り出した。
そのマリオも「ドンキーコングJR.」では悪役デビューするんだけどな。あの作品もリニューアルしてくれんかな……。



で、意気込んで始めたエキストラステージだが、やってみるとさほど難しくなく、寧ろ表の終盤よりは楽だった。
クリア条件が表と異なり、パズルの捻りが強化された辺りは確かにエキストラだったが、より難しくなるわけじゃなかったのだ。
10秒くらいで初回完全クリアーできるステージもあり、身構えていただけに拍子抜けした。落胆したわけじゃないけど。
1ステージの前編・後編制もなくなり、実にスムーズに進めた。もちろん、俺がゲームに慣れていたというのもあるのだろう。
それでも終盤に入ると、やはり最後の最後ってことで製作側も本気で捻じ伏せに来ていたと思う。
それに程よい苦戦をし、突破する快感。よく見りゃ隙はあるんだし、当然だがゲームはクリアーできるように作られているんだ。
理想的な精神状態でもう一回ドンキーコングをビルから突き落とし、と書くとあれだが、成敗終了。
真のEDが流れ、セーブデータに王冠が点り、今度こそ今作を完全クリアーしたのだった。




ふぅ。
とまぁ、率直に言って面白かったよ。5日間くらいの短期集中プレーになったが、その分密度が濃く、充実して楽しめた。
こんだけのソフトが貰えるなんて、アンバサダー最高! 「先に買って得した」だよ! ……ごめん言い過ぎ。もう2度とあんな舐めた真似すんなよ。
これはアンバサダー配信タイトルとしては最高峰だろう。今作を選出した目利きは最大限賞賛したいと思う。


……が、「これを今現在、数千円で買う気になるか?」と問われれば……答えはいいえ、だな。
今作は8年前に定価4800円の任天堂標準価格で発売され、十数万本売れたようだが、今じゃとてもそんな事は望めないだろう。
内容がシンプルだからハード性能云々はあまり関係ない。「こういうゲーム」に金を払う風潮が今は廃れてきているのだ。
今作は多分、今の目で見れば「スマホレベルのゲーム」とされるだろう。面白さは関係なく、格、規模の面で。
近年は携帯ゲーム機以外の携帯機でゲームを楽しむのが普通になった。寧ろそっちが主流とまで言われるほどだ。
それらの多くは、課金型のものを除けば、どれも非常に安価である。無料ゲームも珍しくない。繰り返すが、面白さは関係ない。
今作のようなタイプのゲームは、どんなに質が高くても、パッケージ数千円で売ることは今後もうできないだろう。
そこに「こういうゲーム」の厳しい現実を感じた。面白くても、金を払うかどうかは別問題。
ゲームの価格がどんどん下がっていってる。ユーザーとしては本来喜ぶべきはずなんだが、これはなぁ。
間違いなく面白い「小粒なゲーム」達は、今後どうなっていくんだろう。
大きな商いにはならずとも、ほどほどに、堅実に生き延びていってほしいと思う。実際、そうなるだろう。
俺も今回のように、たまにこういうゲームに触れ、充実した短期集中プレーを楽しみたいもんだ。ああ、いいねぇ。


今作の後、マリオvs.ドンキーコングはシリーズ化され、DSで何本か発売されている。
今作の手応えが良かったので興味はあるが、やはり金を払うかどうかは別問題なので、取り敢えず静観。
3DSが勢いを取り戻したのを期に、改めて比類なきアンバサダー様への感謝を込めて、続編も配信……とかないかなぁ。(チラッ
あんまチョーシこいてっといい加減岩田氏に殺されるかもしれんからやめておこう。
まぁDL配信版という形になるだろうけど、3DSで新作が発表されることを願おう。その時は購入も考えるよ。


今作はとにかく無料ゲーとしては最高の作品だった。これを立派な褒め言葉だと解釈し、締めるとしよう。
周知の通り、アンバサダーのGBA版10本は、今後も一般配信されないことが決まっている。
ファミコン版の10本は既に何本か一般配信が開始されており、残りもいずれ実施されるだろう。だがGBA版は違うのだ。
アンバサダー3DSは恐らく内部IDで識別しているものと思われるが、外見は何も変わらない。
従って中古屋で見分けるのも難しいだろう。分別してる店もあるかもしれないが、大半は混ぜて売ってるはずだ。
ヤフオク等で個人売買すれば入手不可能というわけではないだろうが、手に入れ難い品であることは間違いない。

何というか、非常に優越感を刺激してくれる。選ばれし存在、アンバサダー。今からなろうとしても無理だよ。うききへへ。
今の俺の3DSとすれちがった人は、「最近遊んだゲームは『マリオvs.ドンキーコング』」と表示されるのだ。非常にイカスぜ。
彼女(勝手にJKを設定)はそれを見て今作に興味を持ち、店に問い合わせる。しかし一般販売をしていない事実に直面する。
そこでアンバサダーという存在を知った彼女は、黎明期に2万5000円を払って屋台骨を作った俺に感動し、尊敬するようになる。
幸い彼女とは家が近く、その後も頻繁にすれちがうように。ショートメッセージで短い会話のやり取りをし、やがて……っっ!!!!


まぁこの程度の妄想もアフターサービスとして楽しめるゲームだった。
比類なきアンバサダーとしての俺の活動はまだまだ続く。本国からの扱いに不満を持ってても、結局故郷は捨てられないのだ。
やい本国政府、覚悟しとけよ。キモかろうと粘着してやんよ。でも暗殺は勘弁して下さい。今後も尽くしますから。
テキトーかつ我侭に、な。うひひ。はぁ。












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2 コメント

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バク転などのアクション (LIVE)
2017-04-18 20:04:02
アクションは3Dマリオから輸入されたのでなく、この作品の前作、ゲームボーイ版「ドンキーコング」からの引き継ぎです。むしろそこから3Dマリオへ輸出されたのですね。
返信する
Unknown (ota)
2017-04-19 00:58:57
おお……そうだったのですか。GB版ドンキーの存在は知っていましたが、多少肉付けされた程度のリメイクだと想像してました。
意外にもマリオシリーズ本編に大きな影響を与えた一本だったんですね。ご指摘ありがとうございます。いつかプレーしようと思います。
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