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◇OSS◇埼玉県上尾市がホスト機からLinuxサーバーシステムへのリプレースに成功

2008-03-16 17:06:24 | OSS・ユーザー
 ミラクル・リナックス、RKKコンピューターサービス、日本IBMは、埼玉県上尾市の新基幹系電子行政システムをLinuxOS、ブレードサーバーなどオープンスタンダードで構築し、3月3日から稼働させた。新システムの導入により、10年単位のライフサイクルコストを比較した場合、従来のホストシステムと比べておよそ6億円のコスト削減につながると予測される。また、新システムでは24時間継続してオンライン稼働が可能となり、メンテナンスにかかわる職員の負担が大幅に軽減した。

 <短評>今回、ブレードサーバーは「IBM BladeCenter」、LinuxOSは「MIRACLE LINUX V4.0-AsianuxInside」、高可用性ソフトは「MIRACLE CLUSTERPRO X」「MIRACLE FailSafe」がそれぞれ採用された。現在、メインフレームによるホストシステムは数多くの自治体で使われているが、今回、埼玉県上尾市がホスト機からLinuxサーバーによるオープンスタンダードシステムへのリプレースに成功したことによって、現在ホスト機を利用利用している各自治体に大きな波紋を投げかけたといえよう。

 オープンスタンダードの採用によりコスト削減効果が一番インパクトがある。現在全国の多くの自治体が緊縮財政を求められており、この中でコンピューターシステムコストをいかに削減するかが問われているからである。こうなるとLinuxの威力を最大限発揮することができる。上尾市の場合10年間で6億円のコスト削減が予測されている。さらにメンテナンスの負担軽減も大きい。

 Linuxベンダー各社はもっとコスト削減を強調した事業活動を展開した方がいい。ホスト機をLinuxサーバーシステムに移行すれば、いくらお得になりますよと、ユーザーに強く働きかける必要がある。また、現実にコスト削減が可能なLinuxシステムとしなければ、オープンスタンダードといくらお題目をユーザーに言ってもうまくいかない。IT業界関係の人は技術指向が強すぎて、難しい用語を使うのが即仕事と考えているふしがある。ここらで技術指向は、言ってみれば隠し味とし、コスト削減指向を前面に掲げた事業に転換してみる必要があろう。(ossdata)

http://www.miraclelinux.com/corp/pressroom/details/2008/0311_1.html

◇OSS◇東京証券取引所が富士通製Linuxサーバーを採用した「新派生売買システム」稼働

2008-01-16 21:22:50 | OSS・ユーザー
 東京証券取引所は1月15日から「新派生売買システム」を稼働させた。同システムは富士通のIAサーバー「PRIMEQUEST」にLinuxを搭載し運用を開始したもの。これはLinuxサーバーが金融機関の基幹系システムに定着したということを裏付けるものとして注目される。

 <短評>富士通製IAサーバー「PRIMEQUEST」は基幹業務を支える中核サーバーで、Linuxを搭載したユーザー事例としては、今回の東京証券取引所をはじめ、スペイン交通局、サークルKサンクス、NTTデータ、滋賀銀行、静岡銀行、トヨタ自動車、FDK、岡崎共通研究施設、豊田中央研究所、労働安全衛生総合研究所などが挙げられる。金融機関のユーザー事例としては滋賀銀行、静岡銀行、東京証券取引所の3件となった。これらのユーザー事例を見ると、特に事務計算系にLinuxサーバーが使われ始めてきたことが分かる。今後さらにこの傾向が強まりそうだ。(ossdata)

http://www.tse.or.jp/news/200801/080115_c.html

http://pr.fujitsu.com/jp/news/2006/07/19-1.html

http://www.tse.or.jp/about/ir/financials/plan/itmp.pdf

◇OSS◇岡山県倉敷市がOSS導入で大幅なコスト削減

2007-11-28 23:28:50 | OSS・ユーザー
 岡山県倉敷市は、スポーツ施設予約システムをOSS(LAMP=Linux+Apache+MySQL+PHP)で構築し、大幅なコストダウンと高速安定稼働を実現させた。旧システムに比べシステム構築コストが10分の1程度、維持コストも半分-3分の1程度までの大幅なコスト削減を実現した。

 <短評>同市ではシステム投資に関しては、より効率的でコストに合ったシステムを選択すべきだという意識が高まり、OSSを導入したもの。そしてOSSのサポートの不安を取り除くためMySQL Enterpriseを導入した。そして、LAMPによるシステム構築を提案したスマートスタイルをSI業者に選定した。「システムがスタートしてから、負荷は1-2%上昇した程度で、運用にはまったく問題がなかった」という。同市がOSSの導入において成功を収めたのは、OSS導入狙いを明確化したためである。
(ossdata)

http://www.s-style.co.jp/cases/kurashiki/index.html

◇OSS◇カカクコムが「Ruby on Rails」を採用し旧システムを一新

2007-10-28 20:43:12 | OSS・ユーザー
 カカクコムは、レストランのクチコミサイト「食べログ.COM」を、OSSのWebアプリケーションフレームワーク「Ruby on Rails」を採用し、全面リニューアルした。同サイトは開設から2年を経過し、現在月間約380万人(1年前の約3倍)が利用し、毎月20万人づつ増加している。今回アクセス数や要望に余裕を持って対応できるシステムへの変換を「Ruby on Rails」によって実現させた。同社では「Ruby on Rails」の採用により、コード量が格段に減ることや、システムとデザインの分業体制の効率化による、新規サービスの開発スピードの向上が見込まれる、としている。

 <短評>Rubyは最近話題を一手にさらっている感じがする。今回のRubyニュースはカカクコムが、Ruby on Railsを採用して、①コード量の極端の減少②システム開発の効率改善―について、大きな成果が出たことを公表したことである。ソフトウエアはユーザー事例をみれば、ベンダー側に行っていることが本当かどうかが明確になる。カカクコムはインターネットのユーザーとしては、日本の中でもトップクラスであり、その評価は他に与える影響力は大きい。

 そのようなヘビーユーザーが、Ruby on Railsは大いに効果が認められると、お墨付きを与えたのであるのであるから、信用していい。こうなると今後Ruby on Railsを採用するユーザーは今後急速に増えてくることが予想される。わが国で開発されたOSSが日本国内はもとより、世界的に評価されつつあるのは、大変喜ばしいと感ぜざるを得ない。
(ossdata)

http://kakaku.com/info/press_release/20071022.pdf

◇OSS◇嘉悦大学がOSSで情報インフラを構築しソフトウエア購入費用ゼロを達成

2007-10-21 23:54:59 | OSS・ユーザー
 オープンソース・ソリューション・テクノロジ(小田切耕司社長)は、嘉悦大学が情報基盤構築を再構築するに当たって、リプレースに当たる新規導入部分をOSSのみで構築し、ソフトウエア購入費用をゼロに抑えたと発表した。使用したOSSは、OSが「CentOS」、DBMSがMySQLなどで、サーバーはDELL PowerEdge2950×9台。今回の情報インフラ再構築に当たり、同大学情報メディアセンター・田尻慎太郎副センター長は「今回の情報インフラ再構築に当たり①Windows Server(Active Directory)環境からのスムースな移行②教育研究にかかわるシステム的な制約の撤廃③セキュリティの向上-の3つのポリシーで臨み、導入費用の大幅削減、運用面の向上などの成果を得られた」と語っている。

 <短評>既に各大学ではOSSの導入を行っているが、今回の嘉悦大学のように情報インフラすべてをOSSで構築する例はあまり聞いたことがない。その意味で今回の嘉悦大学のOSS全面採用のインフラ再構築の意義は大きい。考えてみると今は各企業で使われている分散システムは、当初大学で構築され、その成果を踏まえて企業が採用したという経緯がある。OSSも同様で、まずはじめに大学で採用され、学術的検証を含めて使いこなし、その成果を公表して、それに基づき各企業での採用が本格化するという普及スタイルが考えられる。

 そのような意味から、嘉悦大学にはOSSインフラ導入のパイニアユーザーとして、良いこと、悪いこと問わず広く導入結果を公表してもらいたいものだ。一方、各企業は積極的に嘉悦大学に訪問し、よく実情を聞きだしてほしい。例えば、コストゼロといっても、初期コストだけでなくトータルコストの削減はどうか、セキュリティの向上といっても、どれくらいの技術ノウハウが必要となるかなどである。

 OSSを単に研究の素材だけではなく、実際の導入事例としての問題点の把握は、企業ユーザーの参加なくしてはなかなか上手くいかない。さらに、今回米国でRedHatとNovellがソフト会社から特許侵害で訴えられたが、OSSの法律的問題も今後避けては通れない重要な問題だ。
(ossdata)

http://www.osstech.co.jp/pr/2007-10-15

◇OSS◇三菱東京UFJ銀行がメーンフレームをLinuxシステムにリプレース

2007-10-10 21:04:11 | OSS・ユーザー
 三菱東京UFJ銀行は、このほど外為分散システムの再構築を実施した。この新外為分散システム「Trilogy」は、迅速性・利便性・情報提供性の向上をねらいとしたもの。同システムの構築に当たり3段階に分け、その第1弾として輸入業務と輸出業務の一部を07年2月から本稼働させた。新システムではメーンフレームに代わってオープンシステムを全面的に採用した。サーバーについては日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」を、そしてOSにはLinuxを採用した。これは同行が「多くの人々の知見が集約されたOSSは、機能面でもコスト面でも多くのメリットがある」と判断したため。

 <短評>三菱東京UFJ銀行は、06年1月に東京三菱銀行とUFJ銀行の合併により誕生した。勘定系システム同士を接続する「Day1」フェーズを終了し、現在、システム完全統合に向けた「Day2」フェーズを推進中。今回の新外為分散システム「Trilogy」の構築には、日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」とLinuxの組み合わせを選択した。この背景には日立が「Linux信頼強化サービス」を提供していることも要因になっている。

 最近になりLinuxは企業の基幹システムに採用されるケースがぼちぼち出てきた。ところが金融機関の基幹システム、すなわち勘定系システムにLinuxが採用されるケースはまだまだ少ない。今回の三菱UFJ銀行の新外為分散システ「Trilogy」にLinuxが採用されたことは、Linuxが基幹システムに使用されても問題ないというお墨付きを与えられたということであり、Linuxの新しい市場が今後拡大することは間違いないところだ。特に、メーンフレームシステムから直接Linuxシステムに移行されたことはメーンフレームユーザーが欧米に比べ多いといわれる日本市場で今後、メーンフレームを直接Linuxシステムにレプレースさせるユーザーが急激に増えることが予想される。(ossdata)

http://www.hitachi.co.jp/Prod/it/harmonious/casestudy/mufg/index.html

◇OSS◇滋賀銀行は情報系システムを08年1月までにLinux+Oracleに切り替える

2007-08-29 21:21:53 | OSS・ユーザー
 滋賀銀行は基幹システムの再構築に取り組んでおり、08年1月までに完成させる。勘定系については最新のメーンフレームにリプレースするが、現在メーンフレームとUNIXサーバーで構築している情報系については、Linuxサーバー+Oracleに切り替える。これは、特定なベンダーに縛られずに、IT資産の保全という大きなメリットを得られるため。さらに、Linuxによるオープンな環境にしておけば、その時代ごとに最も可用性/拡張性が高いプラットフォームに容易に移行し、性能劣化などの問題が解決しやすくなるためでもある。

 <短評>Linuxシステムのビジネスシステムへの適応は、もう随分行われており、取り上げるほどではないかもしれない。しかし大手金融機関となるとまだまだ珍しい。今回の滋賀銀行の基幹システム(情報系システム)へのLinuxサーバーへの切り替えは、今後の新しい金融システムのあり方として注目される。

 少し前まではこの役割をUNIXサーバーが担っていた。しかしUNIXは各ベンダー間での統一仕様化に失敗し、オープンシステムとは言いながら各ユーザーは、ベンダー独自の囲い込み戦略から逃れることができなくなってしまった。この各ベンダー独自の囲い込みからユーザーを救い、真のオープンシステムといえるのがLinuxだと先進ユーザーは見抜きつつある。

 このようなユーザーの熱い期待を裏切らないためにも、各Linuxデストリビュターは自社製品への囲い込み戦略は断じてとるべきでない。そうでないとUNIXの二の舞を演じ、ユーザーは「不自由だけどマイクロソフトの一党独裁体制に移行せざるを得ない」と考えるかもしれない。(ossdata)

http://primeserver.fujitsu.com/primequest/casestudies/2006/1031/

◇OSS◇IPAが「06年度自治体におけるOSS活用に向けての導入実証」の結果を発表

2007-07-29 21:20:42 | OSS・ユーザー
 IPAは06年度「自治体におけるオープンソースソフトウエア活用に向けての導入実証」の結果を発表した。これはオープンプラットフォーム非依存なIT環境の普及を図り、デスクトップを含む情報システムのTOC削減を図ることを狙いとしたもの。今回実施した自治体は山形県、栃木県二宮町、千葉県市川市、大分県の4自治体。

 <短評>総務庁は7月から実施された「情報システムに係る政府調達の基本指針」において「オープンな標準に基づく要求要件の記載」の方針を打ち出している。デスクトップソフトでいえば、「Microsoft Office」を取るか「OpenOffice.org」を取るのかということになるが、OpenOffice.orgの方が「オープンな標準」に近いことは間違いがないところ。しかし、現実にはMicroSoft Officeが圧倒的に強い現状では、OpenOffice.orgを、いかにMicroSoft Officeとインターフェイスを取るようにするかがカギを握る。一方、マイクロソフトもノベルとの提携を強め、OSSへの歩み寄りが見える。両陣営の今後の展開に目が離せない。(ossdata)

http://www.ipa.go.jp/software/open/ossc/2006/stc/report/index.html

http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070301_5.html

◇OSS◇レッドハットのユーザー事例紹介

2007-04-18 20:26:38 | OSS・ユーザー
 企業の基幹システムとしてメインフレームが君臨していた時代が長く続いた後、価格性能比の良さや、オープン対応なのでUNIXサーバーがに注目が集まり、基幹システムはメインフレームとUNIXサーバーの並立時代となっていく。そして現在では、これがさらにWindowsサーバーとLinuxサーバーに置き換えられようとしている分けである。LinuxOSでトップシェアを誇るのがRed Hatであるが、Red Hatでは内外のビジネスユーザーの事例紹介を行っている。これらの中で、オンメモリーDBを活用して成果を挙げている「サークルKサンクス」、また、基幹システムとして現在のメインフレームとUNIXサーバーを代え、Linuxサーバーを採用した「滋賀銀行」の事例などが特に注目される。

http://www.jp.redhat.com/solutions/successstories/

◇OSS◇クレオとワイズノットが業務提携を締結

2007-04-11 22:08:51 | OSS・ユーザー
 クレオとワイズノットは、OSSなどについて人的交流を含む業務提携を行うことになった。業務系システム開発で定評のあるクレオと、OSSの豊富な実績があるワイズノットが業務提携を行うことにより、より幅広いビジネスニーズへの対応が可能としている。

 <短評>OSSはOSやミドルウエアを中心に市場を拡大してきたわけであるが、ここに来てアプリケーションもOSS化しようとする機運が急速に盛り上がってきている。例えばOSSをベースとしたCRMソフトのSugarなどは日本市場でも認知度が高まりつつある。このような情勢の下、このほど業務シフトで豊富な経験を有するクレオと、OSSに強いワイズノットが業務提携したことはタイムリーなこととらえることができる。近い将来、OSS対応の国産の業務ソフトが2社により発売となるかもしれない。
(ossdata)

http://www.wiseknot.co.jp/corp/press/press_070410.html