NTTデータはウェザー・サービスと共同で、グリッドコンピューティングによる分散コンピューティングプロジェクト「花粉飛散経路を探索しよう!」を開始した。これは、関東周辺にある杉林を仮想的に約2kmの2乗に分割した約6万7000カ所に対し、それぞれから発生した花粉が時間とともに、どのような経路をたどって飛散してくるかを、“セルコンピューティングバース”上で行うもの。
1台のパソコンが行う処理は、約6万7000カ所あるうちの1メッシュ分(2kmの2乗)から発生する花粉量を配布した、植生、気象、開花時の初期の各データを用いてシュミレーションを開始し、6時間先までの1時間ごとの花粉飛散状況などを計算する。今回のプロジェクトにはパソコンユーザーなら誰でも参加ができる。プロジェクトの期間は06年2月21日~3月31日まで。結果はWebサイト上で公開することになっている。
グリッドコンピューティングは、現在プロジェクトが各社で取り組まれているが、今回のプロジェクトもその1つ。かなり具体的な実験がスタートしたなという感がする。今後の問題はデータのセキュリティをどうするかなどが考えられる。例え1企業内の利用でも、貴重なデータを全社に分散したパソコンへ撒き散らして果たして大丈夫か。グリッドコンピューティングの普及は技術上の問題より、人間とのかかわりの部分の方が厄介な問題がありそうだ。今回のプロジェクトは3月いっぱい行われているので、参加されてみてはいかがであろうか。
http://www.nttdata.co.jp/release/2006/022100.html