織内将男の山旅の記録

若かりし頃よりの山旅の記録です・・!!

丹沢山塊(6)

2008年07月23日 | 丹沢物語


「丹沢の主峰」

山塊中央に聳える「蛭が岳」は標高1673mで、神奈川県の最高峰でもある。
かつては山岳修行の山で、蛭ヶ岳の山頂には薬師如来や毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)など多くの仏像が祀られていたという。 これから別名の薬師岳や毘盧ヶ岳と呼ばれるようになり、毘盧ヶ岳が転じて蛭ヶ岳になったと言われている。
又、この他にも「この山に蛭(ヤマビル)が多いから」と言う理由でつけられたという尤もらしい言い回しもあるが、有難くない名前であり、尚、この山域には高所でありジメジメした湿性の箇所は存在せず、山蛭などは生息しないであろうと思われるが・・?。 

蛭が岳は丹沢山地では最も奥深いところにある山であるが、頂上付近はブナなどの樹林も少なく、山塊一の標高を誇るだけあって見通しも良い。
天気が良ければ頂上から富士山や南アルプス、八ヶ岳、奥秩父などの山々を一望することができる。 

最も一般的なコースといして、南北に縦断する「丹沢主脈」ルートで、ヤビツ峠や大倉から登って塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳そして、ヒメツギ、焼山を越えて道志の青野原、西野々へ到る。頂上・蛭ヶ岳まで最低5~6時間はかかり、麓までは4時間以上かかる。1日コースとしては超健脚者向きである。尚、蛭ヶ岳より西へ向かって進み、桧洞丸、大室山などを経て西丹・箒沢へ下るのを「丹沢主稜」コースといって、主脈より尚一層ハードなルーととなっている。

蛭ヶ岳を含め西丹沢は他の山域と比して、各峰の頂上は樹林に覆われ、踏み後も鮮明でなく、特に天候不順なときなど迷いやすい。
山腹は深い笹が茂り、沢筋は深く、落差のある滝が連続する。地図上で実線で欠かれていても、登山道は鮮明でないところもあり、所要時間も記入されている以上に掛かることもしばしばである。
山道を外して迷い込んだ場合、高みの縦走路を目指すと猛烈な薮こぎが待っており、降ろうとすると峻険な沢筋が待っている、いずれにしても余計に数時間の格闘が強いられ、即、遭難ということも考えられるのである。
西丹沢では、一般的な山域での常識が、逆に災いの元になることがあるのである。

尚、裏丹沢の登山口も数ヶ所あるが、何れも下山に利用されているようであり、小生も丹沢へは数十回丹沢に入っているが、こちら側からの登行は1度もなかった。
いずれにしても丹沢山塊は概して高岳連山ではないが、1000m以上のピーク峰が60座以上もあることから、峻険の山塊といえるのである。


次回は、「丹沢の渓谷」




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