大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

稲と息子

2011-06-24 | 日記
田圃の稲がそよそよと風に揺れている。
今年初めてモミを蒔いて苗作りから挑戦したが、植えてみるとなんだかよその田の苗に
比べてヒョロヒョロと頼りなく、見劣りがするような気がして心配だったが、
日に日に根を張り変わる姿を見ていると、ただ共に実って行こう。。という気持ちになる。
田植えが終わってひと段落・・・というわけにはいかない。植えてひと月の間が重要だそうで、
「水稲」と呼ばれるくらい稲にとって大切な「水」がいつも田にどんな状態であるのかを
観て調整するのが朝晩の一仕事なのだ。 草取り作業もこの一ヶ月の間にする。
普段は夫が田に行くが、夫が留守のとき妻は子供の使いのように、ただ「見るだけ」だ。
なにをどう判断したらよいのかが分からないから田圃の周りを歌を歌いながらまわる。
♪げーーんきげんきー♪げーーんきげんきーー♪ などとその時々身体から発生する言葉に節をつけて歌う。
そうしていると、なんとなく自分も稲も元気になるような気がしてきて、心の中でげらげら笑う。

稲を見ていたら息子を思い出した。
22歳のときに授かった長男は9カ月に入ったばかりの時期に1998gの未熟児で産まれた。
一週間ほど保育器に入っていたので近くで息子を見ることは無く、その間は絞った母乳を毎日病院に届けた。
退院の日、待合室に同じく我が子を待つお母さんがもうひとりいた。ドアが開いて二つの小さな命が目の前に登場。
ひとりの赤ちゃんは全身が毛むくじゃらで、情けなさそうなくしゃくしゃな顔をしていたので(この子ではない・・)と思う。
(こっちの見るからに愛らしい赤ちゃんが私の子にちがいない・・)とその子ばかり見ていたら、、ちがった。
「え、あ、そうなんだ。。。」と毛むくじゃらで情けなさそうな我が子にあらためて目を向けた瞬間、コロンとひっくり返る。
(かーーーわいいいいいいいいーーーーー!!)  このときどんな化学反応が起こったのだろうか、といつも思う。
初めての子育てで未熟児だから育児書も役に立たず、乳を飲むたびピューーッと噴水のように出したりしても
さほど不安はなく、ただ見守るだけだった。30年の間にはいろいろあったが健康に育った。それだけで充分満足だ。
あの時この時もっとこうして欲しかった、と息子は思っているだろうが、ごめん、あれで精一杯だった。。。。

だからといっちゃなんですが、うちの稲も、必ず美味しい米になる。稲自身の力を信じて、どんな米に育っても
それが精一杯の結果だとしたら、それでいいのだ。この先ずっといっしょに育っていこう。


稲もしっかりと根付いたね


チェーン除草でこんなに草が


かもが田圃で遊ぶ


マオイの山も花盛り


コオロギの子供がいました 大きさ約1cm


小さな蜂も巣作りに


カメムシが交尾しています