山口県防府市~女性税理士です ◆今日の日記◆

あなたの立場になって一生懸命考えます。

◆ 非常食は購入時に消耗品費として処理できる?

2007-07-18 23:02:56 | 税のはてな?
大手企業などでは地震などの大規模災害に備えて、全社員が社内で長期間生活でき
るだけの非常食を用意しておくところが多いようです。また、中小企業でも社員の
ために、缶詰や水など当座の非常食を備蓄してあるところは少なくありません。

しかし、非常食については、数年間から数十年といった長期間の消費期限を有する
ものが多く、結果として保管期間が数年に渡ることになることから、税務処理の仕
方に迷う場合があります。

通常、販売や業務をするために必要な道具・物品のうち、未使用の状態で保管して
あるものは「貯蔵品」として扱います。
貯蔵品として処理する場合、法人税では実際に事業の用に供した場合、つまり、道
具や物品を使用、消費等した時点で損金に算入することになっています。
ただし、消費税ではたとえ貯蔵品であっても購入時の仕入れ税額控除が認められて
いますので、購入時に費用処理した後、期末等において未使用保管分を貯蔵品に
資産計上する方法が一般的です。

一見、非常食もこの貯蔵品と性格が似ていますが、実は購入時の損金参入が認めら
れているのです。それは、非常食は消費することではなく、備蓄すること自体が目
的であり、備蓄した時点で事業の用に供したといえるからです。
さらに、非常食は食料品であり、一般に食料品は消耗品と扱われるため減価償却資
産や繰延資産としても扱われません。

従って、非常食を購入した場合は、購入時に消耗品費として処理をすることができるのです。

ちなみに、消費期限が迫ってきた非常食は新しい非常食と入れ替えることになりま
すが、特に中小企業などでは「捨てるよりは」と古い非常食を社員に配っているケ
ースがあります。この場合、一部の社員にのみ大量に配付したり、まだ十分に消費
期限の残っている非常食を配付した場合、その非常食が現物給与と認定される恐れ
がありますのでご注意ください。

国税庁HP~非常用食料品の取扱い