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富田林百景+ 「とんだばやし」とその周辺の魅力を発信!「ええとこ富田林」

大阪の東南部に位置する人口10万ちょっとのごく普通の町、富田林。その魅力を、市民の手で発見していきます。

岸本記念自然緑地公園のヒメボタル2025

2025年06月07日 | ホタル

〈画面をクリックすると拡大します〉 資料は「富田林の自然を守る会」楠本 孝一氏による。

2025年度の岸本記念自然緑地公園(中野竹林)のヒメボタルの発生状況をお知らせします。

ことしの岸本記念自然緑地公園の最大出現数は5月28日の308匹でした。

 

〈画面をクリックすると拡大します〉 資料は「富田林の自然を守る会」楠本 孝一氏による。

2025年度:308匹(5/28)

2024年度:550匹(5/24)

2023年度:580匹(5/21)

2022年度:570匹(5/27)

2021年度:350匹(5/23)

2020年度:200匹(5/28)

という最大出現数になっています。

 

昨年より富田林高校科学部の生徒さんと市の公園課が協力して、「岸本記念自然緑地公園のヒメボタルは地域の宝」のパンフレットを作成し、増加する来園者に協力を呼び掛けています。

 

2025年6月2日 富田林市中野町二丁目7 岸本記念自然緑地公園(中野竹林)河岸段丘下 美しい竹藪が続き、遊歩道になっています。標高47.5m。

 

河岸段丘面上 標高55.8m。比高8.3mの崖の上にあります。 

 

2021年に中野町の岸本忠三氏をはじめ4人の土地所有者の寄付により、「岸本記念自然緑地公園」として公園化されました。

 

段丘面上の竹林 整備されたマダケの竹林。

段丘上(中位河岸段丘面):マダケ、段丘下(氾濫原):北側約1/3モウソウチク、南側約2/3マダケ。

 

この竹藪が「岸本記念自然緑地公園」。周りを井路が取り囲みます。鎌倉末から南北朝の時代に楠氏の支城群のひとつ、「中野砦」があったと云われています。

 

5月30日 20:16 ホタルの出現は例年より遅く、出方も少なかったようです。

5/20を過ぎても80匹程度でした。

 

5月28日 19:44 今年は308匹と最大出現数が減少しました(5/28)。昨年の56.0%。

 

6月2日 5:38 東から見た「岸本記念自然緑地公園」。河岸段丘面は平らになっています。

 

6月2日 5:36 周りを井路が流れます。

 

5月30日 21:04 今年ホタルが減った理由としては、

①昨年の猛暑で、地表面が乾燥状態になったこと。竹の落葉の下は適度の湿気が必要かと思われます。

②竹のおがくずの散布が少なくなったこと。 古い竹をほとんど間伐したので、チップする頻度も少なくなっているのはないかと思います。

 

20:16 

③竹の落葉の積み重ねが整備前よりかなり少なくなっているようです。 以前は歩くとブカブカの状態で竹の葉の腐葉土が積み重なった自然の状態でした。草刈は必要ですが、竹の落葉は取りすぎないことが重要です。

④遊歩道を2m弱から2.5mに広げることにより、太陽の直射の影響。土壌の乾燥度や直射を嫌う微生物、ダニや節足動物、陸生の巻貝への影響が上げられます。

 

5月29日 21:28

⑤遊歩道上の地下茎を切って外から砂(真砂)入れたことへの影響。この部分はホタルのエサなる巻貝に必要な腐葉土がなくなりました。両側の竹藪の分断による影響が出てくると思われます。

⑥遊歩道上もホタルの子孫を残す出会いの場所になっていますが、人の往来により環境が乱され、場合によりホタルを踏みつぶしてしまう危険性があります。

 

5月28日 20:09 私が中野地区の方から聞いた話では50年前に竹藪の外側からホタルを見たと言われる方がありました。竹藪は荒れていて入れず、井路の周りで見かけたので、水生のへイケボタルと思われていたようです。

 

6月2日 6:09 段丘上の遊歩道、マダケのタケノコがたくさん出てきています。遊歩道は地下茎を切って真砂を入れているので、タケノコが生えません。

竹藪の整備は2009年から始められ、もう16年目を迎えます。

 

6:03 日の出とともに光が差し込みます。

土地所有者からの依頼を受けて「富田林の自然を守る会」が東側の道路側に道路側に倒れこんだ竹の伐採から始まりました。2010年には西側平坦地の伐採。2011年チッパー(木材・竹の粉砕機)の導入。

 

6月2日 5:42 その場所がこのエリアに当たります。この時期はマダケのタケノコがニョキニョキ。

2011年NICE(日本国際ワークキャンプセンター)より台湾の若者20名(2月、2週間)、フランスの若者2名(11月、6か月)がボランティアとして作業に加わります。段丘下東側と段丘上の踏み分け道が完成。竹のおがくずを敷き詰めました。

 

5:44 よく整備された竹林なので、竹林も元気。

「富田林の自然を守る会」が間伐をこまめに行い、古い竹をおがくずにして散布しています。

 

5月29日 20:20 自然緑地公園になる前は間伐材の竹のガードがありましたので、ホタルの生息域に人が入れないようにしてありました。現在はそれが取っ払われています。

以前にはそこにたくさん止まっていたホタルが下草の茂みやガードの横に置いた竹がないので、地面の落葉で休んでいるようです。

 

20:21 今年の最大出現数308匹の5/28のピーク時でも、幅2.5mの遊歩道をまたいで飛ぶホタルは見ている限り皆無の状況でした。やはり段丘上の遊歩道のあり方を考える必要性があると思われます。幅を元通りの2m以内にするとか、遊歩道上にも竹の落葉を入れるとか。また以前のように人が生息域に入らないように竹のガードをするとか。

出現が400匹を超えると遊歩道上も飛び交い、360度クリスマスの電飾のようになります。

 

20:10 飛び立とうとするヒメボタル。

それと段丘上の東エリアの出現が今年は非常に少なくなっていました。分断による影響が考えられます。湿気の多い段丘下東側については今年は例年以上に発生しています。

 

6月2日 5:53 崖面の竹林 今年は段丘下に多くのホタルが飛び交いました。

 

6:03 段丘上の遊歩道は幅が広すぎるようです。昼間に直射日光が入り込みます。しかも乾燥状態が進んでいます。しかも落ち葉がありません。

 

5月28日 20:21 触れると動かなくなるようです。

 

5月30日 21:02 遊歩道でおそらく踏まれたのかもしれません。

 

6月2日 段丘上の北側の入口。入口は4か所、外への出入りは3か所あります。

 

5年以上の古く黄色くなった竹を間伐し、それをチッパーで粉砕します。

 

おがくず状にすると適度に湿気を含み、ホタルの幼虫の餌になる小さな巻貝や昆虫の幼虫が発生します。これが近年発生数を増やした要因かと思われます。現在は間伐が少なくなり、新たなおがくずが不足しているようです。

 

5:41 竹藪や周りの井路により適度の湿気が保たれます。

 

6:16 今年初めて個体数を減らした岸本自然公園のヒメホタル。自然条件なのか人為的なものかを見守っていきたいと思います。

 

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撮影日:2025年5月28日、29日、30日、6月2日(日中)

2025年6月7日 アブラコウモリH

文責:林 保夫(=アブラコウモリH)

 大阪府文化財愛護推進委員、富田林市文化財保護審議会委員、学芸員

 すばる歴史講座 講師、富田林観光ボランティア「とんだばやし観光会」会長

 富田林市中央公民館「富田林百景」代表、

 くすのき塾「くすのきまち歩き」ナビゲーター、

「すばるホールと文化を守り育てる市民の会」「すばる学園祭実行委員会」メンバー、

「石上露子生誕祭実行委員会」事務局、「狭山検定」制作メンバー 

 

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