はがきのおくりもの

 思い出したくなったら、ここに帰っておいで!!!
 元気を補給したら、顔を上げて、歩いて行くんだよ!

誘惑を断る方法

2014年08月17日 | 昔話や童話などを用いた校長講話

 欲張り爺さんが危険なところへ足を踏み入れてしまったのは、こぶを取ってもらいたいという「欲」からであった。では、生徒たちが危険なところへ足を踏み入れるとしたら、その理由は何だろうか。

 一つは、好奇心であろう。しかし、危ないと感じる危機察知能力と好奇心とが葛藤したとき、好奇心が勝つ生徒は少ないように思う。

 もう一つの理由は、仲間の誘惑を断ることができないことであり、こちらが最大の理由ではないか。

 生徒たちに「うまい話は危ない」「危険なところへ足を踏み入れてはいけない」ということに気をつけよと話したが、誘惑を断る方法を教えておかなかった。十分な講話ではなかったと反省している。

 とは言え、誘惑を断ることは大人でも難しい。最近の若者は上手くなったが、私たちの世代では先輩から酒席の誘いがるとなかなか断ることができずに苦労した。ましてや女性からの誘いを断る勇気などない。もっとも女性に誘われた経験はないが。

 ともかく誘惑を断ることは難しい。

 しかし、困難を乗り切ることができなくては校長とは言えない。そこで、講話の続きを考えてみた。

 

 「うまい話は危ない」「危険なところへ足を踏み入れてはいけない」と言われても、先輩や仲間に誘われると断ることが難しいかもしれません。そこで、誘惑を上手く断る方法を伝授しましょう。

 だいぶ前になりますが、デートDV対策の講演を聞いたことがあります。そのとき、デートDVから身を守るための方法を教わりました。ところで、皆さんはデートDVをするような男になってはいけませんよ。

 デートDVから身を守るための方法は次の五つです。

方法その1 ルール
 自分を守るためにルールを決めておきましょう
方法その2 タイムアウト
 考えるための時間をキープしましょう
方法その3 アサーティブ
 さわやかに「NO」を言いましょう
方法その4 壊れたレコード
 繰り返し「NO」を伝えましょう
方法その5 エスケープ
 それでもダメなら離れましょう

 このなかで、その2「タイムアウト」とその4「壊れたレコード」がいい方法だなあと感心しました。

 自分では正常な判断をしていると思っていても、まったく判断力が機能しなくなっているときがあります。

 それは、考える時間や気力、体力がないときです。

 忙しすぎたり、睡眠不足だったり、判断を急かされたり強要されたりしているときです。自分の主張をすることができず、誰かの主張をそのまま受け入れるだけで、自分の判断になっていないのです。

 そんなときは、まずは、十分に睡眠をとって身体を休養させ、一人で考えることのできる時間と場所を確保するのです。そうすれば、自分で判断を下せることができます。

 自分で判断しているようで、意外と自分で判断していないことが多いものです。

 理由を説明しようとすると、先輩や仲間にやりこめられてしまうこともあります。そういうときは、「壊れたレコード」が有効です。

 しかし、この方法はわがままを通すために悪用してはいけませんよ。あくまで、自分で判断できるようになるための方法ですから、自分の主張を通すための手段に使っては卑怯です。

 「壊れたレコード」を駆使しても、先輩や仲間がしつこく誘惑したり、無理強いするようでしたら「エスケープ」することです。

 「君子危うきに近寄らず」という言葉があります。事前に危険を察知して危険なところへ近づかない、という意味だと言われていますが、私は少し違った解釈をしています。

 部下に任せて自分は危険なところへ近づかない人は、君子とは言えません。ですから、君子は危うきに近寄るのですが、これ以上は本当に危険だと判断したときは、危険に背を向け、部下を引き連れて逃げるのです。そういう勇気を持った人が君子だと思っています。

 皆さんも、この誘惑は危険だと思ったら、脱兎の如く逃げてください。逃げる勇気というものもあるのです。

 

 昔話をどう読み取るか。様々に読み取ることができる。要は、自分なりの読み取りをすることである。自分で考え、自分で学んでいく。大げさに言えば、生きるって事はそういうことなんだって思う。自分で読み取らないと、自分の人生を生ききることはできない。

 昔話は、数え切れないほど多くの人が聞き継ぎ、いろんなことを感じていろんなことを学んできたに違いない。それらをすべて聞いてみたら、どんなに愉快か。

 昔話には、たくさんの人の思いが詰まっているような気がしてならない。だから、懐かしく思えるのだろう。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。