はがきのおくりもの

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よさを引き出す手助けをする

2014年08月03日 | 昔話や童話などを用いた校長講話

 宣言したら、当然、実行に移す。

 生徒たちには様々な場面で「人に優しく、コツコツと真面目に頑張る」ことを求める。実行部隊は教職員である。

 よさを引き出すためには、系統だった大きな仕掛けとともに日常の小さな仕掛けが必要である。

 大きな仕掛けとしては、学年ごとの指導目標という仕掛けがある。浦和高校定時制では、一年次は、高校生活に慣れ、毎日登校すること。二年次は、昼間のアルバイトを決め、継続すること。三年次は、自分の将来について考え、準備を始めること。四年次は、自分の進路実現を果たすこと、という指導目標がある。

 カタリバや「育て上げ」ネットなどのNPOやOB、大学、専門学校、企業等に協力をお願いして、様々な人と関わりながら、自分を見つめ、将来を考えさせた。また、様々な校内行事や校外行事を通して、仲間と関わりながら、成長する喜びを体感するよう工夫してきた。

 さらに、日々の授業のなかで、沢山の人に助けられながら一歩ずつ前に進む姿勢を身につけさせている。一年次には、県教委に非常勤講師を増員してもらい、チームティーチングを実施し、一人一人の理解度に合わせた授業を行っている。二、三年次には、大学生の学習支援員に授業のサポートをしてもらい、四年次には、就職支援アドバイザーに個別に支援してもらっている。

 小さな仕掛けとしては、例えば、挨拶やマナーなどの振る舞い方を身につけさせる仕掛けがある。

 放っておくと、生徒たちは授業に遅刻したとき、黙って自分の席に着く。基本的なマナーができていないと、社会で通用しないし、よさに気づく感性も鈍る。そこで、遅刻したときには必ず教員のところへ行き、挨拶をして遅刻した理由を述べる習慣を身につけさせることとした。全教員が一致協力して取り組んだ。

 当たり前のことを当たり前に身につけることで、少しずつ自分に自信を持つようになる。そうして初めて自分のよさに正対することができるようになっていく。

 こうした多種多様かつ計画的な学びの場面を用意したうえで「人に優しく、コツコツと真面目に頑張る」ことを求めたのが、先の講話であった。

 ところで、生徒に「よさの自覚」を求めるからには、当然のことであるが、教職員にも「学校のよさの自覚」を求める。教職員が生徒に求めるものと校長が教職員に求めるものとを同じものとすることは、学校経営を進めるうえで心がけなければならない基本姿勢である。生徒たちにとっては、「よさの自覚」が口先だけの要求か、心からの要求かと疑わずにすみ、教員たちにとっては、生徒への要求と自分への要求の分裂に悩まずにすむことになる。


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