お久しぶりの「はがきのおくりもの」です。
奥井が、未来サイトに載せた文章を入手しましたので、ご紹介します。
「内外教育」第6344号の巻頭言に、佐藤晴雄日本大学教授が『コミュニティ・スクールの「試食」を』という題で書いています。
コミュニティ・スクールについては「食わず嫌い」的なところがありますが、児童生徒や保護者、地域住民と協同して学校運営を行っていくことが必要な時代になってきています。「食わず嫌い」で受け付けないまま拒否をしていると、判断を誤ります。よく知った上で対応を考えていく必要があります。
佐藤晴雄日本大学教授の『コミュニティ・スクールの「試食」を』を紹介します。
学校運営協議会を設置するコミュニティ・スクール指定校は、今年4月現在、全国1919校まで増加した。しかしなお、コミュニティ・スクールをめぐって学校現場には拒否反応が見られる。地域連携が行われ、学校評議員などの類似の仕組みがあるから必要ないという「不要感」が根強いほか、委員人材が不足などの「不能感」、学校が混乱するなどの「不安感」、製菓が曖昧などの「不信感」も拒否反応を生む課題認識になる。
筆者らが2013年に実施した文部科学省委託調査によれば、それらの課題認識は、指定後には弱まっている。
「不要感」に関しては、「従来の地域連携実践と変わらない」と回答した校長は、指定前の43.0%から指定後には27.2%へと減少している。「類似制度との違いが理解できない」は同じく43.0%から18.7%に激減し、「学校支援地域本部でも十分」も同様に29.5%から11.1%に大きく減っている。この他、「不能感」「不安感」「不信感」も指定後には減少傾向にある。
いずれもコミュニティ・スクールの校長による回答だが、指定前の課題認識が指定後に弱化したとすれば、その認識は、いわば「取り越し苦労」だったと言える。その背景には、コミュニティ・スクールへの理解不足がある。学校評議員と同じではなく、単なる地域連携の仕組みにとどまらない。それらの機能を包含しつつ、保護者・住民らの意向を反映させ、また、彼らが学校の味方としてその運営を持続的に支えるための制度が、コミュニティ・スクールなのである。この点が十分理解されていない気がする。
また、未指定校には、新たな制度に対する「食わず嫌い」の姿勢がある。規定経験がないのに、その課題を懸念するから、拒否反応が表れるのであろう。文科省の調査研究事業などの「試食」機会を拡充することが、「食わず嫌い」を克服する重要な手立てになりそうである。
奥井はコミュニティ・スクールに関心があるのですかね。
奥井はいつも、「これからの学校は教職員だけでどんないいことをやってもだめだ。相互不信の世の中になってきているから、どんなにいいことをやっても認めてもらえない。認めてもらえないばかりか、要求がどんどん増える。相互信頼の社会を築かないと学校は持たない。」と言っています。「相互信頼の社会を築くためには、学校の課題や教職員がいかに悪戦苦闘しているかを、保護者や地域の方々と共有し、対策を一緒に講じて、共鳴していかなければならない。学校を本気で開いていかなければならないんだ」と主張します。そうかもしれませんね。