はがきのおくりもの

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貧困を生き抜く知恵と行動力

2014年08月14日 | 昔話や童話などを用いた校長講話

 そこで、貧困を生き抜く知恵と行動力を念頭に置いた講話を考えてみた。

 

 グローバル時代は、アリのようにコツコツとやっていれば何とかなる時代ではありません。誰にでもできる仕事ならば、賃金の安い国の労働者と同じ賃金しかもらえません。他人と同じことをやっていたら、いくらコツコツやっていても低賃金から抜け出せないのです。才能がなければ低賃金のままなのでしょうか。

 しかし、キリギリスのようにアルバイトをしながら夢を追いかけても、夢が叶う可能性はかなり低いでしょう。才能があっても上手くいくとは限らないのが現実です。

 アリでも駄目、キリギリスでも駄目というのでは、どうしたらいいのでしょうか。

 先ほど、自分を好きになれと話しましたが、まず、自分を好きになることから始めます。自分を好きになったら、自信と元気が出てきます。その自信と元気を使って自分を助ける方法を考え、実行するのです。

  英国の作家であったサミュエル・スマイルズは、「自助論」という本の序文に「天は自ら助くる者を助く」と書いています。自分で何とかしようと頑張っている人を天は助けてくれるということですが、他人に頼ってばかりでは天は助けてくれないということでもあります。

 ですから、皆さんもまずは自分で何とかしようと頑張ってください。でも、自分一人ではなかなか頑張りきれませんよね。そういうときは、「自助」だけでなく、「共助」を工夫するのです。

 自立というと、何でも自分一人でやっていくように思う人がいますが、それは間違いです。自立というのは、支えたり支えられたりしながら生きていくことを言います。ですから、実は「自助」の中には「共助」が含まれているのです。

 困ったときには、困っていると言って助けてもらって、困っていると聞いたら助けてあげる。そんな助け合える人たちをたくさん持てたら、きっと豊かな気持ちで生きてゆけるでしょう。

 アリであっても、キリギリスであっても、それぞれに助け合える仲間や家族などをどれだけ持つことができるか。そこにこれからの社会を生き抜く秘訣があるように思いますが、皆さんはどう思いますか。

 

 地縁、血縁、社縁を断ちきり、私たちは核家族化への道、さらに孤立化への道をまっしぐらに歩んできた。この道が袋小路なことに気づき始めてはいるが、どこでどちらへ曲がればいいか分からないでいる。

 こういうときに頼りになるのが、失敗を恐れない若者である。元気があるので、こちらで曲がってみて駄目なら、あちらで曲がってみる。そうしているうちに、若者たちは今までとはちょっと違った自助・共助の道を見つけることができるように思う。

 若者たちに頼ってばかりでは、自立した大人とは言えない。私たちもまた、失敗を恐れず、新たな道を探す試行錯誤に挑戦しよう。アリであっても、キリギリスであっても、それぞれに助け合って生き抜く新たな道を見つけよう。見つからなければ、作ってしまえばいい。


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