はがきのおくりもの

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第29話 茶道部引退(H16.10.5発送) <10通 通算648通>

2006年09月25日 | だいこん高物語 2004

 表彰状
 茶道部 ○○○○ 様
 茶道部員として3年間、黙々とたゆむことなく活動を継続したあなたの努力と熱意を認め、ここに表します。

  花には
  散ったあとの
  悲しみはない
  ただ一途に咲いた
  喜びだけが残るのだ  「花」坂村真民 

 あなたは、黙って一途に咲く姿の豊かさを、茶道の型を通じて身につけました。沈黙のなかから生まれ出る能力を活かして、あなたの人生にすてきな花を咲かせてください。期待しています。
  平成16年10月5日
  県立だいこん高等学校長 奥井太郎 



 茶道部の女子生徒たちはすばらしい、現代女性の鏡だって、文化祭が終わった後、奥井が言ってました。どうしてだって聞いたら、こう言ってました。


「制服のときはミニスカで元気がよくて、今風の高校生って感じだけど、お茶をやってるときは、和服を着て立ち振る舞いが清楚で品がいい。

 時と場合に応じて、立ち振る舞いを使い分けることのできるところがすばらしい。

 この頃だったかな、PTA副会長さんと飲んだとき、うちの女子生徒たちにも、ウソつき講座上級編の「五面相実践コース」を受講させたいと話したんだ。意気投合してね。絶対、「五面相実践コース」を受けさせたほうがいいってね。

 このコースでは、女子生徒の場合、立ち振る舞いや言葉づかい、化粧を教えるんだ。
 和服を着て三つ指ついての出迎えや座って襖を開け閉めする演技、ドレスでの振る舞い、デートでの服装や化粧、学校生活での演技心得など、五つの場面での演技力を養うことになっている。

 高校生ともなればTPOで演じ分ける演技力を持たなくちゃならん。中身は時間をかけてじっくりと寝かせながら、練り上げていくしかない。高校時代には、外見を演じる力をつければいいんだ。

 いろんな場面に応じて演じ分けてご覧。その変身ぶりに、みんな驚くよ。そして、あなたに魅力を感じるだろうね。いくつもの顔を持っている人って、セクシーだよ。

 副会長さんとは、大いに盛り上がってねぇ。結局、最終電車で帰る羽目になったよ。」


 何をやってるんだか!
 奥井のやつ、ほんと、真面目に校長やってるのかなあ?


 この辺で、奥井が、少しだけ真面目に校長やってるところも紹介しましょう。少しは、奥井を持ち上げておかないと、生徒から信用されない校長になってしまいますから。


 この頃、校長だよりで、教師と生徒による授業評価の研究について、先生方にお願いしたみたいですよ。
 もっとも、すぐに研究を提案するのではなくて、提案する前に、意見を聞くといったまどろっこしいことをしてました。

 奥井に言わせると、生徒にしても先生方にしても、自分たちでやろうとしなければダメだから、多少、時間がかかっても、その気になってもらうことから始めなくちゃならないんだそうな。
 あ~~あ、だから、教育ってやつは、面倒くさい!!!


 とりあえず、そのときの校長だよりを紹介しましょう。堅苦しい文章だから、面白くありませんよ。適当に読み飛ばしてください。



校長だより7号    教師と生徒による授業評価の研究について    H16.10.8(金)

1 背景
(1) 学校自己評価制度に伴い、生徒の声を聞く仕組みを整える必要がある。生徒と学校の課題を共有し、相互理解を深め、学校改善に向けた協働意識(当事者意識)を醸成する必要がある。
(2) 生徒の学習意欲を喚起し、能力を引き出す教育方法を確立する必要がある。

2 提案する前に
 以下の目的・考え方・心がけてほしいことなどを参考に、教師と生徒による授業評価についての研究を教育課題推進協議会にお願いしたいと考えている。そこで、こうした提案を正式にお願いする前に、皆さんの意見を伺いたい。
 10月29日の職員会議で正式提案したいと思うので、10月22日(金)までに校長あるいは教頭まで教師と生徒による授業評価の研究についての意見をいただきたい。

3 目的(たたき台)
 授業改善に取り組む教師の姿を通して、生徒の学習意欲を引き出し、主体的に授業に取り組む習慣を身につけさせる。

4 考え方
(1) 授業評価は、授業改善を通して生徒を成長させる教育手法である。
(2) 教師は生徒の評価を受け止め、授業改善に努める。生徒の評価が適切でない場合には、よく説明して理解させる。
(3) 評価結果を何らかの形で生徒にフィードバックする。そのため、学期に1回以上の授業評価を行う。教師が授業改善に努める姿勢を見せることで、生徒が授業に取り組む姿勢を改善するようし向けていく。
(4) 評価項目は、各科目5~10程度とし、授業に対する評価だけではなく、生徒自身の授業に対する取組姿勢も評価項目に入れる。
(5) 評価結果については保護者にも何らかの形で公開する。

5 心がけてほしいこと
(1) 授業は教師だけで行うものではなく、教師と生徒とでつくるものであることを意識させる授業評価の仕組みにしてほしい。
(2) 労力をあまり費やさずに目的を達成するような授業評価の仕組みにしてほしい。公正さ・厳密さを追求するあまり、多大な労力を要する仕組みにはしないでほしい。そのため、評価項目はできる限り少なくしてほしい。
(3) 授業評価を、生徒のやる気を引き出す教育方法としての一つとして作り上げてほしい。
(4) 研究成果を随時、全教職員に公開し、全員で授業評価の仕組みを作り上げてほしい。
(5) 先進校を視察するなどして十分検討し、だいこん高生に適した仕組みを作り上げてほしい。

6 補足
 だいこん高生のやる気を引き出す仕組みとして、授業評価は大変有効な仕組みであると考えている。授業評価の仕組みを取り入れて、だいこん高生に能力に見合った実力を身につけさせてあげることが、だいこん高校の使命ではないかと思う。
 なお、平成15年度授業改善・学力向上の取組に関する調査結果によると、生徒による授業評価を実施している県公立高校は24校(全日制23校、定時制1校)である。


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