![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/mail.gif)
表彰状
○年○組 ○○○○ 様
あなたは平成16年度第2学期において、大変優秀な成績修めました。あなたの日々の努力を称え、ここに表します。
事を遂げる者は愚直でなければならぬ
才走ってはうまくいかない 勝海舟
あなたには愚直を貫く力がありますから、きっと夢を叶えることができるでしょう。二度とない人生です。思い切り素晴らしい人生を描き求めてください。
平成16年12月24日
県立だいこん高等学校長 奥井太郎
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/presents.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en3.gif)
愚直っていうのは、懐かしい響きのする言葉ですねぇ。最近は、変化が激しいというか、流行がコロコロ変わるというか、どうも普通の庶民までが才気走った軽薄な人種にあこがれすぎている感じがします。
昔の庶民は、才気走った人を、いずれ切り株にでもけつまずいて、スッテンコロリンと大転びに転ぶだろうと見ていたもんでしたがね。
あんまり才に走らず、愚直にやっていく人のほうが、大きなことを成し遂げるもんですよ。才気走った人は、挫けると、すぐにあきらめてしまいますからねぇ。
さて、16年度の2学期も終わりです。奥井は、当時、ブームになった「冬のソナタ」の話を、終業式でしたようです。男子生徒はあまり興味がなかったんじゃないでしょうか。
奥井に、平成16年12月24日の終業式あいさつを思い出してもらうことにしましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kame.gif)
「 どんな話をしたかなあ。メモしか残ってないので、正確とは言えないけれど、あの頃どんなことを考えていたか、思い出してみましょう。
平成16年は、真夏日、台風、中越地震があった年です。スマトラ島沖地震は、終業式の時点ではまだ起きていませんでした。韓流ブームが起こって、韓国のテレビドラマ『冬のソナタ』が大ブレークしたので、その話をしました。
この頃、私は三度目の『冬のソナタ』を楽しんでいて、冬ソナの魅力は『眼差し』『一途さ』『幼なじみ』にあるのではないかと話したと思います。
『眼差し』をあげたのは、人は皆、温かな眼差しを欲していて、見られていない寂しさを心の奥に持っている主婦に受けたのはそのためじゃないかって思ったからでした。
人やもの、出来事をずっと見つめ続けるってことは、豊かさにつながっていきます。上辺だけしか見ないで、いつもイライラして過ごすより、ゆっくりと人やもの、出来事を見続けるまなざしを持ちたいもの、と話した気がします。
愛情ある眼差しで見守られている子は、よい子に育つといいます。また、人やもの、ことをずっと見つめ続ける人は、豊かな人生を手にするのではないでしょうか。見ることもせず、見てもらうこともない人にとって、冬ソナは何と眼差しにあふれた世界なんだろうって、憧れに似た気持ちになったものです。
『一途さ』については、一途に人を好きになる、という話をしたと思います。
一途に人を愛し愛された時期がある人は幸せです。たとえ、最終的に別れても、生まれてよかったと思えます。
人間は誤解する生き物で、愛も誤解から始まるのかもしれません。しかし、誤解があるから、相手に相応しい人になろうと一途になれるのではないでしょうか。相手のために、互いに自分を高め合うことで、つながりや愛が深まります。どれほど深い愛を育むことができたかは、育んだ人たちにしか分からないでしょう。
最近、人々は冷めてきて、一途さがなくなり、それとともに恋愛に関してはあまり誤解をしなくなって、相手にふさわしい人になろうとしないような気がします。寂しいような、もったいないような気がします。
『幼なじみ』については、こんな話だったと思います。
高校での友だちは、幼なじみといってもよいのではないか。幼なじみは、幼いため、傷つけ合うときもあります。しかし、幼なじみは、してもらうことを考えない、してあげるだけの関係。多くの眼差しはときには煩わしいが、幼なじみは彩り豊かな人生を演出してくれるのではないでしょうか。
してもらうことを考えない、してあげるだけの関係、そういう関係の人を持てた人は幸運でしょう。
こんな冬ソナなど、ばかばかしいし、ありえないと、したり顔でいう人がいます。
ユリウス・カエサルのいうように、『多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない』し、人生はつまらないものと最初からあきらめているようです。
人生は、その人が心の奥で思い描いているようになります。
生徒たちには未来を思い描いてほしいと思っています。未来は、彼らの思い描くようになるのですから。
どんな人生や高校生活を選ぶかは、その人自身の問題。『つまらない』『ありえない』と思うか、『楽しい』『できる』と思うかは、あなたの問題。
『強く願う夢は必ず叶う』から、すばらしい人生、高校生活を目指してほしい、と話しました。
冬休み、冬ソナを見ることがあったら、ちょっと私の話を思い出してみてほしい、と話した気がします。 」