『行動経済学』から学ぶ「場」つくりとチームビルド&コミュニケーション・デザインの手法
ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーシカゴ大学教授の「実践 行動経済学」から、「場」つくりプロデューサー視点での「テレパシーコミュニケーション:阿吽の呼吸術」チームビルド戦略情報をお伝えします。
人間の心理や意識に焦点を置きながら、人間行動を経済学視点に融合させた「行動経済学」は、「心理経済学」とも言える実践的学問です。
既に、マーケティング手法としてよく知られる理論があります。
代表的な効果には
1.フレーミング効果
同じことを表すのに、表現方法が違うだけで受けての受け取り方が変わる効果です。
例えば、
ある物Aを売りたい場合、ただ棚に置いておくのではなく、Aの横に類似比較品を並べてAの良さをアピールすると、相対評価されてAの売行きが伸びます。
また、難易度の高い手術を受ける場合、ドクターが「90%以上の確率で成功する手術です」というのと「10%の確率で失敗する手術」です。
と言うと、患者の心理は変わりますよね。
同じ事でも、見せ方や言い方により人間の行動や判断に変化がでてくるのも行動経済学理論で実証されています。
人は複数の選択肢から選択をするとき、
絶対評価よりも相対評価
をする傾向があります。
2.アンカリング効果
印象的な情報や数値が基準となって、その後の行動に影響を与える効果です。
例えば、
10,0000円の商品を売りたい場合、
「通常価格20,000円が50%Offの10,000円ポッキリ!」と表示すれば、買い手はお得感を感じて買おう!と思うものです。
また、「限定5食のスペシャルランチ!」と謳われていると、ついつい「まだありますか」と聞いてしまうのは私だけはないはずです😅
3.「ナッジ」というさりげない動機付効果
人間は、そもそもが「怠惰」な生き物ですが、チョットしたきっかけや「気付き」を、さり気なく「刺激」してあげると、自立的に活動をし始めるものです。
このさりげない動機付けのことを「ナッジ(nudge=小さな誘導)」と言われています。
4. 錯覚と誤謬効果
人間は誰でも誤りを犯すものです。
「錯覚」という現象は、誰もが経験します。
視覚的に違って見えるけれども、実際には同じ長さのもの!ありますよね。
人間は、自分思い込んでしまったり、経験則だけで判断してしまう傾向があります。
忙しく注意が欠けていると、表現方法を変えるだけで答えが変わるかどうか意識せずに行動してしまうことが「バイアスと誤謬効果」と言われるものです。
テレパシーコミュニケーション術を研究する上で「行動経済学」を学ぶ意味はたくさんあります。
次回は、おとり効果、現状維持バイアス、プロスペクト理論をお話しします。
-続く-