こりゃまた不思議な話なのですが、新聞大手各社のほとんどが、今回の「ウクライナ戦争」とは表記せず「ロシアのウクライナへの軍事侵攻/紛争」と書いている。専門家のコメントとして「戦争」と書いているものはあるが、新聞社が発信するものは「侵攻/紛争」だ。
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字引によると…「戦争」・・・軍隊と軍隊とが兵器を用いて争うこと。特に、国家が他国に対し、自己の目的を達するために武力を行使する闘争状態。国際法上は、宣戦布告により発生し、当事国間に戦時国際法が適用される。いくさ。「戦争が勃発する」「隣国と戦争する」とある『デジタル大辞泉』
「紛争」・・・戦闘においては、敵は除去されるか服従させられるかあるいは縮小されるべきもので、宗教的・イデオロギー的な原則による紛争はこれに属する。ゲーム状況はゲームのルール内では、対立する者同士が協力しあうような紛争である。論争的状況とは、説得によって相手の合意を得ようとするような状況である。現実には紛争ははるかに複雑であり、紛争理論の学説も多様であるが、紛争解決のために学問の諸分野・諸流派の協力が望まれている。とある『日本大百科全集』※一部抜粋
「侵攻」・・・他国や他の領地に攻め込むこと。「内乱に乗じて敵本土に侵攻する」とある『日本国語大辞典』
この際、「侵攻」はあまりに漠然としているので省きますが、「戦争」の定義の一つに『宣戦布告』とあるが、昨今「やぁやぁ我こそは〜」という戦争は皆無てある。
「戦争」は多国を含む利害関係が発生するような大規模なもの、「紛争」は小競り合いのような印象。今回のロシアとウクライナの件に関しては明らかに多国間の利害関係が複雑に入り混じっており、「侵攻」「武力衝突」というには広範で両国の被害は甚大なものになっている。
報道各社(NHKを含む)は「戦争」という言葉に関して、強い警戒と日本が体験した第二次世界大戦/日中・太平洋戦争のトラウマの呪縛から抜け出せないのか?他方、外国メディアは「ウクライナ戦争」と使っているところが多いように思う(翻訳の問題もあるが)。もしくは外国の方が切迫感が強いのかもしれない。日本は物価高騰の遠因の一つが、この「ウクライナ戦争」であることも「考えたくない」のかもしれない。インタビューで聞かれれば「大変なことが起こっている」などの言葉が聞かれるが「まだまだ遠い国の話」で済ませようという雰囲気が漂っている。マスコミが「戦争」と報道すると「マスコミが不安を煽る」というレッテルを貼られることへの回避行動ということなのか?国から「使うな!」といわれているのか?
どちらにせよこれは世界的に影響を及ぼし、いつ何時「さらに大きな戦争」になる要素を孕んでいるだけに警戒心を持っておいて悪いことはないように思う。「一国平和主義という極楽とんぼ」になって、いまだに世界から嘲笑を買っていることを自覚しなければいけないことを知る機会になっているのでは?
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