OKESAN 公的年金保険情報

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パートに厚生年金を

2005-07-15 17:51:02 | Weblog
 厚生労働省の雇用政策研究会は13日、2007年以降に予想される人口減社会で労働力の急減を避けるには、働く意欲をそがないよう年金制度や労働時間規制の緩和を検討すべきとの提言をまとめた。

 提言では「誰でも安心して働ける労働条件」として、働く意欲が失われないように社会保険制度の見直しや労働規制の緩和に言及。正社員との賃金格差が大きいパートにも厚生年金の適用を拡大して格差を是正したり、専門職を労働時間の規制から外すなど個人が能力を発揮しやすい仕組みの検討も促した。

<解説>
 一昨年に始まった社会保険の保険料の総報酬制ですけど、振替って検討すると、当時の厚生労働省のいう「不公平感の緩和」ではなく、「単なる年金支給率の切り下げ」だったのです。
 お恥ずかしい話ですけど、これに関しては、厚生労働省の説明を鵜呑みにしていて最近までそのことにピンと来ず、いろいろ変なことも書いたかもしれません。

 保険料は一旦下げるけど、12年かけてもとの水準まで値上げするのですから結局残るのは24%の支給率の切り下げだけ。ただし平成15年3月までの加入は古い乗率のままなので、マルマル40年間勤務したとして、60歳台は逃げ切り、40歳台だと半々、20歳代だと全額がその切り下げが適用になります。このことは誰も言っていないけど(苦笑)。

 ということで5.481の乗率を使うと平均の給与が28万円として1.85万円(年間)しか年金は増えない。40年働いたとしても74万円+国民年金が80万円として154万円なのです。年金は月13万円弱。40年働いてこれですよ。
 
 何がいいたいか?
 これからは夫1人の公的年金で夫婦2人の老後を養うのは無理な時代なのです。ということは、夫婦ともできるだけ働いてくださいということになる。しかも労働需要が逼迫するので、今までは当たり前だった、「専業主婦」はお金持ちの奥さんだけができる特権階級になるということ。

 で、大抵のお母さん、フルタイムで働きたくても場所がないとか、子供が幼稚園で午後4時には帰りたいとかいう諸般の事情で、パートになることが多いです。

 年金保険料はもうあげないことにした(法律で頭打ちが決まった)。年金の支給乗率も下げた、賞与からも保険料をとることにした、できることはほぼ全部やったのですから、残るは当然働いているのに保険料を納めていないひと(パートアルバイト)からお金をとることくらいしか残っていない。

 どういう形になるか知りませんが、パートアルバイトから保険料を徴収するということが始まるのは時間の問題だと思います。

 本当に暗い話ですけど、少子高齢化で働き手がなくなる=日本経済が沈むという瀬戸際なのでしょうがない。もう20年たったら、「えっ、○○さんちのお母さんは、働きに行っていないの? お金持ち~」という会話が生まれるかもしれません。

 でもねえ、働いてもらうのは良いんだけど、安心して社会に任せて働きに出られる環境を整備しなきゃお母さん方家計が大変でも働きに出ないですよね。こういう基盤整備をしないで、働きに出ろといわれても世のお母さん方困るんではないでしょうか。