オフィス・ヤハのトホホな日々

エホバの証人の一プログラマが聖書研究と自転車の趣味等を徒然なるままに

将棋には負け方がある

2012年11月22日 | 将棋
    勝負ゲームの是非はともかく(理想論を言えば、そもそも勝ち負けで人の評価を決める事自体が間違い)、将棋には同じ負けでも負け方によってその棋士の評価は大きく異なります。

    竜王戦七番勝負の前期と今期のシリーズは同じ組み合わせとなっています。小学生チャンピョンから中学生プロ棋士となった竜王と早稲田大学将棋クラブ出身のプロ棋士とでは、しかも年齢が一回り以上違うことを考えれば、現竜王の方が圧倒的結果を残しているのはある意味当然と言えるのかもしれません。

    それでも、挑戦者の潔い投了の仕方も、一種の男の美学を感じさせました。そして今回の第4局の竜王の粘り方も、最善を尽くす真摯な態度に感銘を受けました。

    下の図は、竜王の新手が出た局面です。



    そして、挑戦者の応手4五角がさほと時間を掛けずに指されたことは、両者研究範囲の局面ではなかろうかとのコメントがなされました。そして、一日目の封じ手の場面が次の図です。



    もう、この時点での名人レベルでの形成判断は、後手勝勢だそうです。二日目の午後5時の時点では、プロ棋士の検討陣はもはや勝負ありの後手勝ちになっていました。それでも、私には手に汗握る一手違いの局面で、最後まで何が起こるか分からない緊迫感に満ちていました。



    感想戦がわずか15分で打ち切られたという事実は、1五銀が事実上の敗着だったということを意味すると、私は受け取りました。それにしても、将棋には同じ負けでも、負けた棋士に対する評価を落とさない負け方と、負けた本人に恥辱をもたらす負け方(特に研究不足や読みの入らない手を指しての負け)があることを感じます。

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