【日本地名の表記方法】
【1】借音地名
漢字の字音を借りて書く
都志麻(としま)・・・一字1音を借りて音訳したもの
信濃(しなの)・・・シンの字音をシナに転用したもの
【2】借訓地名
漢字の訓読みを別の意味の地名に借用して当て字したもの
葛飾(かつしか)→勝鹿
小狭間(おばさま)→伯母様
下(さが)り→十八女(さかり)・・・戯書
我孫子(あびこ)→「我」+「曾孫(ひこ)」=孫の子・・・熟字訓
鳥(とり)の一部をトの音に借用→鳥羽(とば)・・・省略形の借訓
【3】正訓地名
漢字の字義と地名の意義が合致しているもの
陰田(かげた)・・・陰地にある田
【4】正音地名
正訓地名を音訓したもの
陰田(かげた)→陰田(いんで)
【5】音訓地名
音訓を混同した重箱読み、湯桶読みの地名
後世になるほど多い
行田(ぎょうだ)
浦和(うらわ)
『古事記』
表意的なものと一字一音の借音表記の方法
固有名詞に十分な注意を払っている
借音表記は外国地名のようだから借訓表記に固定化へ
☆例) 「白檮原(かしはら)」
「国見(くにみ)丘」
「伊波礼(いはれ)」
「畝火(うねび)」
「真名子(まなご)谷」
「師木(しき)」
「美富登(みほと)」 など
☆音注有り・・・「宇迦斯(うかし)」〈穿〉→「自宇以下以音下效也」
「高佐士野」→「佐士二字以音」
☆すでに表記が固定していたもの・・・「師木(しき)」
「意富(おほ)」
「丸邇(わに)」など
『日本書紀』
純漢文式の記述方を採用
漢字の意味の正用性を重視
一字一音の訓注を施し、借訓表記という方法も用いた
使用文字より地名説話の発生が出始める
☆【神武紀】・・・「橿原(かしはら)」
「磐余(いはれ)」
「畝尾(うねび)」
「繊沙𧮾(まなごだに)」
「磯城(しき)」
「御陰(みほと)」
☆訓注有り・・・「穿邑(うかちむら)」→「此云于介知能務羅」
=「穿邑は穿(うが)ち超えた所」≪地名説話≫
『万葉集』の地名
正訓と一字一音(二字もある)の方式に統一
漢字の音訓を適当に交用
☆義訓の方法・・・例)「飛鳥」
☆二字化・・・「葛山」←「葛城山」
「蛉野(あきつの)」←「蜻蛉野」
『地名伝承学』 池田 末則:参照
ご訪問の記念に、1クリック募金のご協力を!
東北関東大震災復興支援クリック募金も行われています。
↓↓↓
いつもありがとうございます!