オーソレ、何それ?

私、o_sole_mioが好きな歴史、旬の話題、
賞味期限の切れた話題等を
適当に書きつづります。

スーダンの悲劇2:何が悲劇を呼んだのか?

2004-10-05 23:52:33 | 時事
スーダン、ダルフール地方の悲劇に関する記事の続きである。

スーダンはアラブ系、アフリカ系の民族に大別される。ダルフール地方ではアラブ系は遊牧による牧畜生活を、アフリカ系は農業を主に営んでいる。以前は遊牧地と農地の住み分けがほぼできていたが、この20年間、旱魃傾向が続き、遊牧民は牧草地を求めてアフリカ系農民が定住する農地を侵食するようになり、アラブ系の遊牧民とアフリカ系の農民との間で対立するようになった。そして1980年代の後半からその対立は、武力を伴う衝突へエスカレートしていった。

一方でアラブ系の民族が支配するスーダン政府とアフリカ系の反政府組織の対立は1960年代から続き、しばしば内戦も起きていた。

このように年来くすぶっていたダルフール地方のアラブ系とアフリカ系の二重の対立は、スーダン政府がダルフール地区で活動するアフリカ系の反政府組織の掃討を、アラブ系の武装民兵組織であるジャンジャウィードに委託したことにより、殺戮と悲劇に転じた。

このような状況に国連ではこの悲惨な状況をなんとかするための協議が7月ごろから始められているが、各国の思惑が絡んでなかなか大量虐殺の認定から国連の実力行使へとすんなりいきそうにない。9月18日に国連安全保障理事会は、ようやくスーダン政府に対して今後査察や石油の禁輸措置などの制裁を「警告する」決議を採択したが、このときもロシア、中国、アルジェリア、パキスタンは棄権した。中国とパキスタンはスーダンでの石油事業に対して多額の投資を行っていた。

スーダンは石油を中心に豊富な地下資源を有する国であり、この地下資源の利権を巡っての大国のエゴが、スーダンの情勢を更に複雑なものにしている。

アフガニスタン(最近選挙が行われた)やイラクなどは記憶にまだ新しいが、10年前に虐殺が行われたルワンダなど日本から遠く離れた国では、ほんの一瞬は報道されるが、その後の状況については大きな事件でもない限り報道されず、忘れ去られてしまう。アフガニスタンが良い例である。1980年にソ連が進攻し、ソ連の支配に抵抗するゲリラの抵抗などもあり、アフガンは開放される、しかしその後タリバンと呼ばれるイスラム原理主義者に支配されアフガンの民衆は抑圧(欧米流の見方からすれば)される。そしてアルカイダなど国際テロ組織の温床となっていたこともあり、9.11の直後に米軍が進攻しタリバンは政権から追放され、アメリカ主導の国家再建が行われ、最近選挙が行われた。かつて悲劇のあった国にも今悲劇が起きている国にも国際社会は目をそむけてはいけない、未来の悲劇を防ぐためにも。

スーダン・ダルフール情勢は悪化へ、死者30万人も=米当局者 (ロイター) - goo ニュース

最新の画像もっと見る