環境法令ウオッチング

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第166回通常国会で成立した主な環境法令の整理 ③大気汚染及び廃棄物・リサイクル関係

2007-07-08 07:17:31 | 環境行政一般
2007年7月8日 
 第166回通常国会で成立した主な環境法令の整理第3回は、大気汚染及び廃棄物・リサイクル関係の法律の概要です。

(2)大気汚染関係
□自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律(平成19年 5月18日法律第50号/平成4年法律第70号の一部改正)
1.総量削減基本方針の記載事項の見直し
 窒素酸化物総量削減基本方針及び粒子状物質総量削減基本方針(以下「総量削減基本方針」と総称する。)の記載事項に窒素酸化物重点対策地区及び粒子状物質重点対策地区(以下「重点対策地区」と総称する。)の指定に関する基本的な事項を追加することとした。(第6条第2項第2号及び第8条第2項第2号関係)

2.対策地域の見直しの申出
 都道府県は、その区域のうちに窒素酸化物対策地域又は粒子状物質対策地域(以下「対策地域」と総称する。)の要件に該当しなくなったと認められる地域があるときは、当該地域を定める政令の改廃の立案について、環境大臣に対し、その旨の申出をすることができることとした。(第6条第3項及び第8条第3項関係)

3.重点対策地区に関する措置
(1)都道府県知事は、対策地域における自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質(以下「自動車排出窒素酸化物等」と総称する。)の総量の削減に資するため、総量削減基本方針に基づき、自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染が対策地域内の他の地区に比較して特に著しい地区であって、当該地区の実情に応じた自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止を図るための対策(以下「重点対策」という。)を計画的に実施することが特に必要であると認める地区を、重点対策地区として当該対策地域内に指定することができることとした。(第15条第1項及び第17条第1項関係)
(2)都道府県知事は、重点対策地区を指定したときは、窒素酸化物総量削減計画又は粒子状物質総量削減計画において、当該重点対策地区に関する重点対策を実施するための計画を定めなければならないこととした。(第16条第1項及び第18条第1項関係)

4.特定建物の新設に関する届出等
(1)重点対策地区内において、自動車の交通需要を生じさせる程度の大きい用途(以下「特定用途」という。)に供する部分のある建物で特定用途に供する部分の延べ面積が一定規模以上のもの(以下「特定建物」という。)の新設をする者は、都道府県知事に届け出なければならないこととした。(第20条第1項関係)
(2)(1)の届出をした者に対する意見、勧告・公表等について所要の規定の整備を行うこととした。(第24条、第25条及び第28条関係)
(3)(1)の届出をした者は、その届け出たところにより、その特定建物の特定用途に係る事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制についての適正な配慮をして当該特定建物を維持し、及び運営しなければならないこととした。(第26条第1項関係)

5.周辺地域内自動車を使用する事業者に関する措置
(1)対策地域の周辺の地域内に使用の本拠の位置を有する特定の自動車(以下「周辺地域内自動車」という。)を一定台数以上特定の地区において運行する事業者は、事業者の判断の基準となるべき事項(以下「判断基準」という。)において定められた事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために計画的に取り組むべき措置であって、周辺地域内自動車に係るものの実施に関する計画を提出しなければならないこととするとともに、その事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な措置の実施に関し、都道府県知事に報告しなければならないこととした。(第36条及び第37条関係)
(2)都道府県知事は、判断基準を勘案して、(1)の事業者に対する指導及び助言をすることができることとした。(第38条関係)
(3)(1)の事業者に対する勧告及び公表について所要の規定の整備を行うこととした。(第39条関係)
(4)事業者は、その使用する周辺地域内自動車を対策地域内において運行する場合にあっては、道路運送車両法(昭和26年法律第185号)に基づく技術基準に適合したものを使用するように努めなければならないものとし、また、対策地域内において、貨物自動車運送事業者又は第二種貨物利用運送事業を経営する者に周辺地域内自動車を使用した貨物の運送を継続して行わせる事業者は、その運送に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な措置を講ずるように努めなければならないこととした。(第40条関係)

6.罰則について所要の規定を設けることとした。(第50条及び第52条関係)

7.この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとした。


(3)廃棄物・リサイクル関係
□食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律(平成19年 6月13日法律第83号/平成12年法律第116号の一部改正)
1.定義
 この法律において「熱回収」とは、次に掲げる行為をいうものとすることとした。
(1)自ら又は他人に委託して食品循環資源を熱を得ることに利用すること(食品循環資源の有効な利用の確保に資するものとして主務省令で定める基準に適合するものに限る。)。
(2)食品循環資源を熱を得ることに利用するために譲渡すること(食品循環資源の有効利用の確保に資するものとして主務省令で定める基準に適合するものに限る。)。(第2条第6項関係)

2.食品廃棄物等多量発生事業者に対する定期報告義務の創設
(1)食品関連事業者であって、その事業活動に伴い生ずる食品廃棄物等の発生量が政令で定める要件に該当するもの(以下「食品廃棄物等多量発生事業者」という。)は、毎年度、食品廃棄物等の発生量及び食品循環資源の再生利用等の状況に関し、主務大臣に報告しなければならないものとすることとした。(第9条第1項関係)
(2)(1)に規定する食品関連事業者の事業活動に伴い生ずる食品廃棄物等の発生量には、定型的な約款による契約に基づき継続的に、商品を販売し、又は販売をあっせんし、かつ、経営に関する指導を行う事業であって、当該事業に係る約款に、当該事業に加盟する者(以
下「加盟者」という。)の事業活動に伴い生ずる食品廃棄物等の処理に関する定めであって主務省令で定めるものがあるものを行う食品関連事業者にあっては、加盟者の事業活動に伴い生ずる食品廃棄物等の発生量を含むものとすることとした。(第9条第2項関係)

3.再生利用事業計画
(1)再生利用事業計画について、再生利用事業の実施、当該再生利用事業により得られた特定肥飼料等の利用及び当該特定肥飼料等の利用により生産された農畜水産物、当該農畜水産物を原料又は材料として製造され、又は加工された食品その他の主務省令で定めるもの(以下「特定農畜水産物等」という。)の利用に関する計画とするとともに、当該計画の記載事項として次に掲げるものを追加することとした。
①特定農畜水産物等の食品関連事業者による利用に関する事項
②再生利用事業に利用する食品循環資源の収集又は運搬を行う者及び当該収集又は運搬の用に供する施設(第19条第1項及び第2項関係)
(2)主務大臣は、再生利用事業計画の申請があった場合において、その再生利用事業計画が、従来の要件に加え、次のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとすることとした。
①特定農畜水産物等の生産量のうち、食品関連事業者が利用すべき量として特定肥飼料等の利用の状況その他の事情を勘案して主務省令で定めるところにより算定される量に見合う利用を確保する見込みが確実であること。
②(1)の②に規定する者及び施設が主務省令で定める基準に適合すること。(第19条第3項関係)
(3)再生利用事業計画の認定の取消しに関し所要の規定を設けることとした。(第20条第2項関係)

4.廃棄物処理法の特例
(1)3の(2)の認定を受けた食品関連事業者の委託を受けて食品循環資源の収集又は運搬(一般廃棄物の収集又は運搬に該当するものに限る。以下同じ。)を業として行う者は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第7条第1項の規定にかかわらず、同項の規定による許可を受けないで、認定計画に従って行う再生利用事業に利用する食品循環資源の収集又は運搬を業として行うことができるものとすることとした。(第21条第2項関係)
(2)(1)に規定する者は、廃棄物処理法第7条第13項、第15項及び第16項、第7条の5並びに第19条の3の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、一般廃棄物収集運搬業者とみなすものとすることとした。(第21条第3項関係)

5.その他
主務大臣は、基本方針若しくは食品関連事業者の判断の基準となるべき事項を定め、若しくはこれらを改定しようとするとき、又は食品循環資源の再生利用等の取組が著しく不十分な食品廃棄物等多量発生事業者に対する命令を行おうとするときは、食料・農業・農村政策審議会に加え、中央環境審議会の意見を聴かなければならないものとすることとした。(第3条第3項、第7条第3項及び第10条第3項関係)

6.この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすることとした。

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ISO14001
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