8月15日に思ったこと (続き)

2011-08-17 09:26:12 | 日記
 (昨日の続き)
 NHKの番組『渡辺謙アメリカを行く』には、マンザナールの強制収容所跡が出てきた。東京裁判の通訳のモニターであった伊丹明がいたところだ。伊丹は東京裁判の後半あたりから、うつ的になっていたようだが、そのあと、39歳でピストル自殺している。伊丹のことはフィクションとして、山崎豊子の『二つの祖国』になっている。2つの国のどちらにも自分のアイデンティティーを見つけることができなかったとして。

 移動/移住/移民(migration)が生じるには。送り出し国側のプッシュ要因(push factor:送り出し要因)と受入国側のプル要因(pull factor:引き付け要因)がある。新たなチャレンジや知識/技術の習得を求めてする移住とは異なり、移民の場合の多くが、自国では経済的にやっていけないという状況がある(プッシュ要因)。同時に、移民労働を受け入れる国があり、そこでは自国よりもいい賃金や待遇の仕事がある(プル要因)。だから、他国で働くことを決心する。自分の国に問題がなければそのような決心はしない。そのように、国際移動の話では、説明されている。そうして、移住してきた一世の人たちは、受入国での差別にあいながら、望郷の気持ちを抑えて必死で、移り住んだ土地で生きていこうとがんばる。三世になると同化が進む。でも二世のアイデンティティーは複雑だ。ましてや、第二次世界大戦中のアメリカの状況を考えると、帰米の場合、自国で生活・教育の経験があるだけ、その葛藤がいかばかりだったかと思う。

 そのようなことを、終戦の日の番組をみて、いろいろ思い出した。

 
 移動/移住/移民に関連したことだが、別の機会に、医療職者の国際移動のことをとりあげる。2000年の前半から半ばにかけて、国際会議で非常に活発に取り上げられたテーマだ。(今は、大分落ち着いた)。 
 
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