海女の早瀬さんを糸魚川に招いたのは、想定外だらけで正解のない震災のリアルを多くの人に聴いてほしかったからだ。
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糸魚川到着の晩は拙宅に泊まってもらい、お隣りの昭和レトロ居酒屋「夢路」さんで夕食。早瀬さんに持っていった米は「夢路」さんから託されたものだから、早瀬家の至宝「大正時代の巨大片口漆器(マジックで名前いり)」を贈呈w
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早瀬さんは石好きだからヒスイ峡などヒスイ方面の名所にも案内。ずっといられると気に入ってもらえたようだ。
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もう一つ、緊張がつづく早瀬さんに息抜きをしてもらいたかったこともあり、どうしても60年ほど前まで海女がいた筒石区を案内したかった。
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この付近の風景は能登半島の北海岸に似ていて、山が急激に海におちこむ狭隘地に密集する典型的な漁師集落で、水平線には能登半島が浮かんでいる。また「先祖が能登の須崎から渡ってきた」と伝説があり、わたしはよく似た風景の珠洲市狼煙区の珠崎を比定していている。
折よく布団を干していた80歳のご婦人に話しかけてみたら、若いころは海女をしていたとのことで早瀬さんと意気投合。
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筒石漁港でも女衆(おんなしょ)と意気投合して話し込む。仕事ができなくなった早瀬さんと深く共感できるのはやはり同業者で、「家を無くしても船さえあれば生きていける」との励ましの言葉が沁みたようだ。
漁船のエンジン音、潮風、市場の活気などなど、筒石の日常は早瀬さんが最も取り戻したいものだろう。懐かしいはチカラ!
海はいい。沖へ!
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