縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

「五千年前の縄文コーヒー再現プロジェクト」・・・縄文式珈琲豆粉砕石皿の「楽しい」は伝染するノダ

2020年06月27日 07時20分09秒 | ぬなかわヒスイ工房

ぬなかわヒスイ工房謹製「縄文式珈琲豆粉砕石皿」の試作品が、堂々の完成でございます。

すなわち「五千年前の縄文珈琲再現プロジェクト」!

しかも一部スピリチュアル系の人々から放射能除去、コロナに効果ある神秘の力石(パワーストーン)と噂される、姫川薬石製でございます・・・言っておきますが、ワタシはそんな噂は黙殺!( ´艸`)

あっ、それと「五千年前の縄文コーヒー再現プロジェクト」は、昨年に話題になった「3万年前の航海再現プロジェクト」のパロディで、縄文人は珈琲を飲んでいた訳ではないです。

旧石器時代の丸木舟の出土がないので、本来なら「3万年前の航海再現検証実験プロジェクト」であるべきなのですよねぇ・・・。

とにかく縄文人が飲んだコーヒーが美味くない訳がない!ドンッ(興奮して机をたたく音)
石皿による穀物・豆類やスパイスの粉砕は、現在もインドなど各地で使われていて、次回はアンデス式で作ってみる予定。
金になる仕事すりゃいいのに、楽しいからやめられないのですが、体験会の時に喜んでもらえればいいのですよ。
 
いい歳をした大人がバカなことして遊んでいる!と笑ってもらえればいいのです。
 
面白い!楽しい!という純粋な感覚経験は伝染するのですから。
 
冗談抜きに、先週に長者ケ原遺跡で縄文体験会のガイドをした都会の人たちが、大変に楽しかったから仲間にも体験させたいと来月も遊びに来ることになったのですヨ。
 
 

縄文キャットが手招いております

2020年06月24日 07時46分01秒 | ぬなかわヒスイ工房
「ぬなかわヒスイ工房」謹製縄文グッズでございます。
市販の孫の手が短すぎて、痒い所に届かないお客様のために開発した、長~い縄文式「猫の手」。
靴を履こうにも、腰が痛くて市販の靴ベラが使いにくいお客様のために開発した、長~い縄文式靴ベラ。
「ぬなかわヒスイ工房」に訪れたお客様のために用意して、お待ちしております。
縄文式「猫の手」が、おいでおいでと手招いてくれたお陰か、いつの間にか来客が以前と変わらない週に3組に復活!
 
いらっしゃいませニャ!

伏流水のように流れ続ける縄文・・・長者ケ原遺跡で縄文体験

2020年06月22日 07時44分06秒 | 整体・動法・稽古会・体験会

無条件にあけっぴろげ、天真爛漫にして繊細。

原子力から原始力へ!と長者ケ原遺跡での縄文体験会の一コマ。

火起こしや楽器遊び、ベンガラでフェイスペインティング体験。

参加者のノリがいいと、ガイドもノリノリ。これこそ共存共栄の縄文体験。
 
振りきれレッドゾーン、ふっとばせ既成概念!( ´艸`)
 
考古学を博物館のガラスケースの中の出来事にしてはいけない。
縄文は終焉しておらず、伏流水のように我々の基層文化に流れているのだから、その水脈の湧水誘導が体験会における私の役割。
 
土器の編年なんか覚えてもらわなくて結構。面白い!愉しい!って思ってもらえばよく、そこから越し方を振り返り、他者や祖霊に心を寄せる感受性を持って頂ければ本望であります。
 
 

 


謎だらけのヒスイと勾玉の歴史・・・長者ケ原遺跡の牙状勾玉

2020年06月19日 07時35分33秒 | ぬなかわヒスイ工房
長者ケ原遺跡の6,000年前(前期)から出土したのが、滑石製の「牙状勾玉」であります。
勾玉の祖型を獣の牙玉、魂拘禁具(たましいこうきんぐ)としての釣り針、再生を願う三日月、8,000年前の中国の河姆渡遺跡で作られた玦状耳飾りが1,000年後に日本に伝わり、半分に割れたものをリメイクしたなど諸説あるが、どの段階で勾玉と呼べるのかは、明確な定義はないようなのです。
私の最大の疑問は、6,000年前に勾玉が作られたとするなら、なんで中期や後期から出土せず、3,000年前の縄文晩期から古墳時代まで作られたのかという断絶期の謎。
実のところ、糸魚川のヒスイ加工には断絶期があり、再開時には技術革新が伴うらしいのですが、何があったのか謎ですなぁ。
 
それとヒスイ産出地の糸魚川に、完成品の出土も極端に少ないことも謎で、需要と供給が追い付かなかったのか?それとも何らかの禁忌があったのか??
それにしても「牙状勾玉」は、頭部と尾部に刻みが入っており、弥生時代に作られる「丁子頭勾玉」の祖型に観えないこともなく、造形的にも優れておりますな。
 
そんなことをガイドで説明しておりますが、明日は今年最初で最後(?)の団体ツアーガイド。
 
摩擦式発火法の火起こしも披露しますぜ。
 
因みに写真の「牙状勾玉」は、ガラス越しの写真撮影だけで作ったネフライト製の複製でありますが、実物とほぼ同じサイズでありました。
 
 

 


糸魚川のリアル「黄昏酒場でまた会おね」・・・なつかし居酒屋ユメジさん

2020年06月17日 07時42分46秒 | 糸魚川自慢
ぬなかわヒスイ工房のお隣りが、「なつかし居酒屋ユメジ」さんで、来客をもてなす時に重宝している。
店の内外に溢れる昭和レトロな雰囲気から、「ぬなかわヒスイ工房」と間違える人も多いが、拙宅に収まりきらない民具コレクションを寄付したり仲介したりしたこともあるので、似た匂いを感じ取って頂くのも、さもありなん。
昨夜はFB友達で初対面の佐渡のカントリー・ジェントルマンの橋口さんと、訳あってオヤジのボクシングの弟子で、元社会人フェザー級チャンプだったAさんと会食。
先客から声をかけられたら、近所に住む幼馴染夫妻!たまにユメジさんで晩酌するらしい。なつかし居酒屋ならではですな。
見知らぬお客さん同士でも、懐かしい映画やアイドル、プロレスのポスターを切っ掛けに「あの時はさぁ・・・」と話し込んだりする温かい雰囲気の居酒屋。
 
上々颱風(シャンシャンタイフーン)の名曲「黄昏酒場でまた会おね」の歌詞そのまんまの雰囲気。
 
コロナでみんな大変。どうか隅々までお金が回るようにとささやかな「一隅を照らす」活動の一環( ´艸`)

海で謎の生物発見!

2020年06月16日 07時53分43秒 | 糸魚川自慢
先日の大雨で、小滝川上流で崩落が起こったらしく、姫川から濁った水が流れ込んでおります。
波打ち際に謎の生物発見・・・巨大な殻なしのカタツムリ?ヤマナメクジ?
ウミウシの仲間じゃないよな?
 
棒でツンツンしたら少しだけ動いたが、新種発見ならどうしたらよいのだ?警察に届け出?こども電話相談室に報告??
 
炎天に炙られて気の毒なので海に戻したが、世紀の大発見だったらえらいことしたもんだ。
 
もっとも西風とウネリが強いからすぐに岸に戻ると思うけど。
 
世の中、知らないことばかりだが、友人からアメフラシだと教えてもらった。
 
梅雨時に産卵で磯に現れるから、雨降らしなのだそうだ。

石鋸で蛇紋岩を切断する「擦切り分割」実験中・・・縄文の技術

2020年06月14日 08時12分01秒 | ぬなかわヒスイ工房

蛇紋岩を石鋸(いしのこぎり)で切断する実験中。

ヒスイ加工には使われていないが、磨製石器作りに使われていた「擦切り分割」という技法。

1時間で深さ4㎜くらいの溝が掘れ、予想外にまっすぐ綺麗に切れることが判明。蛇紋岩はアスベストの原料になるくらいだから、マメに洗って換気もきちんと!
全周に溝を入れたら石棒(せきぼう)のようではないか( ´艸`)
 
あと5時間くらいかけて溝を深くして、ヒスイのハンマーでコンと叩けば、板チョコみたいに分割できると思うが、あまりにも手間暇がかかるために、最盛期の中期には廃れ、「敲打法・こうだほう」に取って変わられるようだ・・・納得!
 
写真の石斧は、膝柄(ひざえ)に装着した横斧と、左右に角を持つ「定角式」の磨製石器で、木を削ったり、掘ったりする時に使われた、ノミやカンナの元祖で、木椀や丸木舟作りの必須アイテム。
 
茶色い磨製石器は、拙宅から出土した晩期くらいの本物!
 
学校で旧石器時代と新石器時代を習った記憶はあっても、その区別を忘れた人のために説明すると・・・
 
旧石器時代は石を打ち掻いて作った「打製石器」を使っていた「はじめ人間ギャートルズ」の時代(笑)
 
新石器時代は、石器を研磨した「磨製石器」を使い、樹の伐採や木工が盛んになった縄文時代で、丸木舟も出土してくるので、水上交通が盛んになり、交易範囲が広がった時代だと解る訳。
 
こういう解釈をすると、縄文時代は木工の夜明けの時代で、堅いケヤキで厚さ5㎜の木椀や木皿を作り、浮彫して漆まで塗っているので、漆工芸の夜明けの時代でもある訳ですねぇ。
 
局部的な筋肉痛はないけど、全身が怠いで~す。
 
でも面白いからやめられませ~ん!
 
 

縄文人がヒスイを研磨した砥石で刃物を研ぐ

2020年06月12日 08時03分38秒 | ぬなかわヒスイ工房

「縄文人が、神秘の霊石、ヒスイの研磨に使ったパワーストーン!困難に打ち勝つ突破力・忍耐力向上に効果あり!」と売る人が出かねないので、学術目的以外の人には詳細は明かせないけど・・・。

糸魚川の縄文~古墳時代の遺跡から出てくるのが、石英粒を多く含んだ特殊な砂岩の砥石で、拙宅からも筋砥石が出土している。

ぬなかわヒスイ工房のすぐ前で、母が表面採取した砥石とヒスイ勾玉は、弥生時代後半から古墳時代の物であるらしい。

かなり希少な石だが、やっと採取できる場所を見つけた!赤系の花崗岩や流紋岩と見分けが付き難く、6個拾ったなかで1個が流紋岩だった。

ヒスイを研磨したら、耐水ペーパー換算で600番くらいの研磨力で光沢も出た。


研ぎ味も悪くなく、試しに工作用の刃物を砥石してみたら、見事に刃が付いて、粗中砥くらいであることが判明。


長者ケ原遺跡が整備される以前には、ヒスイ大珠やこの砥石がゴロゴロと落ちていて土留めに使われ、近隣の農家が拾って鎌を研いでいたと「糸魚川市史」に記述されているのも、納得の研磨力。

それにしても、数ある石の中からこの砂岩を発見し、砥石にベストと判断した縄文人の観察眼、あくなきモノ作りの執念に感服する。

穿孔実験成功の今は、切断・切削・研磨の実験に取り組んでいる。面白いですよう。


#長者ケ原遺跡 #糸魚川ヒスイ #ヒスイの砥石 #縄文人の必須アイテム


暑苦しい時は薄荷マスクをお試しあれ!・・・コロナ対策

2020年06月11日 07時29分25秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
外出時にマスクが暑苦しいと、お袋が薄荷の葉っぱをマスクに挟んでみたらスースーして快適だそうだから、お試しあれ。
もともと自宅の家庭菜園に自生していた薄荷を、工房の周囲に移植したのが増殖したので、風向きによっては爽やかな香りが漂うし、今の時期は麦茶代わりに飲んでおります。
摘んだ薄荷と水を透明な容器に入れて、日向に置いておくだけで、夕方には薄荷茶のできあがり。抽出がイマイチなら、沸騰直前まで温めて一晩放置しておけばよく、来客にも好評だ。
 
ぬなかわヒスイ工房前のストーンサークルは、薄荷とドクダミが繁殖して隠れてしまうのも今の時期ならでは。
 
月末に長者ケ原遺跡でイベントがあるので、恒例の野草茶の振舞いに薄荷もブレンドする予定。
乾燥させた方が青臭くないだろうけど、生葉のお茶も現場ならではの味わいで悪くない。

貫通!・・・ぬなかわヒスイ工房で1,700年ぶりのヒスイ人力穿孔

2020年06月09日 22時44分03秒 | ぬなかわヒスイ工房

竹ヒゴによるヒスイの穿孔実験が成功した。

最初に使った道具は、弓錐式発火具の先端に差替えできる竹ヒゴを付けていたが、以前に観て感動したチャン・イーモウ監督の中国映画「初恋のきた道」の中で、割れた茶碗を小型の弓錐で小孔を開けて金属の「かすがい」を差し込んで補修する「かすがい直し」の職人さんが出ていたことを思い出し、確認のために再び視聴。

なんど観ても名画です!映画の字幕では「鋳掛屋」とあったが、鋳掛は熱で金属を溶かして鍋などを補修する技術なので、正式には「かすがい直し」

 

職人さんが使っている道具と使い方を何度も観察して、発火具よりずいぶんと小型で、扱い方も違うと気付いた。

弓を胡弓を弾くように優雅な仕草で穿孔具を扱っているのだけど、引く時に手首を半回転させているので、絃が上下に動いていること、それと錐の直径が5㎜程度なので非常に回転速度が速いことに注目!

最初に使っていた発火具改良の弓錐は、1時間で1㎜くらい穿孔できていた・・・こんなでかくなくていいのですね。こげ茶色の棒は回転させる「火錐杵」だが、和光大学の社会人講座で最も効率がいいと教わった15㎜の直径であります。

改良型の「火錐杵」、実際は錐棒は全長を短くして軸ブレを減少させ、直径も8㎜にしたので円周は以前の約半分。ということは同じ回数の弓を引くと回転数が倍になるんじゃね?と考えた訳だ。バイクを速く走らせる時や、トルクを重視する時にスプロケットを交換するのと同じ原理!

以前の発火具では、長く使っていると竹ヒゴを装着する先端パーツが水でふやけて軸ブレが起きることもあったので、今回は水に強いチーク材で作り、ステンレスパイプに差し込む方式にした。

火錐杵の後端には、摩擦で短くならないようにするためと、摩擦抵抗を減ずるために水晶ビーズをはめ込んだ。

改良したら確かに回転数は増えたが、その分は竹ヒゴの減りも早く、穿孔能力が倍になったという訳でもないが、疲労度はやはり違う。

材料準備、来客、至急の仕事、道具の改良などもあり、足掛け5日目の夕方、なんの前触れも手応えもなく孔が貫通していた。

ぬなかわヒスイ工房は、1,700年前の玉作遺跡の真上にあり、勾玉も出土している。

正式な遺跡名は「笛吹田遺跡」だが、ぬなかわ族のヒスイ工房だから「ぬなかわヒスイ工房」であり、私の工房名はここに由来している。

1,700年前の「ぬなかわヒスイ工房」は、弥生時代後半から古墳時代前半の遺跡なので、すでに鉄針を使っていただろうし、穿孔具も不明だけれども、同じ場所で人力穿孔したことに変わりがなく、感慨無量・・・。

ただし、この実験は「縄文式のヒスイ穿孔の再現」ではないことを明確にしておきたい。

穿孔具の出土がない訳だから、あくまでも再現ではなく検証実験ですネ。