能登半島地震で被災してビニールハウスに暮らす家族のために、某ボランティアグループが暑い日中をすごすためにとドーム型タープをプレゼントしてくれたのだが・・・。

こんなタイプの日除け・・・
しかし日除けになる屋根面積が狭く、斜めから陽射しが差し込むので、ほとんど使われずに物置になっていた。
遊びのキャンプしか経験のない人が選ぶと、善意が無駄になりかねないのだ。
戦後のグアム島に潜伏していた横井正一さんが、アウトドア雑誌の企画で最新のキャンプ用品を見せられた時、「これは遊び用のオモチャだね」と指摘していたが、短期間のレジャーキャンプと長期間の耐久生活は次元が違うということ。
海のヒスイロード検証実験航海の時は海岸でのテント泊が基本だったが、サバイバル用にシーカヤックに1.8m角のブルーシートと6㎜の細引きを積んでいた。
それがカンカン照りの庄内砂丘で沖出しの強風に吹かれ、6日間も停滞した時に威力を発揮した。
砂丘を30分も歩かなければ人家はないのが庄内砂丘で、強烈な陽射しでテントの中は蒸し風呂だったし、強風で吹き飛ばされた砂粒が飛んできて痛い。

そこで漂流物から支柱をみつけ、ブルーシートを張って日除けシェルターをつくり、日中をすごしていた初期型

読書と昼寝、食事以外には何もすることがないので、シェルターの改良をかさねることが楽しくなり、最終的には海岸段丘の段差を利用したシェルターに落ち着いて、実に快適だった。
耐久生活も能動性を発揮できれば楽しくもなるという教訓だ。災害に備えるなら、質実剛健な現場用品が一器多用で、耐久力もあり重宝する。
発災直後は一時避難所が満員で入れなかったり、ペット連れお断りという事例はよく聞いたが、こんな時は救援が本格化するまでの間は、車中泊かシェルターをつくって過ごすしかない。
わたしは自家用車に鉈とカッター、植木屋がつかう園芸ノコギリ、バールを常備しているが、これらは災害サバイバルの必須アイテム。
我が家には園芸用に単管パイプが大量にあるが、日除けをつくる時に重宝している。