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縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

歴史修正主義をしたがるナショナリストへ勉強不足の苦言・・・映画「沖縄決戦」

2025年06月24日 07時40分00秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
沖縄戦を史実に忠実に描いた映画の代表ですよ。
皇国史観のナショナリストは「自虐史観」というだろうが、自説に都合の悪い情報に触れるのも大事。
 
脚本は新藤兼人、監督が岡本喜八で、製作陣も俳優も戦争体験者ばかりの東宝映画だから、「永遠のゼロ」のようなファンタジー映画とは次元のちがう硬質リアリティ。軍部と沖縄県民の板挟みになった県職員の苦悶も丁寧に描かれている。
 
 
将兵の回顧録を読むとほぼ一致した内容だが、司令部は民間の娼婦を高級参謀用の従軍慰安婦として徴用して、食料がなくなると艦砲射撃の真っただ中に放り出した目撃談が書かれている。
映画には描ききれなかった悲惨なできごとことは沢山あり、いろんな立場の人の情報を網羅してこそ史実が浮かびあがるのだ。
 
映画に描かれているが、わたしが知らなかった史実もある。「白襷隊」の存在だ。
 
「ゴールデンカムイ」にも描かれているが、日露戦争の「旅順要塞戦」では、ロシア軍は地雷原と鉄条網を何段構えにした高地要塞から、大砲やマシンガンを乱射して日本兵を寄せつけなかった。
日本軍は打開策として夜陰にまぎれた白兵戦「切り込み」を決行したが、将兵は戦国時代よろしく敵味方の識別に白襷をしていた。決死の決意という意味もあったのだろう。俗に「白襷隊」と呼ばれているが、逆に夜目に目立ってマシンガンの的になり壊滅してしまった。
 
日本軍は同じことを沖縄戦でやっていたことが映画に描かれている。むろん全滅。
 
連合軍将兵は日本軍の命知らずの「切り込み」の不条理さにノイローゼになったりもしたが、インパール戦のころから隠しマイクで事前に察知し、対人レーダー照準でマシンガンで掃討する対策をしていたので、ほとんど成功する見込みはなかった。
 
マシンガンが乱射する銃弾にむかって日本刀と銃剣で突撃させられた将兵の絶望と遺族の無念・・・「白襷隊」には現地徴兵の少年もいた。
要するに沖縄戦の「白襷隊」は死ぬことが目的の「一億玉砕」の先駆けであり、それを沖縄県民に強要したのが沖縄戦だ。
 
保守政党のサポーターに質問しても知らなかったネ。あまりにもの勉強不足。
わたしの記憶では・・・と不確かな情報を元に歴史修正をしたがる保守政党国会議員よ、もっと勉強しろ!
 
 

カナダ人になりすますアメリカ人バックパッカー・・・最初に引き金をひいたのは誰?

2025年06月23日 08時17分32秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
湾岸戦争のころからインドや東南アジアで、カナダ国旗を縫い付けたバックパックをかついだカナダ人バックパッカーをよくみた。
アメリカ人と思われると嫌がらせを受けるので、カナダ人であることを表明しているそうで、カナダ国旗を縫いつけてカナダ人になりすますアメリカ人旅行者もいるとのことだった。
トランプ支持者は「トランプさんは平和主義者!」と讃辞を贈るが、就任早々にパレスチナ人を追い出してガザをリゾート開発するとか、ウクライナに地下資源の取引を要求したりする政治ビジネスをどう評価するのか?半年を待たずに二度目の武力行使をしたことをどう理解しているのだろう?
 
イスラム教徒からするとトランプ大統領は、自国の権益を武力行使で守る白人至上主義のポピュリズム政治家であって、平和主義者などではないと拳をあげるだろう。
 
今後は白人バックパッカーへの嫌がらせどころか、無差別テロも危惧されるから、日本人もアメリカ旅行は要注意だ。
テロリストへの報復をというが、アラブのテロリストはイスラエルとアメリカの武力攻撃に報復しているのだ。
 
最初に負の連鎖の引き金を引いたのは誰?
 
①1948年の「イスラエル建国」からの中東問題
②戦場に飛行機と戦車が登場して、エネルギーの主役が石炭から石油に代わった第一次世界大戦
③19世紀の欧米の帝国主義とシオニズムの勃興
 
逆なぞりで歴史をたどれば、欧州諸国の石油権益の独占やシオニストの領土獲得の利害関係が合致して、中東が泥沼化したことが見えてくるヨ。
 
最初に引き金を引いたのは誰?
 
 
 
 

人種差別と帝国主義に彩られたアメリカの黒歴史が学べる名作映画・・・映画「小さな巨人」

2025年06月19日 07時47分57秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
6月20日午後1時よりBSNHK「プレミアムシネマ」で、映画史に残る名画「小さな巨人」が放送されるので、人種差別と帝国主義に興味ある人はぜひとも視聴を!
著作権の問題なのか、中学二年の時にテレビの映画番組で観ただけで、その後はレンタルビデオも見当たらなかったから、観たくても観られなかった映画。20日は縄文キャンプのコーディネーターを頼まれているので録画予約!
「奴隷解放の父」と称賛されるリンカーンは、ネイティブアメリカンには情け容赦はなく、博愛主義者などではなかった。
 
その時代に先住民虐殺した黒歴史が、若き日のダスティン・ホフマン演じるネイティブアメリカンに育てられた白人の目線で描かれています。
1970年に公開されたベトナム戦争反対を暗喩した西部劇だけど、現在のイスラエルやロシア、そしてアメリカがやっていることは、19世紀の帝国主義と変わることはありません。
奇しくも同年に同じテーマで公開された「ソルジャー・ブルー」も優れた映画で、どちらも中学生の時にテレビの映画番組で視聴して衝撃をうけ、歴史とは正史を裏読みして補完する必要を痛感するようになりました。
これらが公開される前の西部劇では騎兵隊は野蛮なインデアンから守る正義の味方として描かれていた。女をレイプして、頭の皮を剥いで見世物にしたのは騎兵隊だったし、殺したネイティブアメリカンの睾丸でポーチをつくったのも騎兵隊。ネイティブアメリカンはその報復をしたのだが、白人たちは野蛮人が頭の皮を剥いで、女は凌辱されている!と主張して既成事実のようになった訳です。
 
今にの時代に多くの人に観てほしい映画。
イスラエルの戦争を、ハマスがテロをおこしたから当然の報い!イランが核開発してるから当然!・・・なんでイスラエルが戦争ばかりしているのか、逆の立場からも考えてあげてくださいよ。イスラエルも核保有国なんだけどねぇ・・・。
 
 
 

坐骨神経痛や腰痛もちの必読の書・・・高野秀行著「腰痛探検家」

2025年05月28日 06時49分13秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
「辺境作家」の高野秀行さんが突然の腰痛となり、名医やカリスマ治療師、超能力者の治療まで受けても快癒せず、ある気付きがあって仕事に復帰できるまでの遍歴の2年間をつづった感動の記録w
「謎のアジア納豆」を読んでファンになり、「ブックスサカイ」が閉店すると聞いて新書で餞別がわりに20冊以上購入した高野さんの書籍のひとつ。登場する医師や治療師にエキセントリックな人がおおく笑わせてくれる。
 
わたしも今年の春は坐骨神経痛で動けなかったが、30歳前後のころは建築リフォーム店の店長をしていて、過度の忙しさとストレスから、腰痛と睡眠時無呼吸症候群に苦しんでいた。
 
高野さんと同じく、評判の治療院を何軒も訪ね歩いたが、痛みは軽減しても快癒せず、当時のベストセラーだった、アメリカのDr.サーノ「ヒーリング・バック・ペイン」や夏木静子著「腰痛放浪記 椅子が怖い」などの心理療法の書籍もむさぼり読んだ。
 
大学病院でも精密検査をしてもらったが、体に異常はないので精神安定剤を服用するか、転職するしかないと言われ、やむなく精神安定剤を飲んだその晩は眠れたが、熟睡とはいえないボンヤリした寝覚めが、我ながら情けなかった。
 
精神安定剤で強引に意識を失わされたことに感じる暴力性に、ムラムラと反発する気持ちが起こり、くそったれ!と開きなおり、残りの精神安定剤を思いっきりゴミ箱に投げ捨て、寝ない覚悟を決めてから闘志が沸き上がってきた。
 
その夜は平日にもかかわらず、大量のレンタルビデオを借りて観て、映画に飽きたら本を読んで一晩を過ごすうちに、スズメの鳴き声で夜明けが近いことを知った。
まだ暗い朝4時に波乗りして普通に仕事をした日から、腰痛も睡眠時無呼吸症候群とは無縁になった。
 
高野さんも似たようなプロセスで仕事に復帰できている。
 
この経験から体の変調は他人まかせにせず、地震や台風といった自然現象と同じと考え、対決せずに「迎え入れてやり過ごす」知恵がついたが、そういった考えが基本になっている整体協会(野口整体)に共感して、後年に入会して指導者の端くれに加えてもらう経緯だ。
 
「俺だって腰痛になるし、病気にもなる。だけど病気になっても病人になるながオヤジの教えだ」と整体の大師匠である野口裕之先生の言葉。
腰痛や坐骨神経痛に苦しむ人に、明けない夜はないと伝えたい。
 
 

「悲しくてやりきれない」ひとびと・・・在日朝鮮人の悲愁を描いた映画「パッチギ」

2025年05月24日 08時36分01秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
日本の「嫌韓」、韓国の「反日」の根っこを知らない保守層が多いことに驚く。
 
某保守政党のサポーターと話していたら、江戸時代は「朝鮮通信使」を大歓迎していたのに、明治期の「韓国併合」から民族差別がはじまったことも知らずに嫌韓を語っていたのは如何なものか。
そんな保守層に観てほしいのが、1970年代の京都を舞台に、在日朝鮮人高校生と日本人高校生の対立を描いた映画「パッチギ」だ。
 
「フォーククルセダーズ」の加藤和彦が音楽監督を担当し、名曲「イムジン河」「悲しくてやりきれない」「あの素晴らしい愛をもう一度」が、要所で印象的につかわれ、在日朝鮮人の悲愁と「嫌韓」「反日」に至った経緯が見事に描かれている。
主人公が恋する女学生役の沢尻エリカさんのチマチョゴリ姿が清々しい。主人公のノンポリ高校生が諍いが絶えない在日朝鮮人高校と相互理解のために、サッカーの交流試合を申し込みに朝鮮高校を訪れ、吹奏楽部が妙なる楽曲を奏でる中に沢尻をみつけて一目惚れしたことで「イムジン河」を知ることになる。
 
恋愛の部分を除けば実話が元になっていて、後年にフォーククルセダーズが「イムジン河」を発表することになる。
 
沢尻と付き合いたい一心で「イムジン河」をおぼえたノンポリ高校生は一族の花見に誘われ、ボクは味方ですという若干の自負をもって「イムジン河」を披露する。
しかし長老から「国会議事堂のタイルを張ったのは誰だか知っているか?」と問い詰められる。この映画のキーパーソンは長老を演じる笹野高史さん。渋い演技をみせてくれる。
 
日本人大多数はなにも知らない、知らなすぎるのだ。
だから在日朝鮮人は「悲しくてやりきれない」し、若者はパッチギ(突き破る・頭付き)する。
本当の主人公は高岡蒼佑さんが演じる、沢尻の兄貴役で朝鮮高校の番長のアンソン。パッチギ(頭付き)が得意技。抜き身の刀のような不良だが、実は家族思いの役柄を好演していて、格好よくて巧い俳優さんだ。実在のモデルがいるそうだ。
 
シリアスをコメデイタッチで描かれたりすると、哀しみはよりいっそう深くなり、映画の登場人物がいつまでも心に息づく。
井筒監督スゲーな。
 
「嫌韓」の意識改革はまずは知ることから。
映画で歴史の勉強しましょ。
 
 
 
 
 

わたしたちは星の子供たち・・・NHKラジオ「子ども科学電話相談」の名回答にオラは泣いた

2025年05月14日 06時48分47秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
オラはテーマ曲が流れるだけでウキウキするほどNHKラジオ「子ども電話相談室」の大ファン。
ちょっと前に「さそり座のアンタレスが爆発してなくなっちゃうのはホントですか?」という、星が大好きな6歳の女の子の質問の回答にグッときた。
さそり座のアンタレスはいつか爆発してしまうが、わたしたちが生きている間は大丈夫だし、爆発しても光が届くのに何年もかかる・・・らしい
 
「星にも一生があり若い星は青いが、一生の終わりにちかづいて赤く膨らんだのがアンタレスで、いつかは爆発して小さな星のカケラになる。
そうした小さな星のカケラたちが、次の新しい星の材料になり、死んでは生まれ、そんな星の欠片で地球がうまれ、わたしたち人間もうまれた。
人間の体のなかの鉄やカルシウムといった元素は、星のカケラからもらったものだから、わたしたちは星の子供たち・・・。」
私たちは星の子供たち・・・「はじめ人間ギャートルズ」のエンディング曲、かまやつひろし作曲の「やつらのバラード」がピッタリくる深淵な回答。
 
宇宙は膨張と収縮をくりかえすと聞くが、星の爆発を死とするなら膨張期は死にむかう過程でヒトの一生と同じ・・・死は新たな生の始まりと仏教哲学してしまったw
 
時という漢字は脈動が原義で、インドのヒンドゥー語で時はカーラといい語源はヒンドゥー教の時を司る破壊神の名だ。
19世紀のインドの聖人ラーマ・クリシュナは、宇宙の根源原理の神ブラフマンはただ「在る」だけだが、時の神カーラと結婚することでこの世が生まれる。つまりはブラフマンは時計でカーラはゼンマイ仕掛けで、時計があるだけでは時間を知ることはできず、ネジを巻いてはじめて時間を知ることができると説いている・・・なんだか「わたしたちは星の子供たち」と繋がっていくではないか。
回答者は渋谷プラネタリウムで主任解説員してらっしゃる「癒しの星空解説員」こと永田美絵先生。
ザブトン一枚!!
オラも好奇心いっぱいの知りたがりだから「おとな電話相談室」をやってほしいねぇ。
 
 
 
 

都合の悪い史実を自虐史観とする人々に観てほしい動画・・・【戦時下の性被害】95歳が初めて語る 78年間苦しみ続けた戦争の記憶 

2025年05月13日 07時04分01秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
「ひめゆりの塔」について、自分が理想とする国家像に都合がわるい史実を、自虐史観の歴史修正と演説した自民党の西田昌司参院議員議員の発言が話題になっているが、そんな極右政治家に投票する人に視聴してほしい証言動画。
 
 
【戦時下の性被害】95歳が初めて語る 78年間苦しみ続けた戦争の記憶 #黒川開拓団 #中京テレビドキュメント
 
満州に進攻したソ連軍に対し日本軍は、「ソ連軍は丸腰の居留民に手を出すまい」「スターリンは西郷南洲のうように話がわかる男」と独善的な理想を言い訳とし、居留民を置き去りにして逃亡した。
 
あろうことか日本軍は橋を爆破して逃げたので居留民は逃げる術もなく、取り残された黒川開拓団はソ連軍に保護をしてもらう条件で若い女性15名を慰安婦として差し出し、帰国後の村民は女性たちを淫売と差別し事実を隠蔽した。
 
国家や村に何度も裏切られた15名の女性の小さな声に耳を傾けて、戦争のリアリティを勉強してほしい。
何度も書くが、彼女たちは損害賠償をもとめているのではなく、闇に葬られた名誉の回復と、二度と繰り返してはいけない過ちと訴えているのだ。
 
西田議員の発言についても、居留民を置き去りにした日本軍と同じご都合主義の論理が透けてみえる。
 
 
 

改憲を論じる前にナゼ?ナニ?ダレガ?を勉強しましょ・・・半藤利一著「日本国憲法の二〇〇日」

2025年05月04日 06時57分59秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
改憲を論じる前に、敗戦から憲法施行までの、「ナゼ?ナニ?ダレガ?」を、本書で勉強してほしいですナ。
ブックスサカイ閉店間際に買った本の1冊・・・
 
果たして日本国憲法はマッカーサーに押し付けられたのか?
狂信的なナショナリストのテロに戦々恐々と進駐してきた米軍を驚りかせたのは、街を丸腰で歩ける予想外の歓迎ムードだった。
 
また「天皇は神だと思うか?」という質問に「尊崇しておりますが、神だなんて思ったことはありません」と笑って答える日本人だった。
 
漢詩の素養のあったらしい吉田茂も、終戦後に現人神(あらひとがみ)という言葉を知って、読めなかったらしいw
 
当時16歳だった半藤利一さんも、「暴支膺懲」(ぼうしようちょう・横暴な中国を懲らしめる標語)や「遂げよ聖戦 興せよ東亜」と、軍国主義の旗振りをしていた人が、戦後は豹変して「天皇制廃止!」と赤旗を振って歩く節操の無さに呆れたそうだ。
 
扇動する人は扇動されやすい人でもあり、変わり身も早いという教訓。それはそのまま陰謀論やフェイクニュースを拡散したがる人に当てはまる。
 
事前に一般人が知っているクーデターなんかある訳ないのに、4年前のアメリカ大統領選の後に「選挙が盗まれた!ワシントンは米軍に包囲されて大統領就任式にクーデターがおこります!アメリカは共和国となりトランプさんは初代大統領に就任します!」とSNSで拡散してた人たちは、その後は黙っちゃたのが好例。
 
災害時にフェイクニュースを拡散すると人命にも関わる最悪の事態を招きますヨ。
 
なにごとも原点に立ち返らないと議論もあったもんじゃない。
明治にはじまり、昭和初期に創作された皇国史観が、あたかも大昔からある日本文化であるかのように勘違いしている人も読んでほしいし、それらがSNSで拡散されていく時代に危うさを感じる人にも読んでほしい。
 
 
 

ソ連軍に慰安婦として差し出された乙女たちの涙・・・ドキュメンタリー映画「黒川の女たち」

2025年04月29日 07時48分19秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

今日は昭和の日だそうだが、忘れちゃこまるのが戦争体験者たちの証言の数々。将兵ばかりが戦争体験者ではない・・・

生半可な気持ちでは観ることのできないドキュメンタリー映画「黒川の女たち」が完成したそうだ

 

終戦間際に不可侵条約を破ったソ連軍が満州に侵攻し、「無敵皇軍」は国境にわずかな部隊に死守を命じて橋を爆破して逃亡し、26万人以上はいたらしい在留邦人は置き去りにされた。
 
満州地区で置き去りにされた在留邦人のなかには、熊本の満蒙開拓団のように集団自決した例も多かったようだが、岐阜県黒川村の満蒙開拓団は、15人の未婚女性たちをソ連軍に慰安婦として差し出して保護をうけた。
「無敵皇軍」のなかには立派な将軍もいて、蒙古地区を守備する根本博中将は8月15日の終戦後の武装解除命令に抗明し、倍以上の兵力のソ連軍に対し知略を尽くした獅子奮迅の戦いで食い止めている間に、4万人の在留邦人を列車で後方に避難させて、蒋介石の支援をうけて早期帰国を実現した神様みたいな人。

話しをもどすと、映画とは別になるが慰安婦にさせられた女性の証言はこちら

【戦時下の性被害】95歳が初めて語る 78年間苦しみ続けた戦争の記憶 #黒川開拓団 #中京テレビドキュメント

帰国後の黒川村民は、村のために我慢してくれと慰安婦にさせられた女性たちの事実を隠蔽し、感謝のひと言もなくキズモノとさげすんだので、彼女たちは黒川村を離れざると得なかった。

高齢になってから実名で公表した女性もいたが、マスコミは興味本位に報道したし、心ないバッシングも多かった。
 
黒川村の遺族会が彼女たちに謝罪したのは、戦後78年も経ってからだ。
 
彼女たちは賠償責任を問うているのではない。国策で移住した異国の地で無情にも軍隊から見捨てられた事実、歴史の闇に葬られた哀しみの事実を知ってほしいのだ。
 
 

大八洲、おおやしま、嗚呼!オオヤシマ・・・森浩一著「日本神話の考古学」

2025年04月20日 08時28分39秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
*4月30日閉店「ブックスサカイ」の本の注文受付は本日20日まで!いそげ~!
考古学者の著作で実証できない神話をあつかう場合は、本題の間のコラム欄で箸休めとして扱うのが定番なのだが、本書は考古学の立場から神話を読み解いているので素人でも読みやすい。
 
日本の国土のことを記紀では大八洲(おおやしま)と呼ぶ。おおやしま、オオヤシマ・・・なんだか格好いい響きでございます。
 
八つの島とは主に西日本のことなのだが、著者の森浩一先生は陸上ルートが定まっていない時代は、海上ルートがヒトとモノを運んでいたから、陸続きであっても島の感覚なのだと解説する。
この解説は丸木舟やシーカヤックで「海のヒスイロード」を検証した時に、航海術をもたない人々にとって海は陸のお終いだが、航海術に長けた人々にとっての海は、世界への玄関口なのだと実感していて大いに賛同する。
 
神話を独善的に解釈したニューアカデミズム論者の著作やYouTube動画を鵜呑みにして、「隠された真実はこれ!」と喧伝する人は多いが、たまには考古学の本でも読んだらどうだろうかね?考古学者は「真実」を隠している訳でなく、実証できないことは扱わないのが考古学なのだと理解できるかもw
 
その点は本書は「神話に興味はあるけど考古学の知識がない」タイプの人の入門書にいいのではないかな。