年末恒例の包丁研ぎをしていたら、3年前の糸魚川大火でボランティアに来ていた栃木の藤久保氏が復興の様子をわざわざ観に来てくれた。
糸魚川のお節料理に欠かせないのが寒ブリの刺身だから、包丁研ぎは大事な年末行事。普段使っていない包丁も研いで椿油を塗り込んでおく。
私が気にはなっていたのは高齢被災者の現状であったので、商家に入ってその後の状況を聞いたら、大部分の方は復興住宅に入居したり近くの老人ホームに入居したとのことで一安心。
大きな駐車場を持つ「にぎわい広場」に立つ藤久保氏は各地の災害ボランティアで飛び回っている人
広場の地下は、消火用の水が足りなくて海水まで使った大火を教訓として消火用貯水槽になっているそう。
最初は店舗の場所が変わっていたので気付かなかったが、話を聞かせてくれた商家のご婦人は、私がボランティアで入った老舗仏具屋さんの焼け跡から探し出した焼け焦げた婚約指輪の持ち主その人であることが判明した。
あの瓦礫の山から想像もできない復興振りに胸が熱くなった。
昔は年末になると人でごった返していた本町通りは、郊外の大型店に圧されて随分前からシャッター街になってはいたが、車がない世帯でも生活ができて駅に近いという利点もある。
古い町並みが残る路地
往時の賑わいの復活は無理にしても、静かな住宅街なりの活気が戻ってくれればいい。
映画「仁義なき戦い」の菅原文太のラストの名セリフの「山守さん、まだぁ弾ぁ残っとるがよぅ・・・」
これから始まる新しいまち作り。