縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

糸魚川大火から3年目の正月

2019年12月31日 09時23分05秒 | 糸魚川自慢

年末恒例の包丁研ぎをしていたら、3年前の糸魚川大火でボランティアに来ていた栃木の藤久保氏が復興の様子をわざわざ観に来てくれた。

糸魚川のお節料理に欠かせないのが寒ブリの刺身だから、包丁研ぎは大事な年末行事。普段使っていない包丁も研いで椿油を塗り込んでおく。

私が気にはなっていたのは高齢被災者の現状であったので、商家に入ってその後の状況を聞いたら、大部分の方は復興住宅に入居したり近くの老人ホームに入居したとのことで一安心。

大きな駐車場を持つ「にぎわい広場」に立つ藤久保氏は各地の災害ボランティアで飛び回っている人

広場の地下は、消火用の水が足りなくて海水まで使った大火を教訓として消火用貯水槽になっているそう。

最初は店舗の場所が変わっていたので気付かなかったが、話を聞かせてくれた商家のご婦人は、私がボランティアで入った老舗仏具屋さんの焼け跡から探し出した焼け焦げた婚約指輪の持ち主その人であることが判明した。

あの瓦礫の山から想像もできない復興振りに胸が熱くなった。


昔は年末になると人でごった返していた本町通りは、郊外の大型店に圧されて随分前からシャッター街になってはいたが、車がない世帯でも生活ができて駅に近いという利点もある。

古い町並みが残る路地

往時の賑わいの復活は無理にしても、静かな住宅街なりの活気が戻ってくれればいい。

映画「仁義なき戦い」の菅原文太のラストの名セリフの「山守さん、まだぁ弾ぁ残っとるがよぅ・・・」

これから始まる新しいまち作り。


姫川薬石はパワーストーン?・・・霊感商法

2019年12月29日 13時41分04秒 | ぬなかわヒスイ工房

年間で100人を超える来客を石拾いに案内しているが、3.11以降に拡散した姫川薬石が放射能を除去するパワーストーンとするデマを未だに信じ込んでいる人が多いことに驚く。

本当なら東電が放っておかないでしょ?

デタラメな宣伝文句を信じ込んで思考停止してはいけませんよ~( ´艸`)

あるイベントでこのデマを流した本人に会ったが「僕が薬石をブレークさせました!」と自慢していた。

自称宗教者とのことだが、宗教者なら金儲けの道具にするんじゃなく、我が身に付けて除染ボランティアでもして、その効能なるものを証明してみせるくらいの覚悟を持って欲しいもんだ。

世の為人の為に只で配って歩いて欲しいねぇ、ほんとうにっ!

姫川薬石といっても流紋岩と石英斑岩の2種類があり、組成や生成過程はともかく、右2つの流紋岩は砂糖菓子のように滑らかで、左2つの石英斑岩は雷オコシみたいに肌が粗っぽく加工の手ごたえは全然違うのだが、それでも同じ効能なの?

姫川薬石と呼ばれる一つは流紋岩です

これも流紋岩

それに糸魚川ならずとも火山地帯にありふれた鉱物で、姫川薬石と比較分析しても産地は特定できないと思いますが姫川産は特別なの?

微量ラジウムを放出するパワーストーンと売られているが、知人の鉱物学者が放射線量を測定したら市販レンガと同じくらいで、花崗岩の方が高かったらしい(笑)

パワーストーンを扱う人のパワーって、いったいなんですのん?

ヒスイと姫川薬石がある糸魚川は究極のパワースポット!だから善人ばかり、元気な人ばかり、高所得者ばかり、美男美女ばかり、みなさんこぞって糸魚川に移住してくださ~い!(爆)

こちらは石英斑岩で、流紋岩に比べて肌が粗いので線刻して付加価値を高める( ´艸`)

薬石という名称は奈良時代からあるそうだが、その処方箋は文献にはなく、服用していたのか温石にしていたのかも不明。

こちらも石英斑岩

個人的に特定の鉱物に特別な想いを寄せるのは尊重するし自由だが、パワーストーン扱いで販売するのは「この壺を買うと功徳が積めます、悩みが解決します」と、人の弱みに付け込んだ霊感商法と同じ商法ではないのか?

ヒスイも含めて、業者の宣伝文句を鵜呑みにしてはいけない。

ご自身の感覚と体験を信じて欲しいです。


止め石で泥棒さんの抑止効果を期待・・・漁師風「ヒスイ工房」完成

2019年12月25日 07時47分54秒 | ぬなかわヒスイ工房

友人である漁師の松沢さんから錨を貰って、ついに念願の「漁師風ヒスイ工房」とすることができた。

貝殻が付いているところがいい!定置網用ですかな?

小さめの錨はガラス玉の横に吊るしたぞ。

定置網の石錘も貰ったが、工房裏口の止め石にピッタリ。


止め石は日本庭園や神社仏閣などで立ち入り禁止の印なので、早朝の犬の散歩をする人がここから入って備品や果樹に実った果物を盗むことへの抑止効果を期待。

いい大人がセコい泥棒をするばかりか、お袋が丹精込めて育てている家庭菜園にも入り込んで発芽したばかりの野菜を踏みつぶしていくのだから堪らない。

柔らかい畑の土に大きな犬と人の足跡が残っているので犯人の目星は付いているのですよ、そこのあなた!

立入禁止の柵を作ろうとも思ったが、当方も出入りが面倒だし第一野暮だ。

止め石で立入りを躊躇するような、風流を解するコソ泥さんならいいのですがねぇ( ´艸`)


一家に一本、中華包丁を!

2019年12月23日 07時35分03秒 | 民俗学ごっこ

後期高齢者のお袋の包丁使いが怪しくなってきて、カボチャを切る手元が危なっかしい。

天麩羅の時などは、切ったカボチャが厚すぎるから旨くない・・・薄い方が旨いですよねぇ?

そこで誕生日・母の日・敬老の日・クリスマスプレゼント・お歳暮・お年玉を兼ねて中華包丁をプレゼントした( ´艸`)

昔、バイトしていた江の島の磯料理屋で、天麩羅用の薄切りカボチャを切る時には、中華包丁が一番ということを熟知しているのでありますよ、ワタシは。

和包丁に比べて重たいので、包丁の自重が利いて固い物でも切りやすく、慣れれば野菜の千切りだって簡単。

これでタクアンは繋がって出てくることはなくなるだろうし、餅を切るにも最適な包丁だから親父の誤飲にも効果を期待しております。

一家に一本あると重宝しますぞ。

 

 


異分野の方との交流はチカラ・・・勾玉

2019年12月21日 08時10分11秒 | ぬなかわヒスイ工房

内径僅か0.25㎜のステンレスパイプ内部を鏡面研磨する技術を持を開発した会社の社長が、ぬなかわヒスイ工房に訪ねて来たのは10月。

この技術なくては人工衛星も飛ばない、オンリーワンの先端技術だそうだ。


こんな凄い技術者から「山田さん、仕事愉しいでしょう?!」と言われても苦笑するしかないが、社長から聞いたある言葉が頭から離れず脳内で熟成すること2ヶ月、ヒスイ加工に応用してみてキャッ!と声をあげた。


誰にも気付かれないレベルの個人的な課題だけども、懸案だったある問題が10倍に拡大しても確認できず、別次元に突入して驚愕歓喜雨霰!・・・マジで泣きそうになった。


新しい技術にもうひと工夫は必要だが、師匠はどこにもいるんですなぁ。

異分野の方との交流はチカラだし、継続もチカラ。

先日、悩める青年に「かもめのジョナサン」を紹介したら食いついてきたが、30年ぶりに読み直してみたくなった。
このところ気分はいい。

 

ぬなかわヒスイ工房開設7年目にして電気工事!

2019年12月19日 07時44分52秒 | ぬなかわヒスイ工房

もう何十年も経ったようにしか思えないのだが、ぬなかわヒスイ工房を開設してから7年目でしかない。

大工工事、水道配管工事、土木工事は自分でできても、電気工事だけは危ないから屋外の防水コンセントから引き込んで電気を使っていた。

照明器具は現場で使う投光器などの部分照明だけだったから、夜は暗く昼間であっても悪天候の時などは穴倉のように暗かったし、消費電力が15アンペア以下になるように計算しながら仕事をしていたのだ。

某所で知り合ったギター弾きでもある電気工事店のS社長と音楽方面の話題で盛り上がり、お願いしました。

働くオジサンシリーズ電気工事編・・・おぢちゃんありがとう!(笑)

嵐の時などは漏電も怖いぞと戦々恐々としていたので、専用回路を引いてもらって一安心。コンセントも3ヶ所設置してもらい、プラグを引き抜いて入れ替えたりする必要もなくなった。

天井付けの照明器具の明るさに驚く。

戦中戦後のドラマで、灯火管制が解除されて電灯を付けた時「おー!」と声を出す場面と同じく、私も思わず声を出しました。

文明の灯りは有難い。

これからは遅い時間に訪ねて来るお客さんも対応可能だ。

夜の来客が暗い工房の写真を撮ってSNSに投稿したりすると、穴倉生活しているようで我ながら情けなかったのですよ。

縄文オカリナが人気で、春から販売店が6ヶ所に増えるので夜でも工房仕事ができるのは嬉しい。

明るい工房に入るたびにムフフとほほ笑んでいる( ´艸`)

 


ペルーの不思議な水笛

2019年12月17日 08時06分00秒 | ぬなかわヒスイ工房

アンデス方面に旅をしてきたクリスタルボウル演奏家の牧野持侑さんからペルー土産が贈られてきたが、これを観て楽器だと思う人はいないだろう。


立ち上がった筒から息を吹き込むと、角度によってボー、ピューと音が変わるが、本来は中に水を容れて吹くと奇妙奇天烈な音がする不思議な水笛。

ヒヨコ型の水笛なら観たことあるが、この水笛は貯水タンク(笑)が2連になっていて、上部に小穴が開いている所が不思議な音のミソらしい。


黒い方はエポキシパテの補修痕が数か所あり、アンティークらしいが、置物としてもセンスがいいぞ牧野さん!


どなたか正式な名前をご存知な方、ご教示ください!


名前さえわかれば演奏方法や用途など検索できるハズ。

牧野さんとは随分長い付合いのように感じるが、3年前の冬至ライブでゲストに呼ばれたのが初対面で、以来は年に一度しか会ってないのが我ながら信じられない。
「君はこうゆうのが好きなのだろう?」と見抜かれておりますぞ( ´艸`)

追記

SNSで発信したら多くの声が寄せられ、名前はhuaco silbador(口笛を吹く人)と判明。

ただしhuaco(ワコと発音)そのものは土器という意味で、本来は吹く楽器ではなく、内部に水を容れて傾けたりゆすったりするだけで小鳥の声や猿の声などの動物の鳴声が出すことのできる双胴の壺であるらしい。

色んな人の意見を纏めると、チャンカイ文化やガイソナ文化などペルーの時代区分をまたいで存在した「音の出る双胴の壺」だが、吹いて音を出すこともある、という感じか・・・これにて一件落着!


喜んでくれる人を想像する喜び・・・縄文オカリナ出荷

2019年12月14日 09時25分52秒 | ぬなかわヒスイ工房

縄文オカリナの出荷準備が終わった。


販売先が3ヶ所増えたことがあり、今回から「遮光器土偶・晩期・青森県亀ヶ岡遺跡」など各土偶の情報を記載した台紙をPCで印刷して自分で裁断。


台紙はメーカーから色見本を取り寄せ、最もオカリナが見栄えする色の厚紙に変え、ラッピングも丈夫だけども透明感がイマイチのポリエチレン製から、クリアーなセロファン系に変えたら高級感もそれなりにUPしたような・・・(笑)


手間暇がかかる家内制手工業だから利益は微々たるものだけど、販売先に並べられた風景や、手にした人の反応を想像すると愉しいから安易な仕事をせずに工夫を重ねる。妥協はしませんっ!


販売先も買ってくれるお客さんも、私には気の合う友達。
お金にならなくても、友達の輪が広がってくれれば我が人生は豊かなのですよ。


今年最後の縄文オカリナ野焼き

2019年12月13日 07時53分41秒 | ぬなかわヒスイ工房

無風快晴という好条件で、今年最後のオカリナ焼成終了。


ストーブで炙り焼きを済ませておいたオカリナを炭で囲み、1時間くらいかけて徐々に温度を上げていく。

十分に熱が伝わったらオカリナの上に炭を載せて1時間くらい本焼き。

これまでは本焼きを終えたオカリナを1個づつ新聞紙で包んで「燻し焼き」をしていたが、青森で縄文をモチーフに焼き物をしている左京窯さん秘伝の技術を導入したら、実に簡単で大幅に時間短縮でき、本物に近い焼き味にできた。

縄文土器の焼き方も各人各様で、交流が愉しい。

ペンダントと指人形にもなる3ウエイオカリナも開発。史上初の遮光器土偶指人形誕生!( ´艸`)


指人形が「左京のおぢちゃんとおばちゃん、アリガトウ!」と言ったとか言わなかったとか(笑)


龍馬の命日・・・SF幕末医療ドラマ「JIN-仁」

2019年12月12日 09時19分22秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

昨日12月10日は、旧暦1867年11月15日の坂本龍馬の命日なのだと、ある方がフェイスブックに投稿していた。

ある方とは、坂本龍馬の大ファンとして知られる俳優さんのマネージャーさん。

龍馬ファンは不思議と龍馬の身長や誕生日(命日と同じ)などを覚えているもので、これは司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の龍馬像が等身大の魅力的な青春ヒーローとして描かれ、読者が我もかくあらんと自己と照らし合わせて感情移入できるからだと思う。

かくゆう私も、高校の時は龍馬のブロマイド写真を生徒手帳に入れて持ち歩くくらいにハマっておりました・・・。

最近、村上もとか原作のSF幕末医療劇画に出会って再び龍馬熱がぶり返し、全20巻をレンタルで読破!

現代の外科医が幕末にタイムスリップして、歴史の渦に巻き込まれていくSF版「ブラックジャック」のような劇画で、習俗や風俗、民具などの時代考証が秀逸だし、歴史上の人物も多く登場して大変に面白い。

その後にTBSのTVドラマ版全11巻があると知り借りて観ていたが、なんたること・・・折しも昨夜は龍馬暗殺の最終章を観る予定であった。

中盤のメロドラマ部分はダレるものの、終盤に向かって脚本は緻密になり、主要役者陣の演技もただ事ではないレベルで深くなっていき、いつしか正座して観ていた。

最近のNHK大河ドラマやコメディ映画は、演劇の演出家出身の監督が軽妙洒脱(笑)な演出ばかりするので品格がなく観る気もしないが、民放TVドラマといえども比較にならない深く、瞬間最高視聴率が30%を超えた人気であったというのもごもっとも。

同じ俳優さんでも大河ドラマだと大仰な演技が鼻に付くのに、このドラマでは凄い演技をしている。


主人公の大沢たかおの抑えた自然な演技がいいし、準主役の内野聖陽演じる龍馬の土佐弁が自然で泥くさくていい。可愛らしい内野龍馬に拍手!

綾瀬はるかと中谷美紀の二代ヒロインも、入魂の演技で素晴らしいリアリティ。

たびたび出てくる龍馬さんの書状の筆跡に注目して頂きたい。

署名まで実物に似せているのですよ!

原作にはない伏線と展開にも最後は大納得。

龍馬暗殺の推定時刻五つ半(午後9時くらい)に、DVDでも内野龍馬の危機・・・152年前の今この時、龍馬さんは・・・嗚呼、合掌!

思春期の青臭い純真さが蘇ってきた。

ありがとう!「JIN-仁」