新型コロナウイルスに対するワクチンが臨床試験の段階に入りつつあるようですね。これまでに、英国のアストラゼネカ、中国のシノバック、米国のモデルナのワクチンが最終第3段階のテストをおこなっているとか。
このうち、アストラゼネカ社のワクチンの効果について、ブレスリリースが出ました。日本語でも読むことができます。
それによると、このワクチンは「複製できないように処理をした弱毒化されたチンパンジー由来の風邪のアデノウイルスに、SARS-CoV-2ウイルススパイクタンパク質の遺伝物質を含んだもの」だとか。
ウイルスが受容体にとりつくスパイクのタンパク質を組み込んだんですね。やはりそうかと思いました。
で、効果は「ワクチン接種後、表面スパイクタンパク質が産生され、免疫系を刺激して、後で体が感染した場合にSARS-CoV-2ウイルスを攻撃します」とのこと。実際の獲得免疫で抗体がやっていることを実現しようとしているわけです(当然ですが)。
もうひとつの特徴は、このワクチンにより「T細胞反応が誘発され、14日目までにピークに達し、接種の2か月後まで維持されました」という点。これも獲得免疫の重要な働きです。
関連して、次のような説明があります。
「新たなデータでは、T細胞反応が症状の緩和に重要な役割を果たす可能性があることを示唆しています。ウイルスに感染しているが無症状のままである一部の個人は、検出可能な抗体がなくても、強力なT細胞反応を発現しています」。
抗体がなくても、強力なT細胞反応を発現。これも新型コロナウイルスの特徴のひとつなのでしょうか。
情報が増えるとともに、ワクチンの開発が進展しています。早く実用化されますように。
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