大変暖かくなりました。最高気温 20.7℃(隣町アメダス)。
道端のあちこちにタチツボスミレが咲き始めました。
可愛いなあと思いながら、可憐な姿を愛でながら歩いていると、野川沿いの遊歩道の端で盛大に花をつけた株を見つけました。
アスファルトの隙間。あまり条件が良いとも思えないのに、ずいぶんと良く繁ったものです。
スミレ科スミレ属の多年草。
このように花を咲かせて通常の受粉を目指すだけでなく、閉鎖花で確実に自家受粉をしたり、また実をアリに運ばせたりと、多彩な生存戦略を誇っていることで有名です。だからこそ、都会でも田舎でも、また山野でもしっかり生き延びているのでしょう。
菫の俳句は、芭蕉の「山路来てなにやらゆかしすみれ草」や漱石の「菫程な小さき人に生まれたし」が有名ですが、ここではちょっと変わった一首を。
- 菫咲き埴輪の馬に尻の穴
作者は田川飛旅子。代表句は「非常口に緑の男いつも逃げ」になるのかな。
飛旅子は私の伯父です。大学も工業化学科出身なので先輩になります。
日頃から剽軽なところがあるやさしい人でした。奥の細道で有名な山刀伐峠に句碑があるので、ついでがあったとき観に行ったことがあります。
ユーモアのある句も好きですが、私が気になっているのは次の句です。
春立つと剥製屋より太い煙
そうだったんですか。びっくり。
面白くて、立派な伯父さんがいらしたんですね。
ご紹介の句。立春の日の光景なんでしょうが、でも、なんでしょうねえ? 可笑しいような、怖いような。