釋守成の転居物語(旧タイトル・GONTAの東京散歩)

またまた転居を目論んでいます。
5年間で5回の転居。
6回目の転居の経緯を書いていきます。

牡丹

2006年05月05日 01時41分57秒 | 四季の花
前のブログに「桐といえば鳳凰」と書きましたが、今日は「牡丹といえば獅子」という話。

先日、東京でも牡丹の名所の西新井大師を訪れました。
4月の最終週でしたが、まだまだ美しい花々が迎えてくれました。
お寺の境内に五箇所牡丹園があり、赤白桃色黄色ととりどりの牡丹が咲き乱れていました。

お能を少し嗜みましたゴンタといたしましては、牡丹といえば「石橋(しゃっきょう)」を思い起こすものであります。
寂昭法師が清涼山を訪れるところからはじまります。
「唐土に渡り、清涼山に到着した。人が来たらば「橋のいわれ」を尋ねて渡ってみよう。」と述べます。
そこへ樵の少年が現れて、橋を渡ろうとする法師を止め、この橋を渡るのがいかに恐ろしく困難であるかを物語ります。
この橋は幅は1尺(30cm)しかなく、長さは10丈(30m)に及び、橋桁から谷底までは、数千尺もあるそうです。
この橋を今までにも、修行の完成を証明するため高僧たちが渡ろうと試みたのですが、恐ろしくて渡れた人はいないのです。
シテが退場するとアイ(狂言)のこの山の仙人が登場して、物語の説明をすると同時に、仙人は、文殊菩薩に仕える霊獣たる「獅子」が出現する事を予告して退きます。
そして舞台に台と牡丹の作り物が設えられて、獅子の登場なります。

それほど、獅子には牡丹がつきもの、その能「石橋」から派生した歌舞伎の「石橋物」でも必ずといっていいほど牡丹が登場します。
石橋といいって、ピンと来ない方には、長い赤や白の髪の毛ビィユンビィユン振り回す踊りといえばわかるんじゃないでしょうか。

百獣の王の獅子は百花の王の牡丹に戯れるのは至極当然の話。
そしてそこには歌舞伎で登場する胡蝶も乱れ飛ぶのです。

牡丹には獅子が戯れ胡蝶が舞う。
これが日本の常識です。

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