ⅱ 現在の「差別」の実態を調べる -4-
ⅱ-1 就職差別があるか? 3/n
【問題提起1】
被差別主張者(在日朝鮮人)も、その主張に同調・同意する国民も存在しているが、《現在の年平均給与は、在日朝鮮人のほうが、日本人よりも多い》 という事実を考慮すると、《現在の日本に、在日朝鮮人への全体的な就職差別がある》、ということは、簡単には言えないのではないか?
~以上再掲。※なお、以後は、法改正により、これまでの「在日韓国・朝鮮人」という呼称を、「在留韓国・朝鮮人」に変える。~
ⅱ-1-2 民間企業の採用について -2-
⑴ 出発点・・・《民間企業は採りたい者を採る自由・権利がある》と思っているが、どうか?
【前回の要約】
民間企業の経営者(や支配的大株主)は、いろいろな意味で《気に入った者》だけを雇いたいはず。だから、どうしても、応募者をいろいろな観点で「区別・分類」して比べる必要がある。
その場合、「差別事象」が発生する可能性がある。 → 「A社が、在留韓国・朝鮮人に対する差別心をもち、在留韓国・朝鮮人である個人B´が内心で不利益だと思っている、不採用行為をする。」
~以上前回要約~
では、応募者Bが在留韓国・朝鮮人であるという理由だけで、Bを不採用にしてはいけないのか?
結論から先に言えば、法的にはできる。
上記「出発点」の、単純な、”常識的な”考えはどうにか通用する。が、それなりのかなり複雑な条件はある。
※1 「法的にはできる」・・・当然、日本国の主権の及ぶ日本国内でだけ。(この後、くわしく検討・報告する)
・ただし、倫理・道徳的にできるかどうかは、採用者の内心(考え)しだい。日本古来の伝統文化からすれば、その「融和的・共生的性格の優勢」や、「来る者こばまず」 「窮鳥ふところに入らば猟師も殺さず」などの言葉にあらわれているように、「差別行為」はおきにくいと推測できる。が、
① 明治維新以来の日本文化は(≒日本人は)急速に「西洋化」や「西洋との融合」がすすんでいて、その内心はなかなかわかりにくくなっていること、
② 《在留韓国・朝鮮人を雇うことにはなんらかのリスクがともなう、と採用者が判断する》ことに対して、日本人社会からの一定の理解が得られる可能性が高くなっている、
ということを考えると、上記推測の自信はかなりぐらつき、「おきにくかっただろう」と、過去形で言った方がいいのかとも思う。
つまり、昨今の ”危険で、分裂的な、世界や日本の状況” のなかで、さまざまな理由で、「在留韓国・朝鮮人差別行為としての不採用」があっても、なんら不思議ではない、という状況になっているようだ。
※2 「どうにか通用」・・・欧米世界および”国連世界”の「人権思想」の進展により、日本でも、現行憲法の”アクセル”により、「人権思想」が広がりつづけている。 (※時々、疑念をもたれるような使い方もされてはいるが…)
したがって、民間企業の採用の「手続き」についても、かなりの「法的規制」ができている。
⑵ 採用の「手続き」に関する「法的規制」とは?
~つづく~