Noriko-McLane Movie Blog

自分の見た映画の感想を気ままに綴っています。
ネタバレの可能性もあるので、まだ見てない方はご注意下さい。

思い出のマーニー

2014-07-16 | Weblog
思い出のマーニー
 (2014.7.8.)        snoopyと

7月19日に公開の映画。試写会のチケットで一足早く見ることができました。

原作は、イギリス児童文学。なかなかの作品。子供だけでなく、老若男女楽しめる感動作である。ある意味、本当のファンタジー。12歳のマーニーと杏奈が時を超えてつながったのだ。お互いの心が求め合っていたからだと思う。杏奈は親のことで悩み、自分はみじめだと思って悲しんで誰も信じられなくなっていた。一方、マーニーは立派なお屋敷に暮らしていたが、両親はいつも留守でお手伝いさん達にいじめられていた・・・・・・・

これから、映画楽しみにしてる方は、ネタバレになるんでもう見ないで!

杏奈の田舎の家のおじさん、おばさんは解放的な目をもって杏奈を見守っていく。杏奈が遅く帰ってきても起こらないし、友達といざこざがあっても杏奈を責めず、大きく包み込む。・・・・・・心から杏奈を信頼してるからできることなのだろう。この人たち最高!!

杏奈が田舎の家にやって来て、部屋から外の景色を見て心も少しほどけた様子。ここで、鳥〜鴨だったかな〜が画面に・・・この鳥の描き方が気に入らなかった。もっと、美しく、もう少し、リアルっぽく描いてほしかった。
もう一つ、杏奈が朝顔の浴衣を着て石段を駆け下りるところも、杏奈?と疑うほど不細工な顏でいい加減な描き方に思えた。ここは、杏奈が友達にひどいことを言ってしまい落ち込んで泣いてる場面だが、この前のシーンでは、泣いててもそれなりに丁寧に描いてるのにな。

正直言って、〜なんなんでしょう?この映画?少女たちのプラトニックなレズ?・・・と途中思ってきました。でも、お屋敷に新しく人が越して来る辺から展開が面白くなってくる。お屋敷に越してきたメガネの女の子さやか(トンボを女の子にしてぽっちゃりさせたような・・・・)がいいキャラ!この辺からだんだん映画の世界に吸い込まれて行く感じ。

絵描きさんがすべてを語るシーンは、胸が熱くなった。・・・・(そうだったんだぁ!!)
この後、札幌から迎えに来た母のことを いつもは「おばさん」と言ってるのに、「母です。」と人に紹介するところは、感動。

最後、養母が杏奈に自治体か養育費をもらってることを告げ、「しかし、お金をもらってることとあなたへの愛の深さは関係がない。あなたのことは、本当に愛してる!・・・」と、いうようなことを言う場面。養母は、杏奈が自治体からお金をもらって自分が育てられてることで杏奈自身悩んでいることを知ってたのだ。でも、ここで、ファンタジーな世界で金銭的な話が出てくるということが、(お金のことはもちろん大切だが・・・)ちょっとなぁ。

杏奈一人で初めてお屋敷まで行って、満ち潮になり帰れなくなった時にボートで助けてくれた(ハイジのおじいさんのような)無口なおじさんも、すごくいいキャラ。

また、来年の夏も杏奈は田舎のおじさん、おばさんの家に来て、マーニーの思い出のお屋敷でさやかと遊ぶことだろう。しかし、マーニーはもう現れない気がする。12歳の杏奈とマーニーんのひと夏だけの思い出!

この映画、点数を付けるとしたら89点




ノア 約束の舟

2014-07-05 | Weblog
 ノア 約束の舟        2014.6.18.
    'Noah'  
 旧約聖書の創世記にある「ノアの箱舟」のお話。初めてのその映画化である。スケールの大きい映画だし、是非見たいと思った。キャストがすごい。ノアは、ラッセル・クロウ、妻のナーマは、ジェニファー・コネリー(この二人は、「ビューティフルマインド」でも夫婦として出演していました。)ノアの父、ショーン・コネリー(いい味を醸し出していた。この映画で大きな存在)養女のイラは、エマワトソン(ハリポタのハーさんも綺麗になってきました〜)

 期待し過ぎていたせいか、ちょっとがっかりした面もありました。映画になのか、ノアになのか、宗教というものになのか・・・・・・・

  ノアと妻ナーマが、息子たちと逃げているとき、戦いで傷つき置き去りにされている幼い女の子を見つける。この女の子を一緒に連れていくことは、自分たちにとってより危険なことだが、迷うことなくノアはこの子を抱っこして家族とともに逃げていく。この女の子イラは、彼らに養女として大切に育てられることになる。この始めの辺では、ノアは妻を愛し、家族を支える立派な男ですこういう人が神の声を聴くんだなぁ!と思ってました

  やがて、神の言葉の通りに箱舟を作り始める。ノアが、箱舟をつくると決めた時に何もないところに木々が生え、箱舟作りに打って付けの場所となる まるで、漫画!でも、モーゼの十戒でも海が割れてモーゼたちはそこを通って行くことができました。このようなことも本当に起こったのかも

  長い年月を経て舟は出来上がり、動物が乗り込みにやってくるこの時、蛇の大群がやってくるシーン、ギョ〜!!(まぁ、短いシーンだったしいいけど・・・)

  息子たちは大人になり、養女のイラも美しく成長する。長男のセムとイラは愛し合うようになる・・・・・一方、次男のハムは、「父と母、セムとイラ、それぞれカップルなのに自分だけに相手がいない・・・」ということに悩み始める。
箱舟が出る前にハムは、父とも意見が合わずにどこかへ行ってしまう。ハムの寂しさが分かるのか、イラがハムを追う。イラも自分が小さい頃戦いで傷つき、命は助かったが子供を産めない体になってしまったことを知っていた。だから、箱舟に乗ってセムを一緒に行くのをやめようと決心していた。セムには、子孫を残せる人と結婚してほしいと思ったのだ。

  イラは、ハムを捜すが会えないままに森に迷い込む。ここで、会うのがノアのお父さんです。アンソニー・ホプキンス適役!!!二人は、いろんなことを語り合って、最後にノアのお父さんが、「私の家族とこんなに長い間一緒にいたのだから、家族同然。祝福してあげよう!」と言う。そして、ちょっとイラのお腹の辺に触れる・・・・・この時に、すぐにイラは妊娠できる体になったんだ!と思いました。この場面が、この映画の中で一番感動した場面でした イラ自身は、わかっていたのかな?この後、捜しに来たセムに会い、イラの方から求めて愛し合う。だから、イラも自分の体の変化に気づいてたけど、信じられなかったのかもしれない。まぁ、実際妊娠してみないとわからないしね。

  ハムは、町に行き戦いの場に出くわす 死体置き場なのかゴミ捨て場なのかわからないひどい場所に一人の少女を見つける。この子と意気投合して二人で箱舟まで走り続ける。しかし、途中で少女の足が罠にかかり、どうしてもはずれないちょうど、捜しに来たノアに会うのだが、その時に戦いの兵の大群が馬でやってくる。早く逃げないと・・・・ハムは、「父さん、彼女を助けて!」というけど、ノアは少女を見捨ててを無理やりハムを連れて箱舟へ
まぁ、ここで、少女を助けようとしていたら3人とも死んでいたかも。でも、イラを助けたときも足手まといになるかもしれないとわかってたけど、助けた。なんか、ノアは、変わってしまったと思った。ハムが、ノアを嫌いになる気持ちよくわかる!

  箱舟は、ノアとナーマ、息子たち、イラを乗せて出発する。洪水が来て、泣き叫ぶ人たち。その声が聞こえる。ナーマは、「あの人たちも乗せて上げて!!」とノアに言うが、それは無理。もう、神様は人間にはがっかりして動物だけの世界を作れということなんだって〜

  舟の中で、イラは妊娠してたことがわかります。「女の子だったら殺す!」と、ノアは言う。恐ろしい怖い 神の言葉によって、人間は滅びなくてはならないからだって。そもそも、イラは妊娠しないと思ってたからノアは舟に乗せたのだ。なんか嫌になってくる。ほんまに神の声ですか?まるで新興宗教。気が狂ってるのかと思えてくる。

 イラは、もちろん、ナーマもノアに生まれてくる子供は殺すことはやめて!!と訴える。もう、どうしていいかわからない (そういえば、「ビューティフルマインド」で、ラッセル・クロウが、幻覚を見てお風呂に子供を沈めるシーンがありました。ジェニファー・コネリーは、いつも大変な役! )
結局、子供は女の子の双子だったんだけど、・・・・・もう、剣で殺そうというときに、ノアの手が動かず・・・・・ノアも生まれたばかりの自分の孫を見て殺すことできなかったのです。まぁ、よかったです。(こっちもひやひやでした。)

 宿敵のトベル・カインが舟に潜り込み、父を嫌っているハムをそそのかして自分の味方につけ、ハムがノアをおびき寄せトベルがノアを殺そうとする。しかし、父ノアがもう駄目かという時、息子は剣でトベルを突き殺す。このトベルという奴ここまで本当に嫌な奴。でも、死ね前に吐いた言葉がハムに向かって「これで男になったな。」・・・・・トベル、やるなぁ!と思いました。私は、「裏切り者」とか言って死ぬのかと思ってました。(失礼いたしました、トベルさん!) トベルもハムの一人前の男になりたい気持ちわかってたんですね。

 岩の怪獣みたいなのが出てきて、神様の言うことを聞かなかったからこのような姿になったと言ってましたが、最後光になって神のそばに行くところ印象的でした。

 ラッセル・クロウのノアは、髪型とか色々変わって年ととっていく感じを出そうとしてることがわかったけど、ジェニファー・コネリーは、最初からあんまり変わらない気がしました。自然の中でずっと美しく生きてる感じがしました。(大変なだんな様、お疲れ様でございました。)

 しかし、神の思し召しも聞くのたいへんや!と思いました。ノアが神に伝えられたことをしようとしていたなら、神自身もめちゃくちゃなところありますね。でも、ノアが、神様の人間に対する怒りの強さから自分で人間はすべて滅びるべきだと思ったのかもしれない。そして、一度は、孫をも殺そうとして、回り道をして最終的には自分たちも生きていこうとする道にたどり着くわけです。最後は、自分で考え判断しなければならない!というメッセージがこの「ノアの箱舟」にはあるのかもしれません。

 自然破壊だけじゃなくて、神様によって形作られた人間を自ら滅ぼそうとするような行いをも遂行する今の世。神様の審判はどのように下るのでしょうか。

監督、脚本は、ダーレン・アロノフスキー。ブラックスワンの監督。彼自身ロシア系ユダヤ人の家庭に生まれている。自分たちこそ選ばれた民であるという思想がこの映画の中にも出てるかもしれない。

この映画点数を付けるとしたら85点



華麗なるギャツビー

2013-09-15 | Weblog
華麗なるギャツビー
 'The Great Gatsby' 2013.7.25. (浴衣美人さんと)

原作は、F・スコット・フィッツェランドの「グレート ギャツビー」。この作品で映画化されるのは5度目。

私自身は、原作や過去の作品については何も知らずにディカプリオが出て来るゴージャスな映画なんだろうと思ってシアターへ。確かにギャツビーの家、そこでのパーティーなど・・・派手なシーン満載なのだが、最終的にギャツビーの思いは叶わず悲しい結末となる物語。何と言っても、ギャツビーが(こんな男ホンマにいるか?と思うくらい)女にたいして純粋といか単純というか,,,,,,,

戦争の前にギャツビーとディジーは恋人同士だったが、兵士となったギャツビーからの連絡も来ないままにディジーは親の勧めでトムと結婚することに。結婚式の前の日になんとギャツビーからの手紙が届く。戦争からもどってきたが、一旗挙げてから迎えに行く。」と、言うような内容だった。ディジーは待っていたかったが、周りがそれを許さずトムと結婚。
・・・・・・・ギャツビーはどんなにみすぼらしい格好でも一度ディジーに会いに来るべきだったのでは・・・・でも、そうしてたら、彼らの恋はここで終わってたかなぁ?

ディジーは、子供もできてトムとの豊かな生活にある意味満足してるのだが・・・・・でも、トムには、不倫の相手がいることをディジーも気づいていたかも。
そんな頃、近くの屋敷で頻繁に催される派手なパーティー。実はその屋敷の主はギャツビーで、ディジーの気を引くために・・・・彼女に会うためにだけこのパーティーを開催してたという訳。その後、ギャツビーとディジーはもちろん又恋仲となる。もう、パーティーは行われなくなって、広い屋敷でギャツビーとディジーだけが愛し合っている。

このままの密かなおつきあいでギャツビーが満足していればよかったのに~
・・・・・この時はディジーもギャツビーがこんなに自分のことを愛していてくれたなんて~大満足!!!(確かに昔の恋人に会えたことはうれしい!でも、トムへも不満をここで解消しようとしていたのかも?)

ギャツビーが、トムに「ディジーが愛したのは自分だけだ!」と言うシーンがあるけど、これは変。ディジーは、トムのことを結構好きだったのではないかな?夫として好きというのは、束縛もしたいし、豊かな生活も彼に求めるし・・・・・
後半、ギャツビーとディジーの乗ってる車が飛び出してきた女の人をはね殺す場面がある。この時運転してるのはディジーだし、殺されたのはトムの不倫の相手の女。もしかしたら、イライラした気持からトムに対しての嫉妬心がこの一瞬に爆発したんじゃないかな。
・・・・・・女の嫉妬、怖い怖い・・・・・・

そして、ギャツビーはこのひき殺された女の人の夫に殺されてしまう。自分の妻がディジーにではなくてギャツビーにひき殺されたと思い込んでたのだ。

この映画を思い返す時、派手なシーンよりもギャツビーの孤独なシーンが浮かんでくる。最後にプールでギャツビーが殺される前に電話を待ってるところ、・・・トムに学歴のことを言われて切れたように怒鳴り散らすシーン、・・・そして、ディジーが屋敷に来て逢引を重ねている頃。

この映画は、たった一人の真の友人と言えるニック(トビー・マクワイア)が、ギャツビーを見守っているというスタイルで描写されている。ニック役のトビー・マクワイアがすごくいい。(スパイダーマンからだいぶ大人になったのか?)この映画の中でニックだけが、友情、人の心を大切にして、常識を持っている人である。
映画の中の語りもニックで、その落ち着いた口調がよかった。

ディカプリオのギャツビー、女とっかえひっかえの役かと思ってたら、こんなお話でびっくりしました。
ディカプリオ、フィリップ・シーモアーに似てきた(?)

ディジー役は、キャリー・マリガン。この映画の中では、綺麗ではあったが髪型などちょっと子供っぽい感じがした。

なかなか面白い映画でした。


点数を付けるとしたら80点

風立ちぬ

2013-09-01 | Weblog
「風立ちぬ」  (2013.8.30. サンショウウオさん、黒真珠さんと)

この映画は、堀辰夫の恋愛小説「風立ちぬ」と零戦開発者の堀越次郎さんの若き人生とがミックスされた作品となっている。細かいことを言えば、・・・・・・「風立ちぬ」の主人公の恋人の名は「節子」。しかし、この作品では「菜穂子」となっている。実は、堀辰夫の後の作品に「菜穂子」という別の小説があり、主人公の菜穂子は堀の作品の中で結核で入院していたサナトリウムから抜け出して夫に会いに東京に出て来る場面がある。そういう意味では、この映画は、堀辰夫の「菜穂子」の影響も受けている。

映画では、菜穂子はまだ15歳か16歳(?)くらいのときに列車の2等車に乗っていて、隣の3等車にいた次郎の帽子が風で飛んでしまったのを掴む。これが、菜穂子と次郎の出会いである。その直後に彼らはこの列車で関東大震災を経験する。菜穂子と一緒にいたお手伝いさんのお絹が足を痛め次郎は彼女をおんぶして菜穂子の家まで送る。

しかし、ここでは、次郎は名前を明かすこともなく行ってしまう。
その後何年もたって軽井沢で再会したときも、最初は「では、これで!」と、次郎は行ってしまう。男の文化?当時の文化としてこういうのが粋!というのは確かにあると思うが・・・・・

関東大震災の描写は、ジブリのアニメらしいと思った。火事になると炎が恐ろしい声を出して吠えていた。子供が見たら怖がるシーンかもしれない。「ポニョ」とは全然違って、子供には理解困難な映画だったけど~

主役の次郎役の声優さん、めっちゃ棒読みだった。このことによって、あっさりした映画に思えた。たとえば、次郎の少年のころからの夢であった飛行機の設計。いよいよ会社(三菱内燃機株式会社)に入れることが決まり、その初日上司の黒川にいろいろ言われる。ここのところの次郎の返事が全くの棒読み。「はい」だけでも、もうちょっと感情こめて!と言いたくなるほど・・・

主人公の次郎は、丸メガネの線の細いタイプ。実際に堀辰夫も堀越次郎さんもこのような丸メガネをかけている。

背景の景色がとても美しくて見とれてしまうような場面があった・・・かと思うと、いい加減な描き方!こんなのでいいの?と思う背景もあったし、又写真のような背景もあった。

話の内容が急に飛んでしまう場面がいくつかあったように思う。たとえば、次郎が会社からの派遣でドイツに行って、帰り一人だけ西回りで帰り世界を見て来いと言われる。次郎が汽車に乗ってるシーン・・・・次がもう日本のシーンになってた。ここでは、観客は、「これは、もう日本なんやなぁ?」一瞬考えると思う。

軽井沢での再会で、付き合うことを菜穂子の父に承諾してもらって次郎と菜穂子。
菜穂子は、次郎のためにも結核を治して元気になりたいと思って、一人遠くのサナトリウムに入る。

ある日、次郎からの手紙をサナトリウムで受け取った菜穂子は、次郎にどうしても会いたくなって東京にもどってくる。そして、次郎の暮らしている黒川(会社の上司)の家の離れで一緒に暮らすことになる。黒川の勧めもあり、次郎と菜穂子も是非結婚したいと望み、黒川と奥さんにのお陰でこの場ですぐに祝言を挙げる。
この結婚式の菜穂子は子供っぽくてピンとこなかった。それに比べて黒川の奥さんは、テキパキしていてすごく素敵にみえた。それに、黒川がチビ短足頭でっかちなのに、奥さんはそれなりに綺麗!!

結婚しても、菜穂子は結核だからずっと寝てなければならない。夫の次郎は飛行機の制作で毎日忙しいが、菜穂子にはとても優しい。また、黒川の奥さんも次郎の妹のカヨも菜穂子を温かく見守っている。

零戦のテスト飛行のために次郎が2,3日帰れないと言った次の日、菜穂子は珍しく「気分がいいので散歩に行ってきます。」と、黒川の奥さんに言い残して出ていく。
しばらくして、菜穂子はサナトリウムにそっともどっていったことがわかる。
次郎の妹は連れ戻そうとするが、黒川の奥さんはそれを止めて、「一番綺麗なところを好きな人に人に見てもらったのね。」と言う。この言葉はすごくいい!菜穂子の、~自分がそばにいても迷惑をかけるだけ!ここにいるよりもサナトリウムにもどって、まず元気になろう!~という気持ちが黒川の奥さんの言葉でグッと引き立ってくる。

最後のシーン。イタリアの著名な航空機設計者であるジャン・カプローニ伯爵登場。次郎と話している。彼は、夢の中で幾度も次郎に希望やアドバイスを与えてきた。次郎は、ジャン・カプローニに自分の設計した零戦が一機も帰ってこなかったと告げる。そして、菜穂子も「あなたは元気に生きて・・・」と、言って行ってしまう。

最後の部分の次郎の受け答えも淡々と棒読みで、まぁ、かえってそれがよかったのかもしれないけど・・・・・・
最後は、菜穂子が死ぬから完結するし、菜穂子自身も美しいまま次郎の心に残るのだろうと思った。特攻隊が乗った零戦を作ったという悲しさがやんわり伝わって来る。

実際には、堀越次郎さんは、戦争が終わって大旅客機の制作もしている。

この映画では、タバコを吸うシーンが多々出て来る。これは、時代背景を考えても当然のことだ。でも、次郎と同期の本庄がいつも次郎に「タバコないか?」と聞くけど、こういうのはよくないと思う。次郎の「これが最後のだったんだ。もうないよ。}と、言うとシケモクをする。(灰皿から吸いカスのタバコに又火を付けて吸うこと。)最低!

でも、次郎が自分の新しいアイディアを本庄の飛行機に使うように持ってきた時に、本庄は、「今は使わない。次郎がそのアイディアを自分の飛行機に使った後で使わせてもらうよ。」と言う。ここのところ、なかなかの奴!

今までのジブリの作品と違って人の半生という長い時間を映画にしているので、少しはしょられたりしてわかりにくい部分もあった。宮崎駿さんが飛行機好きなのはわかるけど、菜穂子は飛行機の世界には全く関係ない気がして、堀辰夫の世界と堀越次郎さんの世界が完全にミックスされてない気もした。

点数を付けるとしたら 67点
 
  

かもめ食堂

2013-03-18 | Weblog
かもめ食堂

2006年公開。もう、誰でも知ってるお馴染み映画。この時からずーっと見ようと思ってた映画。やっとDVDでみました。

食堂の近くの自然の風景などにも癒される映画かと勝手に想像していましたが、そういうのはありませんでした。女性3人がこの「かもめ食堂」に来て癒される~という映画かな。のんびり見られる映画でした。

主人公サチエは、小林聡美。飾り気がなく、センスがいい彼女の雰囲気がフィンランドでたった一人で「かもめ食堂」を営むサチエの姿にぴったり当てはまっていました。
この食堂に毎日やってくる日本大好きの青年、・・・・ひょんなことで、その青年の質問から知り合ったミドリ(片桐はいり)が、この食堂で働くことに・・・・

夜に、サチエが腰を低くして部屋を歩いている。何かのトレーニングか?ミドリが尋ねると、合気道をやってる時に習ったトレーニングだとか。なかなか体力要りそうでした。それをミドリが真似しようとしても全くできないところ・・・思わず笑ってしまいました。

そして、マサコ(もたいまさこ)は両親を介護の末見送って、少しのんびりしようとここフィンランドにやってきたのですが、飛行機に搭乗する前に預けた荷物が行方不明となり、航空会社がその荷物を見つけてくれるまで「かもめ食堂」を手伝うことになります。

マサコのキャラも独特でなかなかいいです。かもめ食堂にやってきたフィンランド人の客が酒を飲みすぎて倒れてしまい、家まで送り届けるシーン。この時、フィンランド語を全く話せないマサコが、この客のフィンランド語を身振りや心で(?)理解して悩みを聞いて上げる。これは、マサコだからこそできたことでしょう。

彼女らをかもめ食堂に招き働いてもらったことで、かもめ食堂にはたくさんの客が来るようになり繁盛します。
かもめ食堂に毎日やってくる日本大好きのファインランド青年には、最初に来てくれたお客様だからということで、いつもコーヒー無料。(太っ腹!)マサコやミドリや客たちにもいつも心を込めて接している・・・・・
このようなサチエの優しいおおらかな心がお店をここまで盛り上げたのかな。彼女が自分の夢(かもめ食堂が満席になること)が叶ったことをプールで喜んでるシーン印象的でした。

点数をつけるとしたら75点

レ・ミゼラブル

2013-01-07 | Weblog
レ・ミゼラブル
Les Miserables

  (2013・1・2 百条シネマにて)

ミュージカルで楽しめる作品。しかし、歌で何回も同じこと・・・っちょっと退屈!という場面も正直ありました。それで、皆真面目に見てるのかなぁ?と思って客席の方見てみたら皆スクリーンに注目!先日行った「大奥」とは、エライ違いでした。(「大奥」では、寝ていた人もいたのに・・・)

ジャンバルジャンの銀の燭台の話は、誰でも知っていますが、この続きはこういうふうになってたのですね。ジャンバルジャンのヒュー・ジャックマン、彼をずっと追い続ける警察官のジャベール(ラッセル・クロウ)、ファンティーヌ(アン・ハサウェイ)皆歌が上手い!!特にコゼット役のアマンダ・サイフリッドは、この役にぴったりの美しい声でした。

ヘレナ・ボナム=カーター演じるマダム・テナルディエは、2008年に見た「スウィニー・トッド フリート 街の悪魔の理髪店」を思い出させました。テナルディエのお店のミンチも悪魔の理髪店の地下で作ってるミンチも何が入ってるんだかぁ?あ~怖い怖い!!また、しばらくミンチのお料理は食べられないかも。
ヘレナ・ボナム=カーター、すごくよかったです。こういうスゴイ女優さんが出てくると、映画にまた違った面白みが加わると思います。

さて、ジャンバルジャンは、銀の燭台の一件の8年後、仮釈放の身分証明書は捨て去り、名前をマドレーヌと変えて市長として、そして工場長として生きています。この、銀の燭台の一件で今までの自分を大反省!そして8年後は立派に!!・・・・・・というところが、キリスト教色強いですね。しかし、偶然にそこの配属になりやってきたジャベールが市長がジャンバルジャンではないかと気づくのです。

ここのところ、ジャンバルジャンが車の下敷きになった男を助けようとすごい力で車を持ち上げたときに、ジャベールは投獄中のジャンバルジャンのことを思いだし、彼は仮釈放んもはずなのに・・・・・と思うのです。スクリーン見てても、「あああ・・・」って、声が出そうだった。でも、ジャンバルジャン(マドレーヌ市長)は、たとえ、このことで、ジャンバルジャンだってわかっても車の下敷きになって人を助けようとしたのでしょう。

しかし、市長は、自分の知らない間に工場を辞めさせられたために娼婦となってでも病気の子供を育てようとしているファンテーヌを知り、彼女が病院で死ぬ時に彼女の娘のコゼットのことを頼むと言い残されるのです。それで、市長は、自分がジャンバルジャンだとバレてしまっているのでコゼットを大切に育てながら、逃げ隠れて生きていくのです。ジャンバルジャンは、コゼットを育てることで、本当の愛を知っていくというお話なのでしょう。

ファンテーヌが工場を辞めさせられて、髪の毛を売る時、その切られ方がすごいと思った。日本なら、おかっぱになるように真っ直ぐに切ると思うのですが・・・フランスでは、全部の毛を短く切ってしまうんですね。その方が、長い髪の毛がたくさんとれるし、合理的ではあるが・・・・この後、歯も抜かれて、娼婦となってしまうファンテーヌ、本当にかわいそう!

映画の中で特に印象的だったのは、ジャベール(ラッセル・クロウ)が自殺するシーン。ジャベールは、革命を志す青年達によって捕まった時にジャンバルジャンに助けてもらう。それでも、ジャベールはジャンバルジャンを捕まえることこそが自分の使命だと考える。しかし、ジャベール自身、そのことが正しいことではないと気づきもう自分は生きる意味がないと思ったのだろう。ジャベールはすごく真面目な人だったんだろうと思う。

原作は、フランスの作家ビクトル・ユゴーの長編小説。なかなかの正統派映画でした。

点数を付けるとしたら 79点

大奥~永遠~右衛門佐・綱吉篇

2012-12-28 | Weblog
大奥~永遠~[右座衛門・綱吉篇]

  2012・12・26 (百条シネマにて 万太郎と)

TVの「大奥~誕生(有功・家光篇)の続きという設定になっていることは言うまでもありません。3代将軍家光の亡きあと、玉栄(KAT-TUN 田中でしたね)は、娘の綱吉を連れて城を出ます。玉栄は、自分の娘が将軍になれなかったことをとても悔しがってた。でも、見てるこちら側は、5代将軍になれるやん!綱吉が5代将軍になるところからが映画なんやぁってわかってましたけど・・・・・

この映画、TVドラマ見てたほうが細かいところまでわかって面白いです。
たとえば、綱吉の娘、松姫が亡くなり、お世継ぎが必要となるが、なかなか子供ができない。そこで、将軍の父である桂昌院(西田敏行)(玉栄が桂昌院となった。)が隆光(堺正章)に相談に行くと「昔、殺生をしたことがないか?」と言われる。ここのところ、ドラマで玉栄が有功の猫を殺したことや~とすぐわかった。(映画の中でも、きっちりドラマの再現フィルムありましたが・・・)ドラマを見てて玉栄が猫を殺したことを有功なら気づきそうなものなのになぁと思ってました。ここでは有功のことを妬ましく思ってるものがやったんだろうというように片付けられて不思議に思ってたけど、映画でこのように使う予定だったんだ。

それで、「生類憐みの令」ができたというわけ


さて、2年前の大奥~水野・吉宗篇
ドラマ大奥~誕生(有功・家光篇)
そしてこの映画大奥~永遠~[右座衛門・綱吉篇]

どの将軍様がよかったか?

2年前 吉宗・柴咲コウ  水野・二宮和也
ドラマ 家光・多部未華子 有功・堺雅人
映画  綱吉・菅野美穂  右座衛門・堺雅人

    
2年前に「大奥」が映画上映された時全然興味がなくて、大奥で男と女が入れ替わるって変な映画やなぁ!と思ってました。でも、偶然最近見たら面白い!!原作が漫画というだけあって、ストーリーも漫画みたい。

若い男だけがかかる赤面疱瘡(あかづらほうそう)が蔓延して、若い男が少なくなり、後継は女に~。8代将軍も女。水野(二宮)は、大奥に入ってトントン拍子で将軍の最初のお相手をすることに。見ていてもどうして水野が、こう上手くいくのか不思議だった。それは、将軍が処女であるときに初めてのお相手をした者は将軍を傷つけたということで死刑となるのだ。水野は、大奥の決まりを知らずに大奥の上の者にハメられたのだ。

でも、吉宗の柴咲コウと水野の二宮では、柴咲コウが貫禄あって、二宮は華奢~な感じ。寝屋で、吉宗に「死刑となることは済まないが、規則なんだ。どうすることもできない。」と、謝られる水野。偶然、吉宗の女としての名前が「おのぶ」!!水野の好きだった人と同じ名前だった。「抱くときにおのぶと呼ばせて欲しい!」これが、水野の将軍吉宗にたいするたった一つの願いだった。

吉宗の立場からすれば、これは嫌なことではないのかなぁ
初めて抱かれる男が自分の名前を呼ぶときに他の本当に好きな女のことを思って呼んでいるというのは・・・・・・そこは、貫禄ある将軍さまだから気にしてないんでしょうか???

水野が処刑されるというときに、吉宗が来て、「水野は死んだ。別の名前、別の身分となって生きろ。」と言う。

このことで、水野はおのぶとも再会できてハッピーエンド!

軽い映画でした。


    
ドラマ「大奥~誕生」

多部未華子の家光、・・・・・・赤面疱瘡で3代将軍家光が亡くなった後、家光の隠し子であった彼女がお世継ぎを生むためにやり城に連れてこられた。最初は、髪の毛を短く切られて男の格好をさせられる。この頃は、もう手のつけられないじゃじゃ馬です。

有功と最初会ったときは、家光は有功を殴り蹴る。家光は、大奥の自分のお相手をする男達には女の名であだ名を付けたり・・・・・全然可愛くもないし・・・

それが、有功に恋をしてからだんだん変わっていく。面白い!

プライベートでは、美しい打掛をはおり女の格好をするようになる。そのうちに女が後継になっての良いことが正式に決まって、今まで女でも男として生きてきた者たちも堂々と女として生きていけるようになる。

家光は、政にも初めは陰ながら、そして後には堂々と参加するし、お忍びで街にも出かけて実際の街の様子も知ろうとする。積極的

有功とは、子供ができないので、男女の関係は絶たなければならないが、最後に家光が死ぬ時に「有功のことはずっと思っていた。体の関係がなくなったから余計に・・・」と言ったところはとても印象的だった。

家光の多部未華子が、始めのうちはトゲトゲしい表情であるのが、だんだんと優しい表情をする場面が増えてくる しかし、政のこととなると又目がつり上がり誰にも文句は言わせないぞ!というような冷静というよりも感情的な顔になる。この演技、表情なかなかよかったです

3人の将軍の中で多部未華子演じる家光だけが、生まれながらの将軍ではなくて、いろんな苦労があり、バイタリティーにも満ち溢れていたように思います。また、ドラマで映画とは違って時間をかけて描写されているのでこちらに伝わってくる感動も大きいのだろう


    
大奥~永遠

将軍綱吉(菅野美穂)の父桂昌院(西田敏行)は、ドラマの有功の弟子の玉栄である。
この桂昌院がどうしても綱吉にお世継ぎを生んで欲しい~と願うところから綱吉の悲劇は始まってると思う。

松姫亡き後、もう綱吉も若くはないのに・・・・政からもてを引いてお世継ぎ作りに専念せよと言われてもねぇ

右座衛門(堺雅人)に「そんなお父上はお捨てなさい。」と、言われます。これは、正解だ。
桂昌院の考えは、綱吉の子が将軍にならなければ、お夏(ドラマの大奥での家光の第3子の父親)の子が将軍となってしまう・・・それは、困る!!というだけのもの。
しかし、綱吉は、自分を大切にしてくれた父を捨てることはできないと言う。
(綱吉は、生まれながら将軍の子だからか、家光に比べたら情けない 
 まぁ、お世継ぎということがそれだけ大切だったのかもしれないけど・・・)

街から気に入った男を選ぶということで、舞踊や力比べなどが城で行われている。この時に選ばれた男に綱吉は寝屋で命を狙われる。この男の許嫁は、皆の見てる前で犬に咬み殺されたというのだ。綱吉が男をはべらすために多額の金を使い民衆が困ってること・・・・・・・もう、ありとあらゆる綱吉にたいする恨みを口にした。
右座衛門が止めようとするが、綱吉は最後まで話を聞きそのとおりだと思う。

このあとで、初めて右座衛門は、「初めて会った時から上様に恋をしておりました。」と言って、綱吉を抱くわけです。

ここで、右座衛門が「好きや」と関西弁で言うのが印象的。
でも、右座衛門は、大奥総取締で将軍の寝屋の番もずっとしてるんですからねぇ。そういう男が将軍を本当に好きだと思って抱こうと思うのか疑問である。

綱吉は、受身な人生。ここで、やっと父の考えに従うのをやめて次の将軍はお夏の子の綱豊とすることを決めるのです。

しかし、結ばれた右座衛門は亡くなってしまった・・・・・・
やっと、お世継ぎのためだけの男たちとの関係は終わり、右座衛門と結ばれたというのに。

「大奥~永遠」死こそが永遠なのか???


一位・・・ 家光(多部未華子)
二位・・・ 吉宗(柴咲コウ)
三位・・・ 綱吉(菅野美穂)

バッドティーチャー

2012-11-06 | Weblog
Bad Teacher(DVDで)

    2011年アメリカ映画、2012年5月日本で公開

キャメロン・ディアス主演のお笑い映画。面白い!
「メアリーに首ったけ」や「普通じゃない」を思い出させる楽しさとめちゃくちゃさがある。あの頃のあどけなさの残るキャメロンが大人になって「Bad Teacher」になったのかなと思わせる感じ。

エリザベス(キャメロン)は、やる気なしの高校の教師。一度は、結婚のための退職するが、金目当ての結婚だと相手に気づかれて破断となってしまい、又学校に戻ってる。

超やる気なしのエリザベス。生徒には、授業中ずっとビディオを見せておくし、体育館で体育の教師と、マリファナ吸ってたり・・・・とにかくめちゃくちゃ!!
エリザベスが考えてるのは、金持ちと結婚することだけ。
新しくやってきた教師スコット(ジャスティン・ティンバーレイク)が時計の有名な会社の息子と知って、エルザべスは何とかものにしようとする。

エリザベスは、スコットを振り向かっせるためにも胸の豊胸手術をしたいと思っている。そのためには、大金が必要。
それで・・・・・
クラブの費用などの捻出するために生徒が行っている休日の洗車キャンペーン。これを進んでエリザベスはやりだした。丈の短いショートパンツで、車のボンネットを体を擦りつけて洗ってるキャメロンはセクシー。これは、ファンの男の子大喜びのシーンだろう。
この洗車キャンペーンでは、エリザベスががんばったので、いつもの何倍もの収益が。しかし、エリザベスが横領していた分があることも確かのよう。

キャメロンは、このバッドティーチャーの映画の中でとても美しく可愛くお色気もあるのだが、この人、時々もっと年が上のように見える瞬間がある。この映画でも、首にすごくシワがあるように写ってるシーンがあった。

スコットは、別の先生と上手くいくのだが、合宿にその先生が来なかったので、エリザベスがスコットの部屋へ行くシーン。お笑い?このスコット役のジャスティン・ティンバーレイは、キャメロンの元カレ。それが、この役だから余計に笑ってしまします。

このめちゃくちゃな金金・・・・それ以外興味ない先生の役をキャメロンは、明るく、可愛く演じているところがいい。

最終的には、キャメロンのことずっと好きだった体育教師とつきあうことになり、もう胸の豊胸手術はしなくていいということになる。
最後、キャメロンが生活指導室の入っていくところが、又傑作。このような先生が生徒さんの生活指導できるのでしょうか?それとも、少し情勢が変わってエリザベスもちょっとはまともな先生になられたわけでしょうか?

笑ってしまう映画です。
点数を付けるとしたら87点




2012-09-30 | Weblog
「岳」(2012.9.12.日曜洋画劇場)

原作は漫画「岳-みんなの山-」(石塚 真一)ビック・コミック・オリジナル

原作が漫画と言われて納得。お気軽に見られるなかなかいい映画です。三歩(小栗旬)の性格がすごくいい。本当に山馬鹿と言われるにふさわしい人物。山も事を知り尽くしたエキスパート。小栗旬が黒い髪の毛で前髪下ろして、いかにも山のことだけ考えてる青年の役ピッタリでした。

彼は、言ってみればバランティアの山岳救助隊。でも、一番活動しているのは三歩と言っても過言でない。

主役は、三歩だが、新人の救助隊員の久美(長澤まさみ)が、真の救助隊員に育っていく様子を描いた作品とも言える。

久美は、休日に山に一人で行き遭難者を助けようとするが、この遭難者は久美の背中で死んでしまう。三歩が駆けつけてくれて我に返った久美だったが、・・・・ヘリが行けないようなところでは、死体は投げ落とす~ということに又ショックを受ける久美。
その横で三歩は死体の顔が傷つかないようにして、頭にはヘルメットをかぶせて、合掌をした後 山から落とした。

久美は、山の死は酷いもの・・・皆それをいい加減に考えすぎているのでは・・・と思い悩む。しかし、三歩が初めて背負ったのは親友の遺体だったこと。この北アルプスで育った三歩と彼の親友は、世界の山々を登り歩き、その日は大絶壁に挑戦。そして、親友はまっさかさまに落ち、岩に叩きつけられた。三歩は、彼の死体を麓まで背負って二日間歩き続けたのだ。このことを知り、久美の思いは変わっていく。

実は、久美の父も山岳救助隊でここ北アルプスで18年前に亡くなっていた。その父のことを久美は三歩に話す。
「すんごいお父さんだね。でも、お父さんは一つだけ間違えたことがある。山に捨てちゃいけないものは?」ここで、三歩は前から久美に出していたクイズの答えをやっと教えてくれる。答えは、「ゴミともう一つ命!」
ここで、なんかいい雰囲気なんだけど、三歩はマイペースで久美に「これ上げる。山には、これ巻いて行ってね。もし、遭難しても見つけやすいから。」と赤いマフラー巻いて上げるが、「これ、落し物でしょ?」と、久美は、少し困ってる。この辺のところ、三歩のいかにも山馬鹿という感じが出てて、すごくいい。


急に天候が悪化して、それぞれの隊員が救助に向かう中、久美は山小屋で登山者の下山案内を命じられる。今までなら、自分も救助に行くを言い張る久美だが、命令通り山小屋の食堂で待機してスパゲティーの大盛りを食べている。

その後で又すごいブリザードが・・・・もうすべての隊員が出払った今、ヘリに乗って山頂近くにいる梶さん親子を助けられるのは、待機している久美だけ。久美は、ヘリに乗って親子を助けに行く。ブリザードの中ヘリがピック・アップしてくれる場所は限られているので、久美は親子をその場所まで歩かせなくてはならない。娘は「もう動けない。」という中、久美はもの娘を殴ってまで歩かせ、やっとピック・アップしてもらえる地点へたどり着く。しかし、後、数分で捜索を打ち切ると言われてしまう。ヘリが来てくれなかったら・・・・・・久美は二人の背中をさすり、ヘリが来ることをひたすら願っていた。やっと、嵐の中ヘリがきてくれる。娘をへりに上げて、久美はまた下へ。次は、梶さんを・・・と、思ったときにへりの操縦ベテランの牧(渡部篤郎)が「もうこれ以上は危ない。もどるぞ。椎名(久美)を引き上げろ。」と・・・・・・・・・・・・これでは、梶さんを見殺しにするということ。でも、牧、ヘリの助手、久美、梶さんの娘の4人の命のためには仕方ないのか・・・・・

「お父さーん!」と、ヘリの上から泣きながら叫んでいる娘の声が自分の父のことと重なり、なんと久美はナイフでヘリから自分がぶら下がってるロープを切って梶さんを助けよるために落ちていく。この行動には、ちょっとびっくりしました。

久美は、梶さんがクレバスの中で足を挟まれ動けないままでいるのを見つける。足を挟んでいる氷のような岩は、久美の力ではどうにもならず・・・・・久美自身、自分が何もできずにいることを梶さんに詫びている。この時、梶さんは意識がもうろうとして「陽子(娘)の花嫁姿が見たかった。」とうわ言のように言う。この言葉が、久美を奮い立たせる。
「この足を切断しましょう。片足だってバージンロードを歩けます。」久美が言うと、梶さんもうなづいている。
ここのところ、すごいと思った。これだけの大変な目にあって、一人で遭難者の足を切断しようとは・・・・・どこまでも諦めないこういう心こそ何かをつかもことができるんだろうと思った。

しかし、この後が漫画(?)。久美がナイフか剣かわからないけど、叫びながら振り上げてるところで他のシーンに変わってしまう。こんなやり方で足の切断をするのか?麻酔も薬品もなくてできるものなのか?ここのところは、全く漫画の世界になってるのか?それとも、このような状態ではこのように野蛮な方法で切断するのかなぁ。

次にこのクレバスの中が映るときは、梶さんの右足は先が切断されて赤い布が巻かれている。

操作打ち切りになってもやって来た三歩が、赤いマフラーを見つけてクレバスの中に入ると、梶さんは生きているが、梶さんを背負っている久美の脈がない!!三歩に必死の心臓マッサージと人工呼吸で久美は息を吹き返す。

こうして、久美も本当の意味で山岳救助隊の仲間入りを!

大盛りスパゲティー、爆弾のチャーハン、忘れ物の赤いマフラーなど、何げなく出てくるけど映画を通して鍵となってるような物がいくつかあった。

映画の一番最初の場面でアイゼンを取って歩き始めてクレバスに落ちて、もう駄目かと言う時に三歩に助けてもらった男が、最後の場面で又懲りずに山にやって来て、三歩が喜んでる・・・・・・・・これ、よかったです。

点数を付けるとしたら 80点


パーフェクト ストレンジャー

2012-09-17 | Weblog
Perfect Stranger


2007年のアメリカ映画。テレビ「水曜プレミアム」でやってたので見て、前に見たことある映画だと気づいた。

主人公ロウィーナ(ハル・ベリー)は、記者。彼女の幼い頃からの友達グレースが殺される。その前にグレースは、ロウィーナにハリソン・ヒル(ブルース・ウィリス)という広告会社の社長といい仲になったが、奥さんがうるさく、捨てられたことをロウィーナに話している。メールの記録などをロウィーナに渡して記事にしてほしいと言った。

この映画を見てる誰もが社長のハリソン・ヒルが犯人だと思うし、映画もそのように展開していく。ロィーナは、元同僚のマイルズと組んで(ジョヴァンニ・リビシ)ハリソンの会社の契約社員になって彼の罪をあばこうとするんだから、そりゃぁそう思うでしょ。

ハル・ベリーはセクシーで、社長のハリソン(ブルース・ウィリス)が、メロメロになって、ロウィーナが勝手に社長室に入って情報を奪おうとパソコンを触っていた時も、適当な言い訳で「君は解雇するが、部下じゃない君とデートしたい。そして、又明日雇うよ。」とか、言ってる辺りが、あまりにも軽くてちょっとおバカで~この辺のところで、彼は犯人じゃないなぁ・・・と思わせる。


ジョヴァンニ・リビシは、マイルズにぴったりの役でした。ロウィーナのことが好きなんだけど、使われてばかりで相手にはされてない。
でも、終わりの方で、殺されたグレースと関係持ってたり、部屋にロウィーナの写真がいっぱいで彼女が「マイルズ セクシー」と言っているようになってる声がずっと部屋に流れているところは気持ちが悪かった。ここでは、もしかしたらマイルズが犯人??それは、違うだろう!と思った。

でも、この時マイルズは、一人でハリソンの会社に行って、真犯人が誰であるかを知っていたのだ。

犯人がグレースを殺したという本当の理由が悲しい気がした。そう言えば。途中に何度もロウィーナが無理やり男(父親)に風呂場に連れて行かれるような回想シーンが出て来ていた。

ブルース・ウィリスに気の毒なような作品でした。でも、この後、ロウィーナが警察に捕まってハリソン・ヒルは、無罪だったことがわかるだろう。それにしても、ハリソンが女好きであることがますます世間にバレてしまうことになるけど・・・・・・・・

点数を付けるとしたら  75点