日野土地家屋調査士・行政書士事務所のブログです。最近は更新滞りがちだけど、もう1年半以上も続いてます!これで良いのだ♪

宮城県石巻市で土地家屋調査士・行政書士事務所を開業してる好事家オヤジです。ただコメント不可に設定してますので悪しからず…

トロッコ

2012年03月27日 | 書物・物語
芥川龍之介作品の中で私はこの「トロッコ」って作品が好きである。この「トロッコ」って作品は「蜘蛛の糸」とともに小学校か中学校の教科書に載っていたように記憶している。ある方が鉄道敷設工事を見学したという話をヒントに作られた作品らしいです。短編だから一気に読むことができますけど、あらすじはこうです。

小田原・熱海間に軽便鉄道敷設の工事が始まった。8歳の良平はその工事現場で使う土砂運搬用のトロッコに凄く興味をもっていた。ある日トロッコを運搬している土工と一緒に、トロッコを押すことになった。良平は最初は有頂天だがだんだん帰りが不安になった。途中で土工に遅くなったから帰るようにいわれて、良平は一人暗い坂道を「命さえ助かれば」と思いながら駆け抜けた。家に着いたとたん、良平は泣き出した。
良平は26の年に妻子と東京に出て来た。今では或雑誌社の二階に校正の朱筆を握っている。彼は全然何の理由もなしに、その時の彼を思い出す事がある。全然何の理由もないのに?塵労(じんろう)に疲れた彼の前にはその時のように、薄暗い藪や坂のある路が、細細と一すじ断続している。

芥川が遺書にしたためた「僕の将来に対する唯ぼんやりした不安」、なんかそれが読み取れるような…。
この作品はお金出さなくとも私も時々利用している、「青空文庫」で読むことができます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/43016_16836.html



最新の画像もっと見る