日野土地家屋調査士・行政書士事務所のブログです。最近は更新滞りがちだけど、もう1年半以上も続いてます!これで良いのだ♪

宮城県石巻市で土地家屋調査士・行政書士事務所を開業してる好事家オヤジです。ただコメント不可に設定してますので悪しからず…

注文の多い料理店

2013年02月15日 | 書物・物語
これは宮沢賢治の短編童話。初めて読んだのは忘れたけど高校生の頃だったかなぁ?
読む前は最初、当然のごとく流行ってる料理店のことだと思っていたように記憶してる。山猫に食われそうになって怖くて顔が(当時よくテレビに出ていた)クシャおじさんになったんだなぁ~って印象が残っていた。
先日、古本屋で名作短編集とかが売っていて、105円でお得♪と思って買ってきたら、中にこの宮沢賢治の「注文の多い料理店」があって、何十年ぶりかで読んで面白かった。


新花巻駅・宮沢賢治記念館近くにも「山猫軒」ってあるんですね、今度近くに行ったら寄ってみようかな~。
でも花巻に行くと、決まって食事をするのは「マルカンデパート」。ちょっとそこでの食事は難しいかな。


男の修行

2012年05月01日 | 書物・物語
苦しいこともあるだろう
言いたいこともあるだろう
不満なこともあるだろう
腹の立つこともあるだろう
泣きたいこともあるだろう
これらをじっと堪えてゆくのが男の修行である

これ、山本五十六元帥がある人への手紙に宛てた中の一文だそうです。
有名人だしけっこう有名な一文だけど、軍人とか戦争モノとか言うと抵抗感がある方も多いと思う。しかも若い方たちの中には山本五十六と言われても誰だか分からない方も多いのではないだろうか?でも私が小学生だったころには戦争で散った人々を描いた映画とか漫画やアニメもけっこうあった。だから映像や文章でしか知らないけど、戦時の様子はおおよそ理解しているつもりです。

いまどきこんな生き方?ナンセンス!なんていう方もいるかもしれない。家族や女房や友にでも愚痴をこぼしたほうが、よほどスッキリするかもしれない。でも社会で生きていくためには我慢とか辛抱というのも必要だ。
心の中にいつも留めておきたい一文です。

ネットで検索してみたらこんな商品もあるんだ…事務所に買おうかな。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て、ほめてやらねば、人は動かず。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

上記の一文も山本元帥の名言。
自分は50歳代の中盤にさしかかっているが、まだまだだなぁ…って感じてしまう。たまに先人達が残した格言などを何度も何度も読むことも良いもんである。

トロッコ

2012年03月27日 | 書物・物語
芥川龍之介作品の中で私はこの「トロッコ」って作品が好きである。この「トロッコ」って作品は「蜘蛛の糸」とともに小学校か中学校の教科書に載っていたように記憶している。ある方が鉄道敷設工事を見学したという話をヒントに作られた作品らしいです。短編だから一気に読むことができますけど、あらすじはこうです。

小田原・熱海間に軽便鉄道敷設の工事が始まった。8歳の良平はその工事現場で使う土砂運搬用のトロッコに凄く興味をもっていた。ある日トロッコを運搬している土工と一緒に、トロッコを押すことになった。良平は最初は有頂天だがだんだん帰りが不安になった。途中で土工に遅くなったから帰るようにいわれて、良平は一人暗い坂道を「命さえ助かれば」と思いながら駆け抜けた。家に着いたとたん、良平は泣き出した。
良平は26の年に妻子と東京に出て来た。今では或雑誌社の二階に校正の朱筆を握っている。彼は全然何の理由もなしに、その時の彼を思い出す事がある。全然何の理由もないのに?塵労(じんろう)に疲れた彼の前にはその時のように、薄暗い藪や坂のある路が、細細と一すじ断続している。

芥川が遺書にしたためた「僕の将来に対する唯ぼんやりした不安」、なんかそれが読み取れるような…。
この作品はお金出さなくとも私も時々利用している、「青空文庫」で読むことができます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/43016_16836.html



ウシジマくん

2012年03月18日 | 書物・物語
2月18日のブログでパチンコ・パチスロの漫画の画像をネットで見つけて載せたけど、調べてみたらあれって「闇金ウシジマくん」っていうんだそうですね。普段は漫画っていうのはラーメン屋か食堂で見る程度で、コミックなどもほとんど買わないんだけど、内容にチョイと興味湧いたので先日それを探して第1巻目を買ってきました。そうしたら第1巻目にその話が出てるじゃありませんか。
内容は…う~ん、ちょっと身内にいたり身に覚えのある方が見たら落ち込むんじゃないかなぁ?これって作者が警鐘を鳴らしてるのかね?面白かったけど、自分的には読んだ後の後味はあまり良くなかった。


それといつだったかラーメン屋さんで見た漫画で「怨み屋本舗」っていうのがあって、現代版仕事人?ってな感じで面白いと思ったから、これも第1巻目を買って読んでみた。昔話では正直者や善人は最後は神様の庇護で幸せになるってのが決まりみたいなもんだけど、実際はそんなのでは残念ながら世の中では生きていけない。だからヒーローものや勧善懲悪ものが流行るんだろうけど。でもまさか地下組織としてこういう漫画みたいなのが現実にあるんだろうか?それ考えるとまぁ自分は別に悪い事はしてないけど少々怖い。でもまぁこれも面白かったけどね。



ネットカフェ難民

2012年01月30日 | 書物・物語
仙台へバスで行くとき、カバンには必ず本を1冊入れて持っていく。アマゾンや書店で興味が湧いて買ったものの、まだ読んでいない本は常に数冊はある。その中の1冊を入れていくのだ。そうそう…100円ショップで買った老眼鏡も一緒に入れてね(^^; まったく私は近視であり乱視であり、かつ48歳頃からは老眼、困ったもんだ。でも普段は裸眼で過ごしていますけどね。

さて先週土地家屋調査士会の研修で仙台に行ったときには、本棚に陳列したままでいた水島宏明氏の「ネットカフェ難民と貧困ニッポン」という新書版の280ページくらいの本を忍ばせていき、バスの中と次の日の土曜日の夜にかけてほぼ読んだ。以前にネット上の動画で知っていた、シュウジさん、ヒトミさん、カズオさん等のことが詳しく書かれていた。
漫画喫茶・ネットカフェというのは、かなり以前だけど漫画が読める喫茶店?って感じで、女房と一度だけ行ったことがある。まぁ私はあまり漫画とかは一部の漫画(昔の漫画とこち亀ファン)を除いてほとんど見ないから、コーヒーを飲んで1時間足らずででてきたけど。


この本の内容はどこまで真実なのかは分らないけど、真実だとしたら自分の娘達や甥・姪とあまり年齢の違わないシュウジさん、ヒトミさん、ちょっと可哀想過ぎるなぁ…布団で足を伸ばしてゆっくり寝たい、それがいまの希望なんだそうだ。
私も学生時代に一ヶ月仕送り4~5万、アルバイトで2~3万の月に平均7万円くらいで生活していた。
その頃を思い出すと、家賃光熱費で25000円、交通費で5000~6000円、銭湯は週に4~5回通って5000~6000円、残った35000円程度で生活していた。当時とは物価は違うだろうが、たぶん彼等の生活レベルとはさほど違いは無かったと思う。けど寝るところがあったから、精神的・身体的ストレスを感じた事はあまり無かった。友人も地方から出てきたのが多く、類は友を呼ぶと言うか生活レベルは自分と大差無く、当時は一部の人を除いて皆、安いアパート・間借り住まいがほとんどでした。でも金は無かったけど、楽しかったよ。

ネットカフェで暮らした彼等は一定の住むところが無い、それだけで当時の私などに比して精神的不安定感が比べられないくらいあるんだろうね。特に18歳の若い女性のネットカフェ生活なんて、にわかには信じられない感じ。4~5年前の報道・著作物だから、彼等はどん底から抜け出していることを希望したい。動画では顔出しで出ていたカズオさん、少なくとも彼のことはノンフィクションにかなり近いように感じた。野宿生活から生活保護を受けられるようになり、安住のアパートに入って求職活動をしているというけど、落ち着いたのだろうか?

同様な報道番組の中には役者を使った「ヤラセ」と分った動画もネット上に流れた事もあり、以前には実は創作だった『一杯のかけそば』で日本中がお涙頂戴ってこともあった。だから報道や記事は真実か否か、どこまで真実なのかは冷静に判断しなきゃならないとは思っている。私は今は地方在住だから現在の都市圏のことは分からないけど、本当の事だとすれば今の世の中、どうなってんの?って言いたくなるね。
けっこうショッキングな内容の本だったけど、一読の価値はあったように思っています。

たわしのみそ汁

2011年11月16日 | 書物・物語
昨日は予告通り(?)ひと呼吸置きました。どうしようかなぁ~とは思ったんですが、初のブログ休筆日。
毎日綴るのが義務と感じてしまうと負担になるし、テキトーってのもネットの世界には必要だし。

さて「たわしのみそ汁」というお話をご存知でしょうか?
これは所は山形県の東根、国分一太郎さんというお方が書いた私小説であります。私が小学生だった頃に夏休みの宿題用ワークブックに載っていたお話で、すごく印象に残っていたお話です。後年、弟達のワークブックでも見た記憶があるから、けっこうな期間使われた教材なのかも知れません。

話の概要はこうである。
まだあたりが薄暗い冬の朝、教員になるために朝早く山形市の師範学校に出かける私のため、祖母は夜仕事で遅い両親に代わり、毎朝朝食の用意をしてくれた。
粗末なちゃぶ台に座り、祖母の作ったカラ汁(何の具も入ってない味噌汁)をむぎめしの上にぶっかけて食べようとしたとき、ゴツンとしゃくしに何かが当った。すくってみたら、それは何とカメノコタワシであった。少し気持ち悪くなったが、祖母に文句も言わずにタワシを押さえて、みそ汁をごはんにかけて食べはじめた。
祖母が「お椀に何か入ってるな?」と気付き、私が「うん、タワシだ」と言ったのを聞いて驚いていた。
そして「たわし汁か」と祖母は笑いはじめた。「うまいか?」「うん、はじめてだ!うまい!」と二人で笑ったが、「もうろくしたな~」と祖母はつぶやく。
その後、私は教員になったが、祖母にはうまいものも食わせてあげられず、貧乏な中でこの世を去った。
という小学生向けの短編のお話である。


ネット時代になってからこの話が学校図書の「5年生の読みもの」という書籍に掲載されている事を知り、さっそくアマゾンから取り寄せ、懐かしく読んでみました。
下記の国分一太郎生誕100年記念ホームページでもこのお話が読めます。

http://www.hinayusa.net/kokubun/index.php?%E3%81%9F%E3%82%8F%E3%81%97%E3%81%AE%E3%81%BF%E3%81%9D%E6%B1%81

そもそも小学生向けの話だから時間的に負担にならず一気に数分で読めますし、一読する価値があると思いますよ。


めもあある美術館

2011年10月30日 | 書物・物語
『めもあある美術館』と言うのを知っているだろうか?これ、かつて小学時代の国語の教科書にも載っていた物語で、昭和30年代生まれの人は記憶がある人も多いんじゃないかなぁ?主人公の「僕」が体験する亜空間の不思議な物語で、その奇妙なストーリー性故か、ほぼ内容を網羅して自分の記憶に残っていました。
作者はミステリー作家の亡:仁木悦子さん(本名:大井三重子さん)。4歳のときに病気で以後、生涯寝たきりとなり、独学で勉強して活躍されたといいますから、驚きです。
物語のあらすじはこうです。(ちなみに「めもあある」はフランス語です)

僕は姉さんと喧嘩して気がくさくさしていた。お母さんに叱られ、家を飛び出してトボトボ歩いていると知らない通りに出た。そこの通りの古道具屋の片隅に僕のお祖母ちゃんの描かれた絵をみつけてびっくりしていると、のっぽな男が来てその絵を買っていきました。不思議に思った僕が男の後を付いていくと、のっぽな男は『めもあある美術館』と書いてある建物に入って行きました。

その美術館の中へ足を踏み入れると、たくさんの絵が展示されていた。それがすべて僕の事や僕が今までに体験した場面の絵ばかりではないか…。幼少の頃に飼ってた雑種犬のペスの絵、隣に住んでた幼なじみの死んだ女の子、担任の先生、転校していった友だち…中には目をつむって通り過ぎたくなるようなものもあったけど、小さい頃の思い出の絵が次々と…そして大好きだったお祖母ちゃん。


出口の近くには、さっき叱られて家を飛び出した、ふくれっつらの僕の絵があった。それを見て急に恥ずかしくなり、美術館を出てまたトボトボと歩いていると、いつのまにか家の近くの路地裏に来ていた。

絶版になっていたものが再版され、実はこの本を先般手に入れたんですよ。
いや~なつかしくて一気に読んでしまいました。
もういちど読みたい本、見たい動画、今の時代はそれがネットを通じて情報が得られ、断片的にでも資料が手に入るからありがたいモンです。

もう一度読みたかった本に梅崎春生の「猫の話」や「赤帯の話」もある。絶版されて久しいし、図書館にも古本屋にも無かった。しかし、ネットで古本を手に入れることが出来た。いつかこの話の概要も紹介しますね。きっと懐かしいと思う。