「ジェイン・ジェイコブズ--ニューヨーク都市計画革命」@渋谷ユーロスペース。
建築界のバイブルとして読み継がれる『アメリカ大都市の死と生』(1961)の
著者ジェイン・ジェイコブズのドキュメンタリー。
1950年代のアメリカでは、モダニズムを背景に、
自動車中心の合理的な都市計画が進められていました。
ニューヨークのダウンタウンに住むジャーナリスト、
ジェイン・ジェイコブズは、生活者の視点で街を観察し、
魅力的な街づくりのため、独創的なアイデアを提案します。
ジェイコブズとその仲間たちは、都市開発の「帝王」ロバート・モーゼスらが
強引に進める開発プロジェクトを阻止するため、壮絶な闘いを繰り広げていくのです。
当時の記録映像や音声も織り交ぜられており、見応えがありました。
この映画を見たあと、共同住宅の低層化が進められているという
オランダの映像を見ました。
日本では?
相変わらずどんどん住居の高層化が進んでいます。
そこに「家族」の幸せはあるのか?
1960年代の問題どころではなく、まさに今の問題であると思いました。
「ピーターラビット」
原作はベアトリクス・ポターの絵本『ピーターラビットのお話』。
ハッピーな映画です❤
皆さまご存知のピーターと、両親亡き後の家族。
隣家の心やさしいビアと仲良く暮らしていました。
CGのピーターがスピーディに駆け回り、
宿敵マグレガーおじさんの親戚トーマスと戦闘を繰り広げます。
ピーターがウィンクしたり、動物たちの表情が豊かすぎるかなぁ。
ハリウッド版なので仕方ないかしら。
美しい自然と、愛と、どたばた。ハッピーエンド。
久しぶりにこんなに楽しいエンターテインメントを見ました。
そして、以前訪れた「ピーターラビット展」で、
ポターは湖水地方の自然保護のために尽力していたことを知りました。
ナショナル・トラストに広大な土地を寄付し、
ヒルトップ農場には彼女の住んだ家も残されています。
ピーターの産みの親はただの絵本作家ではなく、
自然保護運動の闘士でもあったのです。
「モリのいる場所」@ユーロスペース
晩年の30年間自宅の庭から出ず、虫や魚、動植物を観察して描いた
画家、熊谷守一の晩年を描いています。
守一夫妻役の山崎努と樹木希林、好演。
隣にマンションが建ち、庭が日陰になるところで終わり、
庭が社会から切り離された楽園ではなかったことに気付かされます。
画家夫妻の自然体と反骨精神に心があたたまりました。
初日の初回を見たので、記念の絵ハガキをいただきました。
観客は希林さんファンか、年配の女性が多かったです。
この5月に見た3作に「『楽園』を守る女性たち」という
共通項があったことに気づきました。
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