舟川柔道塾 塾長のブログ

舟川柔道塾の塾長である舟川 操が柔道への思いや柔道の極意を綴ります。

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褒(ほ)めて伸ばす極意

2014年04月28日 | 極意

昔、小学5年で柔道を始めた少年がいました。
その少年は同級生に比べると背も低く、痩せていました。
性格は負けん気が強く、自分が馬鹿にされたように感じたり、友達がそんな目にあうと許しておけず、ケンカは日常茶飯事ではないですが、多い方でした。
そんな少年もいつの日か柔道に出会い、道場で発散するようになると次第に心も安定し、姿三四郎という本を読んだりして、ケンカや外で柔道の技を使ってはいけない事などを学んでいきました。
負けん気が強いから、柔道の稽古も激しいものがあり、実力がつくのも早かったかもしれません。
昭和時代の道場というと少年の大会もまだ少なかったのですが、年に一度しかない最初に出た県大会で見事5人勝ち抜いで金メダルを頂きました。
その時に道場の先生からのお褒め言葉もあったかもしれませんが、ほとんど記憶にないそうです。記憶に残っているのは父親が親戚の叔父さん叔母さんの前で自慢げに話していたことです。

父親は長男だったので兄弟姉妹達が年に1回くらい集まり宴会があります。
みんなだんだん酒に酔ってくると自分達の息子達のノロケ話が始まるのです。
その中で父親が自分の柔道の試合の話を自慢げに叔父さん叔母さん達に話している。「○○ちゃんすごいねー!」なんて叔母さんが言ってくれる。なんて気持ちいいんだろう。なんて良い気分なんだろうと強く記憶に残り、それがまた頑張ろうという気持ちにさせられたのです。
いかかですか?学校や道場でも先生にそれをしてもらいたいという親心は非常に良くわかります。
でも、道場の稽古の中で、お宅のお子さんだけを褒めて褒めて褒めてあげるきっかけはそんなにたくさんありません。だめなときはだめで、良いときは褒めます。下手なことをしているのに褒めても子どもにはわかります。
ぜひこの、自分のお子さんを親戚やおじいちゃん、おばあちゃん、柔道と関係のない友人の前で褒めてあげる、をしてみて下さい。非常に効果がありますから。もちろんお子さんが聞いている状況の中でです。
大会で一勝したことでもかまいません。道場の先生に何か褒められた事でもかまいません。毎日休まず稽古に行っていることでもかまいません。
是非みなさん参考にして下さい。