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宮本慎也氏、スワローズの守備意識の薄さを憂う。

2014-08-20 23:02:22 | 2014年シーズン

ジャイアンツ・杉内、スワローズ・村中の左腕対決。
両投手ともに序盤から ”らしさ” の出た投球内容。
制球のいい杉内と、やや制球に難のある村中。
杉内は制球の良さを活かし6回まで2安打1失点の投球。
7回に連打でを浴び、一死一三塁となったところで降板。

村中はキャッチャー中村の構えたところとは逆球ばかりの内容だったが、
多少の荒れ球とボールが低めにいっていたことが幸いして、
6回までに12個の内野ゴロを積み重ね、結果、5安打1失点という内容。
先頭打者だったその裏の攻撃で代打を送られたが、
ジャイアンツ打線の攻め切れていなかった状況を考えると、
打順の巡り合せとはいえ、少し残念な交代だった。


この日の解説者は、与田剛氏とスワローズOBの宮本慎也氏。
この試合も逆球ばかりの村中の投球を解説した宮本氏は、
自身の経験を交えながら、捕手の構えが見やすい二遊間を守る場合、
ある程度、打球の飛んでくるコースを予測しながら守っていたと話し、
村中に限ったことではないがと前置きした上で、
「コントロールの悪いピッチャーの後ろで守るのは大変。
村中の場合もほとんどが逆球だったので守りにくかった」 と、実況席で苦笑い。
一方で、低目への投球を意識しすぎて小さくまとまらないようにと、
キャッチャーの配球も含めて注意を喚起。
左のエースとしての期待も口にした。

ここまでのセントラルの戦いで、1チーム蚊帳の外と、置いてけ堀状態のスワローズ。
リーグナンバーワンの破壊力を誇る打線を有しながら、投手力の弱さが最大の問題点と大方は評価。
だが宮本氏は、そういった投手面での弱点だけが勝てない理由ではないと厳しい見方をする。

宮本氏が指摘するのはスワローズの守りのミスの多さ。
今シーズン、宮本氏が解説を務めたゲームだけでも何度も目にしていると嘆く。


1対1で迎えた7回表のジャイアンツの攻撃。
マウンドにはこの回から松岡が上がる。
先頭のセペダを四球で歩かせた後、犠打、内野ゴロで二死三塁。
ここで長野がセンター前、1点を先制した。
続くバッター・橋本のところで、牽制を何度か入れて警戒しながら長野に二盗を許す。
そして橋本の放ったややライト寄りのセンターフライをセンター飯原が捕球できず、
ジャイアンツはさらに1点追加。
記録はヒットとなったが決して捕球できない打球でもなく、
「こういったところが投手力の問題だけではないという部分」 と宮本氏。
そして 「とくに難しい打球でもなかった。落下点に入っているので、
あれくらいは捕ってあげないと投手がかわいそう」 と、
センター・飯原の守備が目一杯のプレイでなかったことも付け加えた。


さらに一塁ランナーの橋本が初球に盗塁を成功させる。
すると宮本氏は、一球目の変化球でスタートを切った橋本の洞察力を褒めた一方で、
「一球目から変化球を投げるのであれば少なくとも一、二度は牽制球を入れて然るべき」 と、
牽制球を一度も投げることなく初球を投じたスワローズ・バッテリーをバッサリ。
またこういう場面で、誰一人マウンドへ駆け寄らず、
盗塁への注意を喚起できない内野陣に対しても 「ベンチからの指示にいちいち頼るのではなく、
野手それぞれが流れを感じてやっていかなければ勝てる試合も勝てなくなる」 と、
野手ひとりひとりに主体性のあるプレイを求めた。
とくにキャッチャーの中村には手厳しく、その前の長野の盗塁の際にも、
警戒していた中でストライクの送球が出来なかったと苦言を呈した。


そういった守りに対する意識の弱さが、
くしくも最終局面になって、ベンチの判断というカタチで勝敗を決することとなった。
7回の裏、3点を取って逆転し、1点リードで迎えた9回表のスワローズは、
守備に難のあるバレンティンをそのままレフトの守備に残した。
次の裏の9回の攻撃がバレンティンからだったので、
追いつかれたケースを想定しての策だったようだが、
その弱気な姿勢が悪い意味で的中してしまう。

代打のロペスがヒットで出て、代走・大田泰示。
二死一塁、バッター長野。
ここで長野はバーネットの149キロのストレートをフルスイング。
痛烈な当たりは高いバウンドとなって三塁線をぬけていった。
打球はレフトのファールゾーンからフェンスをつたって最深部まで。
やや捕球にもたついた感じはあったものの懸命に中継へ返球するバレンティン。
しかし一塁ランナーの大田泰示は俊足を飛ばしてそのままホームイン。
スワローズは土壇場でジャイアンツに追いつかれた。

長野への2球目のあとに、スワローズベンチから外野の守備陣に指示が出された。
センターを少し右に寄せる指示と実況アナウンサーは伝えたが、
レフトのバレンティンもこの指示で少しセンター寄りに動いていただろうか。
長野が打った瞬間、中継のカメラが切り替わり、その打球を追ってレフト方面を映したとき、
その時点ではレフトのポジションあたりにまだバレンティンの姿はなかった。
すぐに全力で打球を追うバレンティンの姿が映像の中に飛び込んでくるが、
通常の位置だったとしたらいくらバレンティンとはいえ遅い気がした。

いずれにしても少し捕球にもたついたところがあったのは間違いない。
その回が終わった後、ベンチでバレンティンの守備に小言を言ったバーネットが、
バレンティンと小競り合いを起すおまけまでついた。

バレンティン以外にも強打者が揃うヤクルト打線。
あの1点差の場面でバレンティンを守備に残したベンチの判断。
7回表の拙守によって広がった失点シーン。
1点を守り抜く守備意識の希薄さ。
得点能力が高いチームならではの問題点。
守備の職人でもあったOB宮本慎也氏だからこそ憂う部分だろう。




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