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ヤクルトスワローズ、故障者・投手の復帰、復活で、巻き返しなるか。

2014-07-18 23:47:34 | 2014年シーズン

前半戦最後の試合、菅野がひと月ぶりの勝利で、9勝目を挙げた。
今季ここまで菅野を見ていて、凄くいいピッチングをしているという印象は薄い。
それでも9つ勝てているというのが彼の凄みだ。

それにしても、ヤクルト打線はよく打つ。
この3連戦、3試合とも2ケタ安打を記録した。
これで故障中の投手たちが軒並み戻ってきたら…。
スワローズファンの願いが聞こえてきそうだ。

現在、故障中の投手らはどんな状態なのだろうか。
ヤクルトスワローズの公式webサイトを覗いてみた。

昨シーズン、新人ながら最多勝を獲得し、
ジャイアンツの菅野を抑えて最優秀新人賞を獲得した小川泰弘投手は、
4月に右手の骨折で登録を抹消されている。
まだリハビリに時間がかかっているのかと思いきや、
先日12日に一軍出場選手登録に公示されていて、
すでにその12日にベイスターズ戦で復帰登板を果たしていた。
知らなかった。

スポーツ紙のWebサイトで調べてみると、
3ヶ月ぶりの一軍マウンドは制球に苦しんだようで5回を6安打5失点という出来。
内容はともかく小川が帰ってきたのはスワローズにとって何より心強い。
なんたって昨年16勝している最多勝投手である。
今季のローテーションは間違いなく彼を中心に回していくはずだったろうから、
心待ちにしていた選手の復帰で後半のスワローズに勢いがつきそうだ。

ここ何年かのスワローズ投手陣の個人的なイメージのひとつに、若手左腕の存在がある。
村中恭兵、赤川克紀、八木亮祐。
1、2シーズンおきに活きの良い若手左腕が出てくるイメージだ。
ただ、なかなか彼らが一軍に定着しきれない。
どこのチームにとっても若手の台頭は重要課題。
スワローズは野手よりも投手に若手の有望株がひしめいている印象だが、
実際は野手よりも投手の駒不足が今季は露呈している。
もちろん原因は故障者が続出していることにある。
ただその故障者の抜けた穴に付け入る若い投手がなかなか出てきていないのが今のスワローズの泣き所。
それがリーグ最下位に直結するかどうかはなんともいえないが。

逆に野手はここ数年、バレンティンが群を抜いて目立っているせいか、やや層が薄いだろうか。
名実ともにチームの顔となるような、生え抜き選手の存在が頭に浮かばない。

川端慎吾は故障が多いのだろうか、ここ数年の彼の実力からすれば、
本来ならば常に首位打者争いに加わっていてもおかしくはないくらいのセンスは持っているだろう。
今季はここまでしっかり成績を残しているので、
最後までレギャラーを張って高打率で首位打者争いに加わって欲しい。
生え抜きの選手という点では、彼がその筆頭で間違いない。

スワローズ野手で今季、最も注目を集めているのは山田哲人だ。
この3連戦でもよく打った。
若い彼の躍進は、球団にとっても、ファンにとっても、待望だ。

そして雄平。
とくにこの三人がシーズン最後までレギュラーを張り通し、
現在の好成績を保ったまま規定打席に達するようなことになれば、
来季以降のスワローズ野手陣の存在感も上位チームにひけを取らないものになる。

野手転向前の高井雄平が快速投手だったことはよく知られていることだが、
ヤクルトスワローズは以前から才能ある若い左ピッチャーを数多く輩出しているイメージが強い。
東京学館浦安高・石井一久、東京学館高・石井弘寿、東北高・高井雄平、
そして先に名前を挙げた東海大甲府高・村中恭兵、宮崎商業高・赤川克紀など。

何シーズンか前にジャイアンツ戦で快投をみせた村中、赤川の勇姿は記憶に新しい。
この両投手の伸び悩みもファンとしてはもどかしいだろう。
今季ここまでふたりとも0勝1敗で勝ち星はついていない。
数字で見れば、とくに昨シーズンから両投手ともガタっと調子を落としているように見える。
ではその前年がよかったのかというと、とくに数字の上ではいい成績が残っているわけでもない。
ただ出場試合数や投球回数などを見る限りでは、戦力としてしっかり働いていた足跡は窺い知れる。

若手選手の躍進は何よりチームに勢いを持たせる。
彼らが期待通りの成長を遂げていれば、スワローズも今の順位にはいない。
それはどこのチームにもいえることではあるが、
特にスワローズは主力投手がまとまって抜けてしまっている現状がある。
今こそという思いは、当然、控えの選手は皆、持っているはず。それでもそこになかなかはまって来ない。
スワローズに限ったことではないが、プロとはいえ、人間がやること。
なかなか思い描くようにいかないもどかしさはつきものだ。

もどかしさといえば、この投手は一体どうしているのか。
大谷翔平の登場で、やや忘れられそうな立場に置かれつつあるが、
大谷同様、日本人投手のストレート最速記録保持者である佐藤由規投手。
ヤクルトスワローズファンのみならず、
おそらく多くのプロ野球ファンがその動向を気にかけているのではないか。

入団以来、度重なるケガなども影響して、なかなかシーズンを通した活躍に至らない佐藤由規。
過去の記録を見ると2010年が唯一、規定投球回数に達したシーズンで、12勝9敗という成績を残した。
2011年のシーズン中盤から故障を繰り返すようになり、
2012年の右肩故障でシーズンを棒にふって以来、一軍での登板はない。
昨年のシーズン前に右肩を手術するという報道があり、
リハビリを含めてシーズン中の復帰は絶望と発表された。

それからはニュースで名前を聞くこともなくなったので現状が気になっていたが、
先月の中旬、フューチャーズ戦で約2年ぶりの実戦復帰を果たしていたようだ。
登板は1回のみだが、2奪三振1四球の無失点で復帰登板を飾り、最速155キロも記録したらしい。

その後もイースタンリーグで10日ほどの間隔を空けながら1回、2回、3回と徐々に投球回数を増やしている。
3試合に登板して無失点。三振もしっかりとれているから、今のことろは調整も順調だろう。
後半戦のどこかで一軍に戻ってこれれば、小川の復帰に、佐藤由規の復活と、チームは間違いなく活気づく。
とくに佐藤由規には、小川とは違う、小川にはまだない、彼の存在自体に強いインパクトがある。

ただ、佐藤由規も若いとはいえ、ここまでこれだけケガに見舞われるというのはやはりこの先も不安はつきまとう。
技術と経験が増すことでそれらの不安も解消されていけばいいが。

チームの大黒柱の一人、館山昌平投手の復帰は来シーズン以降のようだが、
もう一人の支柱・石川雅規は健在で、先日のジャイアンツ戦で好投した石山泰稚も先発で充分にやれるメドは立った。
キャンプ早々に故障離脱した昨年のドラ1、杉浦稔大(國學院大學)も、
ファームで実戦目前のニュースが球団のWebサイトで取り上げられている。
こちらも後半戦のどこかでデビューの可能性が見えてきた。

今季の新人は、この杉浦以外にも即戦力の投手を二人獲得しているが、
ここまでその二人、秋吉亮、岩橋慶侍の両投手は一軍でしっかりと仕事をしているから今後も活躍は見込める。

スワローズは現在、外国人投手を4人擁している。
バーネットは何年か前にそこそこのセーブ数と、
そこそこのホールド数も残しているが、今季、前半はやや物足りなさのほうが目立つのか。
他の3投手も期待に沿う成績とは言い難い。
ヤクルトは昔から12球団でもトップクラスに外国人選手を選ぶ先見の明があったが、
ここ数年は苦労しているように見える。


前半戦、打線が好調だったスワローズ。
山田哲人、川端、雄平、バレンティンの不動のメンバーに、
今季ここまで調子のいい森岡、捕手の中村悠平も打率は高い。
畠山もそろそろ戻ってくる。
打線の骨格は前半戦同様にいい流れが思い描ける。
誰もが口をそろえるように、要は投手陣。
小川、石川、そして石山あたりが後半戦は中心になるのだろう。
ここに村中、赤川、八木の左腕三枚のうち、二枚、しっかりとしたカタチで加わると面白い。
村中、赤川に至っては、それに伴うだけの実績も少なからず兼ね備えている。
やはり、この二人には、しっかりとした存在感を示して欲しい。

今季後半戦を見据えると、ここから何人の投手が復帰、復活を果たせるかにかかっている。




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