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フレッシュオールスター14、パ・リーグ右のパワーヒッターの存在感。

2014-07-27 23:25:45 | ファーム

7月17日に長崎県営野球場で行われた今年のフレッシュオールスター。
ジャイアンツからは土田瑞起、辻東倫、奥村展征の3選手が出場した。

両リーグから選出された選抜選手を事前に見て、
注目していた選手、試合で目立っていた選手を何人かピックアップしてみる。


まずイースタンリーグ先発の楽天イーグルス・松井裕樹は言わずと知れたスーパールーキー。
開幕一軍入りを果たしたが、制球難が露呈してプロ初勝利を挙げれぬまま二軍落ちを経験。
高卒一年目の期待のルーキーもここまではプロの力の前に苦しんでいる。

そしてもうひとり、横浜DeNAベイスターズ・柿田裕太。
13年ドラ1投手は日本生命でジャイアンツ・ドラ1の小林誠司とバッテリーを組んでいた右の本格派。
ドラフトではハズレ1位ながら3球団の競合の末、ベイスターズがクジを引き当てた。
キャンプでは一軍入りを果たすも故障に見舞われ、未だ一軍の登板はない。
社会人時代からかなり注目されていた投手なので現在の状態に注目した。


野手で特に注目したのは埼玉西武ライオンズの 山川穂高。
彼はジャイアンツとのファームの試合で何度か目にしているが、
どの解説者もその実力を認めるほど、
ファームではアタマひとつもふたつも抜きん出ている存在感。
成績もしっかりと伴った右のスラッガーだ。
13年、富士大からドラフト2位でライオンズ入り。
今季、一軍の試合にも出ているが、まだ結果は残せていない。

もうひとり、楽天イーグルスの内田靖人もジャイアンツとのファーム戦で見てから注目していた。
13年のドラ2は常総学院高から入団の右の長距離砲。
登録は捕手だが、ファームの試合では打力を活かすために三塁手での出場が続いている。
高卒ルーキーでいきなり背番号8は期待の大きさが伝わる。
ファームのジャイアンツ戦で数回目にし、力強いバッティングが目を引いた。

その他にも埼玉西武ライオンズの森友哉。
開幕当初はルーキーで4番抜擢され注目を集めた千葉ロッテのアジャこと井上晴哉など、注目選手は多い。



ウェスタン選抜の出場選手を見て注目したのは、中日ドラゴンズの右腕・鈴木翔太。
こちらも13年のドラ1選手。聖隷クリストファー高というあまり聞きなれない高校からのプロ入り。
ドラゴンズの得意パターンだが、特に落合博満氏が監督としてドラゴンズに係わりだしてから、
全国区ではない逸材をかくし球のように上位で獲得するのは恒例になった。
このようなパターンに限らずも、ドラゴンズから出てくる若手投手は、
かなりの逸材が多いので、この鈴木翔太もドラフトのときからずっと気になっていた。
鈴木は6月17日の埼玉西武ライオンズとの交流戦でプロ初登板を果たしている。
1回を投げて1本塁打1四球2奪三振。打たれたのは秋山に浴びた本塁打のみ。
現在は二軍での調整が続いている。

野手からはタイガースの横田慎太郎。
彼も13年のドラフトでタイガースが2位指名した走攻守揃った左投左打の大型外野手。
鹿児島実業高では投手も兼任していたらしいが、プロでは野手として一軍を目指す。
彼もウエスタンリーグの試合中継や、6月に行われたジャイアンツとのファーム交流戦で目を引いた。
とにかくガタイがいい。ただデカイのではなく、非常にバランスのいい体格をしている。
体格のいい選手は他にもたくさんいるが、見た目にちょっと違うバランスの良さがある。
アタマが(顔)すごく小さいせいか、公表されている身長(186cm)よりも大きく見える。
身体のバランスはどことなくオリックス・バファローズの糸井嘉男を彷彿させる。
ちょっと言い過ぎかもしれないが、それくらいバランスのいいアスリート体型なのだ。
ファームでは苦労しているようだが、何年後かが確実に楽しみな選手だろう。


今季からタイガースに復帰した掛布氏の存在もその楽しみに一役買っている。
今季からナンタラカンタラという長い名前の役職に就いた掛布氏は、
キャンプで数人の若手選手を強化指定選手に指名して指導した。
そのなかに横田の名前もあった。
タイガースもなかなか生え抜きのスラッガーを育てきれない状況が何年も続いていたから、
掛布氏の就任には期待が高まる。



試合のほうは、近年にない面白さと解説者らが口をそろえるくらい、僅差の試合展開になった。

注目の集まったイースタン選抜の先発、楽天・松井裕樹と西武・森友哉の高卒ルーキー・バッテリーだったが、
松井の球にキレがなく、初回を2安打1四球1失点とあまりいいところを見せられぬまま1回で降板した。

投手で抜群の安定感を見せたのは横浜DeNAベイスターズの柿田裕太だった。
柿田は6回、7回の2イニングを投げパーフェクトなピッチング。
ファームでも5勝している柿田は、
ダイナミックなフォームから140キロ台後半のストレートに緩急の効いた変化球で打者を翻弄。
縦に割れるカーブ、落ちのいいフォークがいいところに決まった。
ヤクルトのライアンこと小川泰弘投手に似た右足を高く上げる独特なフォーム。
上から振り下ろすような角度のあるストレートはキレがあって力強い。
ベイスターズ後半戦のカギになりうる存在。
セントラル勝利数トップの井納に続き、ベイスターズは楽しみな投手が控えている。

ベイスターズは野手でも一年目の関根大気が活躍した。
関根は東邦高から13年ドラフト5位で入団左投げ左打ちの外野手。
春季キャンプからオープン戦にかけ、一軍抜擢されたが、開幕は二軍スタート。
ファームではここまで打率.272、本塁打5本。規定打席に達してのこの数字は立派だ。
2番センターで先発出場した関根は4打数3安打の猛打賞。
柿田同様、賞からは漏れたがそれに匹敵する存在感だった。


その関根と並び3安打猛打賞、うち2本が本塁打で、
2本目が決勝の本塁打となった千葉ロッテの井上晴哉が今大会のMVPに輝いた。
井上の知名度はシーズン前のオープン戦での活躍が大きいだろう。
その成績が彼の知名度を全国区へと押し上げた。
新人でのオープン戦、首位打者は、ドラフト制度導入後は初めての快挙らしい。
ルーキーながら開幕4番を任されたが、シーズンに入ってからは期待通りの活躍には至らず、
ひと月ほどで登録抹消された。
イースタンの試合でも何度か見ているが、ファームではやはり存在感も身体の大きさも抜けている。

この試合で放った2本の本塁打も、打った瞬間の当たりだった。
スイングの力強さは圧倒的。一軍でもそうはいない豪快さだ。
掛布氏は腕を柔らかく使えるバッターと称える一方で 「右肩が下がるのが欠点」 と、
インコースのストレート系の対応が今後の課題になると指摘した。

現在、千葉ロッテはイースタンリーグで首位を独走しているが、
能力の高い選手の多さからすればその順位にも頷ける。
イースタン首位打者の高濱卓也は未だファームに甘んじているのが残念でならない。
もう一軍で活躍してもいい時期だと思う。
以前、書いたが加藤翔平も一軍に定着して然るべき選手だ。
その他にも大嶺翔太、神戸拓光と、スピードとパンチ力を備えた選手が数多い。


千葉ロッテ・井上晴哉と同様に存在感を充分に示した埼玉西武ライオンズの山川穂高。
彼には井上以上の可能性を感じる。
2安打1四球、うち1本は本塁打。
攻守に活躍して優秀選手賞に輝いた。

山川はファームの試合でもほとんどの解説者がその能力の高さを認めている。
以前、ファームの試合で実況のアナウンサーが、山川は他球団の選手からも評価が高く、
近い将来、間違いなく一軍で活躍する選手と、多くの選手がその実力を認めていると紹介していたことがある。

掛布氏も 「井上と同じように腕を柔らかく使えるバッター。左右広角に打てる技術がある」 と高評価。
身体の大きさや雰囲気、構えなどがチームメートの中村剛也(おかわりくん)によく似ている。
実際、山川は中村に憧れ、いろいろとアドバイスをもらっていると自ら語っているように、
かなり影響は受けているのだろう。バットコントロールのうまさは中村に引けを取らない。
ルーキーイヤーの今季、一軍では13打数でノーヒットのまま二軍降格となったが、
ファームでの成績は打率.346、17本塁打と、格の違いを見せている。
彼の一軍での活躍を見れるのもそう遠くはないだろう。


この他では、2安打(うち1本は本塁打)を放ち山川と同じく優秀賞を獲ったオリックス・バファローズの奥浪鏡。
創志学園高から13年ドラフト6位で入団。ウエスタンリーグで何度も接しているという掛布氏は、
手首の柔らかさとフォロースルーの大きさ、右腕の押し込みにセンスを感じると絶賛。
同じくバファローズの高卒2年目の外野手、武田健吾も2安打と気を吐いた。
福岡ソフトバンクホークスの外野手、育成選手の釜元豪も2安打1四球、走攻守に活躍を見せた。

こうしてみると、若手の力は、パシフィックの選手がセントラルを大きく上回っている。
とくに賞に輝いた三人、千葉ロッテ・井上、埼玉西武・山川、オリックス・奥浪は揃って右のパワーヒッター。
DH制の絡みは当然、関係しているだろうが、セントラルも左右に限らず、
この長距離バッターの発掘、育成を真剣に考えないと、両リーグのバランスだけに留まらず、
世界と戦う上でもこの点がどんどんウイークポイントになっていく可能性がある。
今季の交流戦で試みたセントラル主催でのDH制を、
とりあえず1シーズンでもいいから実験的にリーグ戦の中で試してみる価値はある気がする。

ちなみにジャイアンツから出場した土田は最終回の1イニングを2奪三振の3人で仕留め、
奥村は1安打、辻は残念ながら2三振で終わった。







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