負けたら3位でCS地元開催を逃すタイガース。
カープは仮にこのゲーム落としても、最後のジャイアンツ戦に2位死守の可能性を残している。
それでも当面の敵であるタイガースを直接地元で倒し、カープはそうそうに2位を決めたかったろう。
タイガースは勝利のみ。
カープも残りの一試合など、ハナから頭になかったはず。
ここまでくればお互い、勝つ以外に何もない。
そんな直接対決、最終決戦で勝敗を決したのは、能見のピッチングだった。
今季、カープにいちばん相性のいい能見を中6日でこの試合に持ってこれたタイガースベンチが、
その時点で先手を取ていた。
勝ちムードを高めるのにもってこいの能見先発が、
試合を優位に進められたいちばんの要因だったのではないか。
一方、カープの先発はルーキーの大瀬良。
ルーキーとはいえ、
シーズン通してローテーションを守ってきたピッチャーだからベンチの期待も理解は出来るが、
やはり硬さの方が目立っていた。
4回5安打3四球3失点は、相手が能見だっただけに何とも言い難い。
85球という球数の多さからも分かるように、制球が悪く、
常にボール先行で2回、3回は先頭打者を四球で歩かせた。
ワイルドピッチ、野手の送球エラーなど、悪い流れは守りのミスを連発させ、極めつけは、
三本間に挟んだ福留をサードの梵が深追いしすぎてタッチ出来ず失点するという痛いプレイまで飛び出した。
かたや能見はランナーを背負っても要所を締めるピッチング。
ストレートの走りもよく、スライダー、チェンジアップがうまく噛み合った。
なにより、マウンドの能見の落ち着きが、タイガース野手陣を攻守にわたり引き締めていた。
チームを盛り上げる、チームをノセる選手というのも必要だろうが、
チーム全体を引き締める、そんな役割を担える選手が存在するかどうかは、それ以上に重要ではないか。
時にはチームに緊張感をもたらし、時にはチームに勇気を与える。
この試合では、能見がピッチングでそれを示していたように見えた。
野手の中心にそういった選手がいるかいないかによって、
チームとしての攻撃力、チームとしての守備力に大きな差を感じる。
ジャイアンツはそこに、阿部が存在する。
やや下降線と言われていたタイガース打線だが、
やはりクリーンナップが強固であることに変わりはない。
ここに来て好調な福留、さらに故障していた今成もCSに間に合いそうな報道もある。
打線はこれまで以上に躍動する可能性を秘めている。
2位、3位の順位を度外視しても、能見をより印象付けれたのはタイガースにとって大きい。
能見、メッセンジャー、さらに岩田もカープ戦では好成績を残しているので、
カープは少しでも精神的優位な状況で1stステージを迎えたい。
何につけ、ジャイアンツとの最終戦を獲らないことには苦しくなる一方だ。
5日の対ジャイアンツ最終戦は前田健太が大方の予想。
ジャイアンツは順番からすると澤村だろうか。
前日登板が予想される小山と入れ替える可能性も考えられるがどうなるか。
澤村は前回のカープ戦、9月17日のマツダスタジアムでは1回に4点を獲られて降板。
それ以降、いまひとつピッチングがしっくりいっていない様子も見受けられる。
現在4勝3敗。負ければまた勝ち負けに差がないままシーズンを終えることになる。
同級生の前田健太に投げ勝ち、ひとつでも多く貯金を増やしてポストシーズンを迎えたいだろう。
負けられないカープを、澤村は返り討つことが出来るか。
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