一足先にペナントを制したジャイアンツ以外は、
両リーグともに上位の順位争いが混沌としてきた。
パシフィックはトップの福岡ソストバンクホークスがここにきて5連敗。
この10試合で1勝9敗はまさかの大失速。
一方、2位のオリックスバファローズもこのチャンスをものにしきれない。
せっかく上でホークスがどん底状態であるにも拘らず3連敗。
いっしょになって足踏み状態を続けている。
オリックスにマジックが点灯しても、残り試合と比較すると、
数字は逆にプレッシャーになりそうな値。
傍から見ていても切迫感がある。
3位に滑り込むのは王手をかけている日本ハムファイターズが濃厚のようだ。
今季限りで退任を表明した星野監督の楽天イーグルスは脅威の追い上げを見せたが少し遅かった。
ジャイアンツがペナントを制したセントラルに目を向けると、
ここにきて2位カープと3位タイガースの形勢が逆転しそうな勢いである。
9月に入り、両チームともやや失速気味ではあったが、
この後半にきてその失速感が増しているカープに対し、
タイガースは9月前半のしぼみ具合を、徐々に盛り返して、
どうにか五分以上の雰囲気まで押し上げてきた。
28日(日)までの9月の成績だけ見ると、カープが10勝14敗、
タイガースが11勝12敗と両チームとも負け越しているが、先週だけに限って言えば、
1試合だけ組まれていたカープとの直接対決を獲ったタイガースが3勝2敗と勝ち越したのに対し、
カープは2勝4敗と負け越し。
なによりカープは週末に3連敗、タイガースは週末2連勝。
この差がチームに吹く風をガラリと変えた気がする。
タイガースは球場の雰囲気も含めて、この連勝が停滞ムードを吹き飛ばした。
それまでの敗戦があたかも幻であったかのような盛り上がりで、一気に機運が高まった。
一方、3連敗のカープは抑えのミコライオが足をつって降板。
ロサリオが体調不良、守りの要・キャッチャー石原が首痛で欠場と、
突然、負の連鎖に襲われている。
選手の状態でいえば、タイガースはここにきて福留が好調の波に乗った。
9月の打率は.361、4本塁打、13打点、ゲームを決める勝負強さが目立っている。
そしてなにより注目は松田遼馬がよやく戻ってきたことだろう。
CSでも彼の起用が大きなカギになりそうだ。
若き中継ぎエースの復活は大きい。
カープも悪いニュースばかりではない。
先日、頭部にケガを負った田中広輔と、捕手・会沢翼が一軍登録されている。
田中が戻るのは攻撃面で心強いはず。
会沢も今季前半で名前を売った選手。
突然、名前が聞かれるようになった矢先の故障離脱だっただけに、
他球団のファンからするとイメージは薄いが、
数字だけ見ても61試合(169打数)で.314は、
チームメートの小窪哲也と非常に近い数字(75試合、156打数で.314)。
攻撃面だけで捉えれば石原を優にしのぐ。
さらに20歳の鈴木誠也も起爆剤になりそうな勢いがある。
彼が突っ走れば打線に切れ目がなくなる。
若手選手の躍動はチーム全体を押し上げるエネルギーに満ちている。
堂林も、うかうかしていられない。
スポーツ紙によるとミコライオ、ロサリオは大ごとではなさそうなので、
こちらは一安心だろうが、
カープは投手陣、とくに中継ぎ陣のヘバリが言われているようなので、
そのあたりが勝負を分けるポイントか。
いずれにしても、ここにきての地元甲子園での連勝は、
タイガースにとって追い風以上の突風だ。
タイガースは残り3試合、ベイスターズ2連戦が甲子園という地の利のよさもある。
ラストがマツダスタジアムでの直接対決だけに、
このベイスターズ2連戦は是が非でも連勝し、
2位に浮上した状態で広島に乗り込みたい。
タイガースの何よりの強みは先週末に甲子園で連勝し、
まさに今週からのシーズンクライマックスを甲子園でスタートできること。
ハマ風ならぬ、追い風に乗ったときのタイガースの威力は絶大だ。
カープは残り4試合、すべてホームで戦える利点を活かせるだろうか。
ゲーム差なしではじまるこの一週間の戦いで順位が決まる。
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