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もうひと踏ん張りの、その”ひとつ”に手こずる澤村拓一。

2014-07-14 23:56:48 | 2014年シーズン

「澤村がまた登板しますし、チームとしてもしっかりと戦っていきたいと思います。」
前日の勝利監督インタビューで、タイガースの連勝を止めたことを問われた原監督が言った言葉だ。
ペナントレース後半に向け、原監督の澤村に対する期待の大きさが窺える。

7回のあの逆転劇も、原監督の言葉を借りれば、あそこで ”もうひと踏ん張り” しきれないのもまた、
澤村らしさだと、そう思いながら、しみじみと眺めていた。

勝ち投手の権利を得る5回を投げ終えた時点で4安打1四球1死球1失点。
味方は3点とってくれている。
三番の鳥谷からはじまった6回は、鳥谷を投ゴロ、ゴメスを空三振、
マートンを二ゴロと、強力クリーンナップを12球で封じ込めた。
この三人を完璧に押さえ込んだことで、この後の3イニングをどうまとめていくかというゲームプランが、
何となく脳裏にイメージできたような、多くの人が何パターンかのイメージを思い描いたと思う。
澤村が最後までいくかはともかくとして、今の状態でいけるところまでいけば、
いつもの二枚が控えているし、そこに西村も加わっている。
一応のメドは立った。一応だが、イメージは出来た。

7回表、二死までこぎ着けたが満塁になった。
カメラがベンチを映す。交代の可能性もあったが、原監督は動かなかった。
原監督が選択した澤村続投には、おそらく多くのファンも異存はなかったろう。
ペナント後半に向け、澤村にはローテーションをきっちり守ってもらわなければ困る。
ここに来てのこの程度のピンチは、自力でどうにか乗り越えて欲しい。
それが原監督の期待であり、多くのファンもそう考えたに違いない。

夜のスポーツニュースでも、江川氏がこの原監督の選択を支持している。
この先のペナントを戦っていく上で、原監督があの場面を澤村に賭けたのは当然とし、
また、仮に山口鉄也や西村を投入してひっくり返されるようなことにでもなれば尾を引いてしまうが、
万が一、澤村が打たれたのならばあきらめがつく。そしてその分、ダメージも少ないと江川氏。
ましてや打席は右の代打の切り札・関本。

バッターが関本だった時点で、原監督も、見ているファンも、
1点、2点、同点までは覚悟を決めることが出来たはず。
もちろん、しっかり抑えてくれることに越したことはない。当然、そうだ。

しかし、結果は、まさかの逆転満塁ホームラン。
逆転満塁ホームランなんて、口にはしょっちゅう出せても、実際にそうは出るもんじゃない。
いやいや、澤村投手、ホームランですか?
マジですか?
と、思わず声に出して聞いてしまった方もいたのではないかと思うくらい、
ちょっと驚きの結果だった。
この回、誰に投げたストレートよりも、いちばん打ちごろな高さへいってしまった。
澤村がよくやる、スッと投げ入れるようなストレート。

ただ江川氏が指摘したとおり、たしかに抑えの切り札を出して打たれたわけではないので、
まだ仕方ないとあきらめはつく。
どちらかといえば後味が悪かったのはこの逆転劇よりも、
むしろその裏の回のチャンスでの拙攻の方だろう。
拙攻はちょっと言い過ぎかもしれないが、
肝心なところで一本が出きらなかった。

せっかく相手がくれた先頭打者への四球、そこから矢野のヒット、
原監督の助言を直接受けた流れでの寺内の初球送りバント成功。
この上ない流れだった。坂本の内野ゴロの間に1点が入り、二死二塁、打席は亀井。
二塁ランナーを鈴木尚に変えなかったのは、まだこの後、もう一山あると原監督は読んだのだろうか。
亀井のライトへのヒットは当たりが強すぎたか、これで二死一、三塁。
長野が四球を選んで満塁。前の回のタイガースと似たシチュエーションになったが、村田が倒れた。
こっちのほうが、ちょっと効いた。
まあしかし、ひっくり返したり、返せなかったり、それは仕方がない。


交流戦が明けた頃から、不調だった人たちにも当たりが戻ってきた。
堰を切ったように打ち出しているのが長野。
交流戦が後半に差し掛かかった先月の半ばころまでは、
ずっと.250から.260辺りを行ったり来たりしていた。
それが交流戦最後の2カードくらいから目に見えてグングンと打率が上がってゆくのが判った。
気がつけば.293まで上昇。3割も射程内だ。

坂本はようやく3割に乗った。
阿部も明らかに当たりが変わってきた。
数字だけで言えば片岡がやや下降気味だが、あいかわらずいいところで打っている印象はある。
ここ3年くらいは片岡もケガなどの影響で毎シーズン、フル出場していたわけではないから、
ここに来ての少々バテ気味は仕方がない。今季、ここまでの出場試合数は、
すでに昨季の出場試合数にほぼ並んでいる。
一昨年はそれより少ないし、その前のシーズンも昨季と似たり寄ったりの出場試合数だ。
ジャイアンツに来て、またフル出場できるくらいの元の強さが戻ってくれば、
数字だってきっとついて来る。

橋本到が土曜の試合から一軍に戻ってきて先発出場している。
土日の試合で2打席づつ。まだヒットはないが、
ファームできっちり身体を戻してきているから復帰打も時間の問題だ。


澤村は極端な出来でない限り、被安打数や失点などを考察したところで、
きっとあまり意味がないのかもしれない。
ローテーションを守って、きっちり勝てる投手は、
やはり失投、投げミスが少ない。
それがなければないだけ勝ち星の上積みも増してゆく。
集中力を切らすことなく、丁寧に投げ続けることが出来てこそ、
得意のもち球も活きるというものだ。

気を抜いているわけではないのだろうが、やはり相変わらず、
フッと抜けるような、スッと投げてしまうような瞬間が、必ず試合のどこかで顔を出す。
ケガしない程度のシーンならさほど問題もないかもしれない。
だが、それが大事な場面であるならあるだけ深い痛手を負うことになる。
澤村は後者のイメージが強い。
それで、手こずる。

一昨日の杉内のように、根気よく、丁寧に、集中力をもって。
言葉にしてしまうと、浅くとられがちな響きだが、
野球に限らず、それが、いい仕事に結びつく。

関本に逆転満塁弾を打たれたとき、何ともいえない表情をしていた澤村。
悔しさに、プラスアルファが入り混る、そんな複雑な表情に見えた。
何を思ったろうか。

前回同様、決して悪いピッチングではなかった。
次は、どんなピッチングを見せてくれるだろう。

そうだ!
ロペスがホームランを打ったんだ!
viva! José Celestino López!



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