Naoの誰でもわかる!英語の話

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Rioの話#4

2020-05-30 | Rioの話
Rioの話#4

「ある事件」という言葉に、一体何があったのか気になった方もいるかも知れませんので、簡単に触れたいと思います。あるとき、Rioはクラスメートの女の子とメールのやりとりをしていました。そこで、何気なく、日頃の母親に対する不満があったのでしょう、I’ll my mother.と書いてしまいました。それを見た女の子は、何を思ったのか、それを自分の親にではなく、また、学校にでもなく、直接警察に連絡したのです。そのため、警察は母親の安全を考え、家に来てRioを連行しようとしたのです。その時私は日本にいましたので、警察が家に来たときにアメリカから電話が入りました。こちらは真夜中、急な電話に驚いて出ると、母親から警察が来て子供を連行しようとしていること、自分の身の安全のために子供を連行すると言っているのでなんとかしてほしい、自分は何も危険な状態ではないのに、という内容でした。驚きつつも、すぐに警官に代わるよう伝え、警官と話をしました。その時の会話は以下のようなものでした。

Naoki: What is it all about?
Police: Sir, we’ve got a report that your wife is in danger. Your son said he would kill his
mother, so I need to take him to the police station.
Naoki: What? Who said such a thing? My wife told me that she is fine and she is no way
in danger or anything. You don’t have to do that.
Police: Well, sir, since I got a report and instruction, I need to take him to the police
station. It’s my job, sir.
Naoki: I understand it is your job, but, it is my job to take care of my family and the
person you said in danger is telling me that she is not in danger at all, so I need
to ask you to leave now, and I cannot let you take my son for whatever reason
that I don’t understand. Could you please leave them alone for now?
Police: Well, then, I’ll leave now, sir, but would you make sure that your son will come to
the police station tomorrow morning?
Naoki: Sure thing. No problem. He will be there, all right. Thank you, sir.

このことが高校側に伝わり、問題を回避したい校長はRioを退学処分にするために動き始めました。懲罰委員会のようなものを開くという通知が来たのです。それに驚いた母親は、私にそのことを連絡してきましたので、私はそれを聞いてすぐアメリカ行きのフライトを予約し、二三日後にはイリノイに降り立ちました。そしてすぐに弁護士を探し、話をし、対応を依頼しました。今でもその時のことは鮮明に覚えています。弁護士は私の話を聞くと、すぐにUni Highの校長に電話をし、そのような会議を行うようなら自分も出席すること、なので、相手側も弁護士を同席させた方がいいのではという内容でした。その後すぐに校長から連絡があり、話をしたいとのこと。結局書面を取り交わし、今回はそのような会を開くことなく、ただし、学校に来るにあたっては幾つかの条件をのんでほしいとのことでした。条件とは、授業が終わったらすぐに帰宅すること等、Rioが危険なことをしないような環境づくりのための条件といったものでした。それに両者がサインすることで、Rioは残りの学期を終わらせることができました。しかし、このような大人同士の決着に、Rioは怒りを隠しませんでした。このような状況の中、Rioの友人たちは校長室に押しかけ、Rioがどんなにリーダーとして信頼されており、言われるような生徒ではないと猛抗議してくれたのです。ありがたいことでした。そして、そのことから、Rioが家庭での一面とは大きく異なり、周りの人間から好かれていたことが分かりました。このような彼の性格は、亡くなる前まで失せることはなく、Rioは周りの人たちから愛された人間であったことが、ガールフレンドから知らされました。それを聞いた時は、本当に嬉しかったです。いろいろありましたが、彼は周りの人たちを大事にし、そして、彼自身、大事にされていたこと、愛されていたこと。大人になった彼の中には、小さい頃の優しさ、誠実さがそのまま残っていたことを知り、何かほっと暖かくなるものを感じました。 (End of #4)

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