菅 直人

2005年10月25日 | Weblog
全幅の信頼を寄せる政治家や政党があるほど、もう純情ではない。唯、ここ数年の政治家の言辞の中で、民主党元代表菅直人氏の「最小不幸社会」という言葉は印象に残っている。選挙は非情でどんなに優秀に見える候補者でも地盤、看板、かばんがなければ、連続して当選できないが、故市川房江さんの地盤を引き継いだとはいえ、社民連という小さな政党から出発して、ここまで生き残ってきたのは才能だろう。薬害エイズ事件の時、厚生大臣として聴取すべき人間と項目を全部リストアップし、13日目に郡司ファイルが出てきたらしい。官僚と本気でけんかした。不倫事件やかいわれ問題もあったが、国民的人気もあったと思う。与党にいれば、官僚の世界に手を突っ込み、成果をあげられる。そう本人も感じたはずだ。
民主党の代表になり、政権をとれば、自分が理想とする政策が実行できる。与党の強みも知っている野党の党首だった。04年の国民年金未納問題で、不本意な辞任をしたが、あの時のテレビ番組内での田原総一郎氏の辞任をせまる過程とその後の展開は少しむご過ぎたと、いまでも思う。氏自身も未納があったのだから、後に菅氏の未納が完全に武蔵野市側のミスだとわかったとき、代表復帰ぐらい提唱すればいいだろう、と思った。マスコミ人は人を批判はしても、あまり反省はしないようだ。

「税金の使い方を変えて、しっかりとセーフティ-ネットを張る。そのうえで、自由な経済活動をし、失敗しても、またチャレンジできる社会をつくる。」
菅氏の主張は今でも私には魅力的に聞こえる。

民主党の代表は前原氏になった。保守なのか、社民なのか、評価すべきなのか、私にはまだわからない。まだ見ぬ市民のために、屈しない心根の優しい強さを持った党首になってほしい。

菅氏の旬は過ぎたのだろうか。ほぼ全滅の東京選挙区で生き残り、その後の武蔵野市長選挙でも勝った。しぶとい人なんだろう。HPによれば、団塊世代を糾合し、各地の社会活動に参加する場を創るそうだ。舌鋒がするどすぎて、たまに墓穴を掘り、なんだかワケわからん息子を選挙に立てるし、毀誉褒貶相半ばする人物だが、私は頑張ってほしいと思う。