ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

カーボンナノチューブは医療にも

2011-12-02 | 日記

Nanowerkのニュースに、つくばにある産業技術総合研究所(AIST)の研究者たちが作成した興味ある装置が報じられていた。ちなみに産業技術総合研究所は産業技術に関する我が国最大級の研究所で、ナノテクノロジー研究に関しても中心的な役割を果たしている。

心臓のペースメーカーなど体内にインプラントする装置には電池を必要とする。通常はリチウム電池(注参照)が用いられ、その寿命が10年間程度ではあるが、電池の効果には手術が必要となる。AISTの研究者たちは、体外から赤外線を照射するだけで充電可能な装置を開発した。

この装置ではカーボンナノチューブをシリコン中に分散させておく。これに皮膚を通過出来る波長の長い紫外線を照射すると、カーボンナノチューブがその紫外線を吸収し加熱される。そのためシリコンとの間に温度差が生じ電圧が発生する。この電圧を利用して電池を充電しようとするものである。この装置を電池と共にインプラントしておくと、再手術の必要がない。目下発電効率を上げることと安全性の向上を試みているとのことである。

以前にもナノ粒子ががん治療やがん診断に役立つことを述べた(9/27,28,10/30,11/13参照)。ナノテクノロジーは医療機器の分野でも威力を発揮しそうである(11/7参照)。