西京極 紫の館

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じんかん  今村翔吾/著  講談社

2024年06月08日 15時48分48秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
主家を乗っ取り、将軍を暗殺し、東大寺大仏殿を焼き払う。悪名高き武将・松永久秀は、織田信長に二度目の謀叛を起こしていた。だが信長は、「降伏すれば赦す」と言う。驚愕する小姓・狩野又九郎を相手に信長は、世人は知らぬ久秀の壮絶な半生を語り始める  。魂を震わす歴史巨編!

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆★★
  独創性 ☆☆☆☆★
 読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
石田三成を名将として描いた『八本目の槍』の今村翔吾が、今回新解釈として扱ったのは、稀代の悪人とされた松永久秀。その久秀(本編中では主に九兵衛と称す)が実は、欲得の為に人を殺め世を乱す“武士”という存在をこの世から滅ぼさんとする清廉篤実な改革者として描いている。史実に残る久秀のイメージからはかなり飛躍した解釈なので、ちょっと盛り過ぎかなとも感じるが、これはあくまで小説、フィクションであるから、面白ければ良いのです。その意味では十分に面白い。惜しむらくはちょっと展開を端折り過ぎだし、急ぎ過ぎ。もっと多くの頁数を費やしてでも、各エピソードを丁寧に書くべきだと思った。

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