●概要
・世界最大の先端複合材料の展示会で毎年4月にパリで開催される。47000㎡の広さで1000を超える団体が出展する。
・JEC Composite Show(以下「JEC」)のトレンドはCFRP関連の分野。CFRP関連の企業は炭素繊維メーカーから、成形備品メーカー、成形加工メーカーまでレジンメーカー以外は様々な企業が参加していた。他にも、グラスファイバーメーカーも参加している。写真は会場のエントランスと会場内の様子。
●参加企業
>帝人テクノプロダクツ・東邦テナックス(写真下)
同一ブースにて参加。アラミド繊維と炭素繊維をメインに出展。帝人テクノプロダクツ、東邦テナックスご挨拶させていただいた。
>東レ、三菱レイヨン
上記同様、日本の3大炭素繊維メーカーは今回のJECに参加。いずれも大きなブースを持ち製品の発表をしていた。東レ様、三菱レイヨン様ご挨拶させていただいた。
>CARBON COMPOSITES(ドイツ)
CFRPについては世界指折りの技術をもつグループ。CFRP製の航空機機体や自動車車体など、大型成形品を展示し、注目を集めていた。(写真下)
>CARBON FORGE(フランス)
独自の設計と成形方法⇒CFRPプリプレグを切り取って貼り合わせ、熱プレス成形を行うことで、無駄なく、且つ工数を短縮する成形技術を持つ。詳しい内容は映像で明かされなかったが、成形の段階で、後はバリ取りのみという状態まで仕上げる。(写真下)
>Advanced Composite Group(ドイツ)
こちらもCFRPについては世界指折りの技術を持ち合わせるグループ会社。写真下のような、非常に完成度の高いバイクを展示するなど、会場の注目を集めていた。
>SORA COMPOSITES(フランス)
自動車に特化したCFRP成形を行っており、下写真のようなスタイル良く、完成度が非常に高いレーシングカーを展示していた。こちらも会場から大きな注目を得ていた。
>The Team(複数企業で合同)
下の写真で収まりきらなく見ただけでは良く分からないが、大型トラックの荷台を作成、展示していた。左方の波型部分がタイヤの部分になる。炭素繊維メーカー~成形加工企業まで複数企業の合同出展。細かく見ると雑な部分が多いが、かなりインパクトのある展示物となっていた。参加企業は3枚目の写真。
>ZOLTEK(アメリカ)
上記のトラックで参加していた炭素繊維メーカー(下写真)。現在、東レ、三菱レイヨン、東邦テナックスが大部分を占める炭素繊維シェアに参入し、成果を上げている。東レ様より、「品質は日本製ほど良くないものの、安価である」、との話。
>G.ANGELONI(イタリア)
ファブリックを行うが、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、それらを複合したファブリックも行い、更には繊維にメタリックコーティングをしたものも扱う。折柄も様々あり、バラエティに富む。機能性だけでなくデザイン性も持ち合せる。下写真は炭素繊維とメタリックコーティングした繊維の複合素材で、インパクトは強烈で非常にクールでカッコイイと感じた展示物であった。
●感想
昨年秋、日本国内のSAMPE JAPANによる複合材展示会を見学し、CFRPのレクサスが印象的だったが、世界規模、特に欧州では更に上を行くCFRP成形加工技術が多くあり、井の中の蛙を思い知らされ、圧倒された思いであった。CFRP成形加工の世界事情、特に欧州の技術が特に先進していると知れた事は、非常に良い経験であったと感じる。
開発技術部 開発技術課 渡邊 傑