29 日米関係 -230- (完)
ⅩⅢ 高度経済成長後(1960~現在)
1960年安保改定後の日米関係の主要な部分については、すでに下記の各項目で考察・評価してきた。
■「沖縄・米軍基地問題・尖閣諸島」 → 133・134・135・136・尖閣諸島問題137・138・139・/140
■「冷戦:70年代~終結1991」 → 400・401・402・403・404・405・406・407・408・409・410・411・412・413
■「核兵器・原子力」 → 414・415・416・417・418・419・420・421・/ⅱ 422・423・424・425・426・427・428・429・430・/ⅲ 431・432・433・434・435
したがって、この項では、上記以外の日米関係(直接的な二国間関係)の描写を紹介し比較する。ただし、国連や多国間関係に関わることは、次項の「30 国際関係」で扱う。
■実物コピー ※自由社、教育出版、日本文教は無記。
【育鵬社】
【東京書籍】
【帝国書院】
【清水書院】
【学び舎】
■まとめと考察
1 「貿易摩擦」の描き方
●現在の日本の状況を理解するために極めて重要な、日米の経済関係について描いている。 → 〇 東京書籍、帝国書院、清水書院、学び舎。
●上記について描いていない。 → ✖ 育鵬社、自由社、教育出版、日本文教。
2 「世界金融危機2008」の描き方
●現在の世界を理解するために重要な、金融問題について描いている。 → 〇 育鵬社、東京書籍。
●上記について描いていない。 → △ 6社:自由社、帝国書院、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎。
※「経済(活動・問題)」は、《現在世界》の状況に関して、最も重大な影響を及ぼしている要素だと思う。したがって、〝過去世界”の歴史認識においても、もっと重要視される必要がある。
3 政治・軍事的な「日米同盟」の描き方
1960年の「安保改定」の状況が引き続いている。したがって、評価については、既述の<Ⅻ安保改定 663・664・665>による。
※東京書籍の後段:「しかし、(中略)さまざまな意見があります。」という表現について
一般的に、あらゆるものごとについて、「さまざまな意見」があるのが普通だろう。したがって、この文は、事実認識としてまちがってはいないが、論理的にはほとんど無意味。非論理的要因を考慮すれば、《「アメリカの軍事的行動への協力やアメリカ軍基地」についての印象を悪くするための価値的・感情的表現》だと推測できる。つまり、いわゆる「印象操作」の類。(したがって、東京書籍については、✖や△にするという評価も成り立つだろう。)
ようやく、230回にわたる連載記事で「日米関係」の比較調査が終わりました。現代日本の諸状況にもっとも重大な影響を及ぼしている国際関係なので、当然の結果でしょう。
私的な予想・・・日本史のなかの日米関係の比重が軽くなるのは、いわゆる「世界政府」ができてからだと思いますが、中華人民共和国という強力なかく乱要素(=「悪の帝国」)があるために、それがいつごろになるのかよく分かりません。
しかし、国連が″死に体”になっている今、頻発する〝人類の諸問題” について、米国・「中国」をも抑えうる(=調整できる)強力な国際機関が必要になっていると思いませんか?
(※死に体の国連≒中華人民共和国やロシアなどの「侵略」に対して、国連憲章に基づく「国連軍」が組織できない。)
~次回から、30 国連・多国間関係の描き方~
<全リンク⇒1へ> <Ⅻ安保改定 663・664・665・ⅩⅢ 高度経済成長後666(29日米関係:完)>
《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》※記事の不備等に関するお願い…《ブログ「やおよろずの神々の棲む国で」の記事》が原典。他に2つのサイトに同時に投稿中。不備等の後日修正は原典のみで実施中ですが、事情により原典ブログではコメント機能を止めています。ブログの内容に疑問がある場合は、投稿中の2つのサイト<AまたはB >へのコメントで教えてください。
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